映画嫌い (169)

2007年4月1日
 
本日のデス映画は2006年の邦画「地下鉄に乗って」である。浅田次郎の小説の映画化だ。タイトル中の「地下鉄」は「メトロ」と読むそうだ。タイムスリップものである。
 
主人公は会社員・小沼真次。彼は彼女のみち子と共にタイム・スリップを繰り返す。地下鉄に乗ると、戦時中の昭和20年、終戦直後の混乱する昭和21年、彼が少年時代の昭和39年の世界と現在が不思議に繋がっていたのだ。小沼は現在は父とは絶縁状態にあるが、タイムスリップ先で若い頃の父・佐吉と知り合う。みち子も自分の生まれる前の母と知り合い、そして驚愕の事実が判明し・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/metro.jpg
 
映画「Always 3丁目の夕日」でも見られたような、昭和のレトロ感を表現している映画だ。小沼を演じている堤真一も、父を演じている大沢たかおも、いい芝居をしていると思う。しかし、残念ながら肝心のストーリーが物足りない。かなり地味だ。すごく中途半端な印象を受けた。もうひとひねり、ふたひねりくらい欲しかったなぁ。みち子の存在をファンタジー化したかったのだろうが、それも成功しているとは思えない。みち子が消えたシーンにはおもいっきりコケたもの。
 
私はDVDでこの映画を見た。そのDVDの副音声には、監督さん、美術さんがこの映画を見ながら、そのシーンの撮影裏話を喋っているのが収録されているのである。なんと、その話の内容のほうが、映画本編よりずっと面白いのだ。昭和39年の街並や地下鉄を表現する為の色々な工夫やロケの苦労なんかを話している。その話によると、かなりの綿密な事前調査を行い、凄くこだわりを持って撮影されていたことがよくわかる。それが本編のストーリーより面白いんだもの、これは本末転倒じゃないか。その意味でこの映画はデスなのである。
言い換えれば、それほどこだわりを持って撮影されていながらも、そのような裏話を聞かなければ、そのこだわりが映像に反映されているように見えてこないのである。それって単に表現手法が下手なだけでは?と思うのは私だけであるまい。
 
それにしても、みち子のあれはタイム・パラドックスだよなあ。
 
 
映画「地下鉄に乗って」
http://www.metro-movie.jp/
 
 
 

 
タイムスリップものはもういいよぉ・・・。
 

 
 

春の唄嫌い

2007年4月2日
 
札幌管区気象台が札幌の積雪量がゼロだと発表した。
我が家の前には雪がまだどっさりとあるんだけどなぁ。
どうにかしてくれよぉ、ゴア氏。
 
で、本日はヒミツの日記にヒミツ話を記述。見られない人は残念でしたぁ。
 
 

 
 

 
 

桜嫌い

2007年4月3日
 
桜が咲くのはまだ1ヶ月も先のことだなぁ。
ってなことで、本日はヒミツの日記に記述。
 
 

 
 

 
 

クリオネ嫌い (1)

2007年4月4日
 
北海道のオホーツク海に面した紋別市に親戚がいる。知床、網走と並んで紋別は冬になると流氷の街になる。最近の観光客の目当ては、流氷じゃなくて、流氷の下に棲息しているクリオネなんだそうだ。観光客は流氷の下に潜ってクリオネを見るわけにはいかないから、観光施設に設置してある水槽の中にいるクリオネを見て、「カワイイ!」と奇声を上げているらしい。確かにクリオネの形状も泳ぎもカワイイ。一種のメルヘンの世界だな。
 
実は、このクリオネ、その生態はまだはっきりわかっていないらしいのだ。紋別にいる親戚は、なんとか水槽の中でクリオネを飼うことができないものかと何度も実験しているけれど、春になって暖かくなってくると水槽の中で全滅しちゃうらしい。水温を低温のままに保ってもダメなんだそうだ。夏でもクリオネを見られるようになったり、クリオネを人口孵化できるようになったとしたら、観光の活性化につながるので、私の親戚もいろいろと試しているそうだ。しかし、今年も春になって見事に水槽の中で全滅してしまったらしい。
 
