映画嫌い (482)
2009年9月4日 映画本日のクソ映画は2005年の英国映画「リプリー - 暴かれた贋作 (Ripley - Under Ground)」である。パトリシア・ハイスミスの人気小説の映画化だ。
英国のロンドン。主人公のトム・リプリーは売れない貧乏役者だ。詐欺や盗みもする悪人である。彼の親友に画家のダーワットという男がいた。最近にダーワットの絵が評価されるようになり、遂に彼の個展が開かれたのだった。マスコミや絵のバイヤーたちからも将来有望の新鋭画家として扱われ、彼の絵が次々に高額で売れていく。ダーワットの個展の成功を祝うパーティに集まったのは、トム、ダーワットの他に、ダーワットの絵の販売をマネージメントしている男・ジェフ、友人である画家・バーナード、ダーワットの彼女・シンシアだ。調子に乗ったダーワットはシンシアにプロポーズするが、シンシアはダーワットと別れる事を考えていたので、そのプロポーズは断わられてしまう。ヤケを起こしたダーワットはその場を飛び出して、車を暴走させて事故死してしまった。これは困った。個展はまだ開催中である。彼が死んだ事が知れてしまえば、絵が売れなくなってしまうし、次の彼の作品を予約したバイヤーからジェフは既に小切手をもらっているのである。そこでトムとジェフの考えで、ダーワットの死体と事故車を隠し、ダーワットが生きているように偽装することになった。シンシアもそれに協力することになり、ダーワットの作風を知りつくしているバーナードがダーワットの新作として絵を書いてそれを売るのだ。売り上げはその4人で山分けである。偽装された絵を買った米国人バイヤーのマーチソンは、その絵の不審な箇所に気が付き、本物なのかダーワット本人に会って確認したいと言い出す。トムは変装してダーワットになりきってマーチソンと面会するが・・・。
いまひとつ盛り上がらないストーリーだねぇ。4人の贋作詐欺チームの作戦に緻密さ、インテリジェンスがないし、4人が一丸となった協力体制にないんだもの。それに、ラストのオチも想定内だなぁ。4人チームの外にいて、トムの悪事を知らないハズの彼女・エロイーズ。トムの悪事の証拠が警察に見つかりそうになって「危うし!」な状況で、その証拠をトムにも見つからずに密かに隠滅していてトムを救ったのがエロイーズだ・・・というのがラストのオチなのだ。贋作に無関係だったエロイーズが最もワルだったわけだ。そ~いう、私でさえも見抜けてしまったオチをやるかぁ? それにさぁ、なんでエロイーズがトムの悪事を知りえたのか、その状況を全く見せていないのがダメぢゃん。緻密さがないのは贋作作戦だけじゃなくて、ストーリーと脚本もだな。
映画「リプリー - 暴かれた贋作」
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