先日、その親戚から驚愕な話を聞いた。クリオネを食べてみたと言うのだ。
貝の一種だから食べられないことはないだろうが、随分と悪趣味なことをするよなぁ、さすが私の親戚だな。クリオネは小さいからそれを50匹くらい集めて、生きているやつにワサビ醤油をかけて刺身で食べたと言う。刺身というよりは踊り食いだな。なんだかクリオネの悲鳴の声が聴こえてきそうなシチュエイションである。もしもそれが美味しくて、クリオネの養殖にでも成功したならば、将来はクリオネ丼、クリオネ鍋とか、クリオネ・ラーメン、クリオネ入りカレーなんかを名物料理にできるかも知れない・・・と思ったそうだ。
 
しかし、世の中、そう甘くなかった。クリオネが小さすぎて、味がほとんどわからなかったらしい。歯ざわりもなく、喰いごたえもない。これじゃ食材にはならないと判断し、クリオネ丼の件は夢と消えたと言う。
 
こうなったら、やはり、クリオネがモッコリしちゃっている「クリオネモッコリ」ってなキャラクターものでも作るしかないかな?
 
 
クリオネ
http://www.kaiyukan.com/clione/
http://www.mon-cci.or.jp/kurione/kurione.html
 
 

 
 

 
 

クリオネ嫌い (2)

2007年4月5日
 
道東(北海道東部)の土産品には、やはりクリオネ関係のものがいろいろとある。クリオネ本体は売られていないけれど、クリオネをキャラクターにしたキーホールダーや携帯ストラップなんかがあるし、お菓子のデザインにしているものも何種類かあるようだ。
 
人気があるのは、クリオネ・グミらしい。私も親戚からもらって食べてみたんだけど、こんなやつなのだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/kurione1.jpg
味はリンゴ味だった。楊枝くらいの大きさなので、やけにデカく見えてしまう。
形状は本物に似ているんだけど、色がよろしくない。本物のクリオネはそんな色をしていないもの。いや、逆にリアルに本物っぽくないから食べやすいのか。
頭部の形状がまるで猫だな。だから、食べているうちに、なんだか猫の胎児でも食べているような錯覚に陥る。それも、両足のない猫だ。シュールだな。そういえば、以前に中国で「ネズミの胎児のハチミツ漬け」というスィーツをいただいたことがあるんだけど、あれも悪趣味だ。そんなことを思い出してしまった。
 
友人との飲み会にそのグミを持って行ったら、さっそくそのグミを使っていろいろとやる奴がいた。楊枝で串刺しにして、ライターであぶって半分溶けた状態で食べて「うまい!」を連発する奴、楊枝を頭の上から突き刺して、まっすぐにそのままシッポの方へ向かって貫通させて背骨にしちゃって「セキツイ動物!」と言う奴もいた。シッポの方から楊枝を突き刺して、それを2匹作って、人形劇をやっちゃう奴もいたっけ。クリちゃん&オネちゃんの「クリオネ劇場」だと言っていた。クリちゃんがツッコミで、オネちゃんがボケらしい。くだらない・・・。
なんだか私の友人にはロクな奴がいないように思う・・・のは私だけであるまい。
 
 

 
 

 
 

クリオネ嫌い (3)

2007年4月6日
 
その後、新たなクリオネ・グミが発売された。ここ札幌でも売られていて、20個入りで500円弱くらいだ。
前述のやつは色が悪かったんだけど、新しいやつは色は良い。透明のボディの中に赤い具が入っている。本物は赤というよりはオレンジ色なんだけど、あまりその差は気にならないな。
実物はこんなやつだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/kurione2.jpg
でも、このクリオネ、ころころと太りすぎていないかぁ? 病的なほど、すっごくメタボリックだよなぁ。中の赤い具がデカいのが、なんだか内臓疾患で肥大しちゃっているように見えてくる。「まぃう〜!」って小さな声が聞こえてきそうな気もするぞ。
「ビリーズ・ブート・キャンプ(Billy’s Boot Camp)」を推薦したくなるのは私だけであるまい。
 
 
ビリーズ・ブート・キャンプ
http://baizou-net.com/shopjapan.html
 
 

 
知人が「もういらなくなったから」と言って、最近、「ブート・キャンプ」のDVDをもらったのである。まだ見ていないんだけど、かなりハードなエクササイズらしいのだ。DVD4枚組で、あれを全部、マジメにやると、痩せないほうがおかしいっていうか、その前に筋肉痛死、過労死するぞ!ってなハードさなんだとさ。
 

 
 

グミ嫌い

2007年4月7日
 
クリオネ・グミで思い出した。
アホでマヌケでチンコタレな米国には随分と悪趣味なグミがある。
 
まずは「ミミズ・グミ」だ。各メーカーから何種類か出ていて、その中で最も目にするやつがこれ。
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袋の中にギッシリとミミズの形状のそれが入っているのはグロテスクであるし、その質感もリアルなんだけれど、色が赤・緑・黄とポップなのがリアルさを減退させている。いや、逆に、赤と黄色のこんな配色のミミズが実在していたら気味が悪いよなぁ・・・と思えてしまうのが恐いな。
 
これは別のメーカーから出ている似たようなやつ。
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これも色はポップなんだけれど、横スジが入っていて、妙に光沢があってテカっているのがイヤだよな。赤色が基本で、時々、本物のミミズと同じような場所に色の違った線が入っているやつがあって、これはかなりグロだ。
 
バリエーションでこんなのもある。ヘビ・グミだ。
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長いぞ。一本食べたらお腹いっぱいになるんじゃないかぁ? 色は前述のみみずグミのパターンのポップ色である。形状があまりリアルじゃないな。その形状ならば、ヘビ・グミって言うよりは、精子グミってことにしたほうがいいんぢゃないかぁ? 赤マムシの成分やバイアグラの成分でも入れて、子宝の縁起物として売れば、商売になるかな?
 
更にバリエーションでこんな悪趣味なものも。
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ムカデ・グミだ。こ〜いうのを喜んで食べる子供って、ロクなオトナにならないと思うのは私だけであるまい。
 
このグミは色がイヤだな。
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その他には、アマガエルの色と形状をリアルに表現したカエル・グミってのもあったなぁ。イモリ・グミってのも見かけたことがあった。
 
それと、最近は見かけなくなったんだけれども、リアルな色をしたミミズのグミが、カップヌードルのカップのような形状のやつに入っているやつがあった。それが、なんと、土も一緒に入っていて、まるで本物なのだ。あれは気味悪いぞぉ。土はチョコ・クッキーを砕いて粉状にしたもで、勿論それも食べられる。
 
これもイヤだな。ヒモ・グミだ。
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細くて長〜いぞ。袋から取り出すと、手打ちソバって言うよりも、目黒寄生虫博物館で標本として公開されている全長数メートルのサナダくんだ。
 
これは販売中止になったやつで、「ロード・キル (Road Kill)」って名前のやつだ。
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ロード・キルってのは道路で車にひき殺された小動物のことだ。米国でもカエルやリスなどが郊外の山間部の道路でひき殺されているのをよく見かける。それを再現したのがこのグミである。ひかれてつぶれて、タイヤの跡まで付いているやつなのだ。これはグロいな。
ここ北海道でも、イナカの方へ行くと、ひかれたキタキツネやエゾシカやキジの死体を路上で時々見かけるし、海岸では船のスクリューにやられたアザラシなんかも打ち上げられているのを見かけるんだが、それをグミで表現したり、ホワイトチョコなんかで作ったとしたら、抗議殺到だろうなぁ。
 
 
 

 
これは動物ものではないのだが・・・
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なんかイヤだなあ・・・。
 

 
 
 
グミじゃないんだけれど、米国にはこ〜いうのもある。
サソリ入りキャンディーだ。
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このようにキャンディの中にヘンテコな物が入っているやつのバリエーションがいくつかあって、ダンゴムシのやつとか、ケムシのやつも見かけたことがある。ケムシのやつが米国で飛ぶように売れていた時期があったものなぁ。
 
こ〜いうのもあるんだけれど、これもすっごく悪趣味だ。
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箱の中で本物のムシがわいていてもわからないじゃんか。箱の裏にペコちゃんマークがあったらイヤだな。
 
ムシ系の他には、以前に書いたけれど、紙オムツに包まれてウンコの形のチョコが入っている「オムツ・ウンチ・チョコ」とか、実物大の歯の形状のキャンディを附属のピンセットでつまんで赤いジャムをからめて食べる「虫歯キャンディ」、ゼリーを作る時に使う流し込む型で、脳味噌の形状をしやたつとか、手首の形状をしたやつなんかもある。
 
米国は病んでいるよなぁ。
 
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (170)

2007年4月9日
 
本日のデス映画は2007年の米国映画「ハンニバル・ライジング (Hannibal Rising)」である。「羊たちの沈黙」、「ハンニバル」、「レッド・ドラゴン」の三部作に登場している殺人鬼、ハンニバル・レクターの若き日の物語りである。日本では4月21日から劇場公開されるらしい。
って事で、今後、この映画を見ようと思っている方は以下を読まないように。
 
第二次世界大戦の中の1944年のリトアニア。レクター城の城主であるレクター家は、両親と、幼いハンニバル・レクター、そして妹のミッシャの4人家族だ。侵攻してくるドイツ軍とそれに対抗するソビエト軍の戦いで混乱する中、一家は近くのロッジに避難した。しかし、戦闘に巻き込まれて、ハンニバルは両親を失ってしまい、更には、混乱に乗じてロッジに押し入ってきた盗賊集団により、妹も殺されてしまう。
それから8年後。ソ連の指揮下に入ったリトアニアの、かつてのレクター城は孤児院となっていた。ハンニバルはそこで孤児として育っていた。妹が殺された状況の悪夢にうなされる日々が続く。ハンニバルはうんざりする孤児院から脱走し、フランスに住んでいる叔父の家を訪問する。(どうやって鉄のカーテンを越えたんだぁ?)
 
叔父の家には叔父の姿はなかった。叔父は一年前に死去していたのだった。ハンニバルを出迎えたのは叔父の妻で日本人(おぃおぃ)のムラサキ夫人(おぃおぃ)だった。
ハンニバルは叔母であるムラサキ夫人に癒しを感じる。
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ムラサキ夫人を演じているのは早見優ではない。のちに沖縄でロック・バンド「紫」を結成するジョージ・紫とも関係はない。ハンニバルはムラサキ夫人の家で暮らしながら、日本文化に触れる。生け花、お茶、東洋思想、・・・。このあたりから、ストーリーが一気に胡散臭くなるのは当然だ。ムラサキ夫人の部屋の奥にある日本の鎧&兜と日本刀を見たハンニバルは、それに不思議と興味を持ってしまう。
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大阪城でのイクサの絵を見ながら、日本のサムライは敵を殺して首を切り落とすという話もムラサキ夫人から教えられるのだった。
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更には、ムラサキ夫人から剣道の特訓まで受けちゃう。
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ハンニバルに影響を与えまくるムラサキ夫人、恐るべし!
 
ある日、ハンニバルはムラサキ夫人と一緒にマーケットに買い物に出かけたところ、肉屋のオヤジにムラサキ夫人がセクハラされてしまい、それに激怒したハンニバルは肉屋のオヤジに襲いかかる。仲裁が入ってその場はおさまるが、後日、ハンニバルは日本刀を持ち出し、休日に湖で釣りをしている肉屋のオヤジを襲う。
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何度も斬り付けて苦痛をあたえたあげく、最後には首を切り落とすのだった。
首のない死体を見つけた警察は、肉屋のオヤジとケンカをしていた事を聞き付けてハンニバルを事情聴取する。一方、ムラサキ夫人は自室の鎧&兜の前に置いてある肉屋のオヤジの頭部を見つけるが、さすがちょっとしたことでは動じない日本人(おぃおぃ)、ムラサキ夫人は密かに頭部を街中の橋の上に置いてくる。その頭部がすぐに通行人に見つかるように。警察で事情聴取中のハンニバルは橋に行くことが不可能であるから、結局、ハンニバルは警察から解放されるのだった。
ムラサキ夫人に助けられたハンニバルは、その後、医師を目指して医学専門学校へ通い、彼は人体解剖に熱中した。
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相変わらず、妹が殺された悪夢にうなされるハンニバルは、妹を殺した連中を探し出して復讐しようと考えた。リトアニアのロッジに戻って、盗賊たちの手がかりを掴み、そして、現在の居場所が判明した奴を次々に惨殺していく。極限の恐怖を与えて、痛めつけて、そして殺し、死体の一部を食べる。ハンニバルは変態猟奇殺人者と化した。
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盗賊のリーダー格だった男は、自分がハンニバルに狙われていることを知り、刺客を送るがそれに失敗する。そしてムラサキ夫人を捕らえて人質にするが・・・。
 
 
荒唐無稽、キテレツなバカ映画である。かなりマンガっぽいストーリーだなぁ。
残酷な猟奇殺人をして食人までしちゃうアブノーマルなハンニバル・レクターがこのように誕生したのだぁ!ってな事で、その原点を
(1) 妹が殺されて食べられちゃった(悲惨な幼児体験)
(2) 首斬りのサムライの日本文化に触れた(異文化との接触による価値観の転化)
(3) 医学、特に解剖の勉強をした(学術的スキル)
で描写しているんだけど、それらが猟奇殺人に結び付くとは素直に納得いかないなぁ。すっごく飛躍している感じがする。今回のこの映画の中での殺人行為は、後のハンニバルが三部作の中で犯している殺人とは動機的に全く異なっているじゃないか。だから違和感でいっぱいになっちゃう。この映画で見られるハンニバルは、映画「ハンニバル」で見られたゲイリー・オールドマンが演じているメイスン・ヴァジャーに対してあのような行為をするハンニバルとうまく結びついていないのだ。
特に、日本人としては(2)の件に関してはかなりの違和感がある。なんだか猟奇殺人に日本文化が勝手にリンクされちまっているんだもの。ハンニバルが人格形成において日本文化からの影響を受けているってのは、かなり無理があるぞ。確かに敵の首を取るってのは戦国時代の日本にはあったけれど、サムライ魂とか武士道の精神ってのはそれがメインじゃないでしょ。それに日本には食人の風習もなかったでしょ。舞台がフランスになっているから、もしかして、以前にパリで起こった日本人留学生がフランス人女性を殺して料理して食べた事件(佐川事件)でもモチーフにしちゃったのかなぁ? 戦争で家族を失ってしまったハンニバルの境遇と、広島へ投下された原爆で家族を失ったらしいムラサキ夫人をリンクさせるのもなんだかなぁ。ムラサキ夫人の描写にパワーを注いでいるぶん、ハンニバルの内面描写が不足しちゃっているのが否めない。だから、なぜにハンニバルが食人行為に至るようになったのか、その軌跡が見えてこないのである。
 
それで、よくあるパターンなんだけれど、この映画でもヘンテコな東洋思想、日本文化がぶちまかれている。
鎧&兜のあれを、まるで仏壇のように拝んでいるのもヘンテコであるし、ムラサキ夫人が鎧&兜の前で
「先祖に心の安らぎと勇気を祈る」
とか
「先祖の誕生日に鎧をクローブ油で磨く栄誉を授かっている」
だなんてハンニバルに言っているんだけど、そんな風習、伝統、思想がいったい日本のどこにあるんだぁ?って苦笑しちまうよぉ。
 
それにしても、ムラサキ夫人(Lady Murasaki)だなんて、その名前、どうにかならなかったのかぁ? 確か原作では名前が Lady Murasaki Shikibu だったはずだけど、紫式部かよ?
ちなみに、ムラサキ夫人を演じているのは日本人ではない。ゴン・リー(Gong Li)という女優さんなんだけれど、中国系の人なんだろうか? いかにも欧米人からウケが良い東洋人顔だ。このようなのっぺり顔の女性って、何を考えているのかわからないその表情が、なぜだか神秘的だと思われちゃって、欧米ではもてはやされるのである。そ〜いうアジアン・フェチの人って多いのだ。でもなぁ、そ〜いうのを神秘的だって言うのは違うと思うぞ。
 
それと、毎度毎度の疑問なんだが、なんでリトアニア人たちが英語で会話してるんだろうか? なんでフランス人同士も、ドイツ兵たちも、ソビエト兵たちも、全員が英語で会話してるんだ?
全てが英語で会話されちゃっているインチキ米国映画の世界、恐るべし!
 
 
映画「ハンニバル・ライジング」
http://www.hannibal-rising.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0367959/
 
 

 
ハンニバルって、カンニバルのダジャレかよ?と思うのは私だけであるまい。
 
映画「ハンニバル」で使われていたバッハの「ゴールトベルク変奏曲」がこの映画でも使われているんだけど、なんでこの曲なんだろうねぇ。この曲のイメージが悪くなるんじゃないかなぁ?
 
今回のこの映画はあまり残虐なシーンはない。これがテレビで放映されることになっても、カットされちゃうようなグロいシーンはないと思う。
映画「ハンニバル」が日本のテレビで放送されているのを見たことがあるんだけれども、あれはカットが酷かったねぇ。ハンニバルに捕らえられた刑事が、生きたまま頭蓋骨をはずされて、むき出しになった脳から一部を切除されて料理にされちゃうシーンがまるごとカットされていた。最後に航空機に乗って逃亡する、その機内のシーンもまるごとカットだったものなぁ。ハンニバルが機内に持ち込んだ弁当箱の中のオカズに、人体の一部が料理されたものが入っているのを想像させるあのシーンだ。確かに残酷なシーンではあるけれど、あの映画のエッセンシャルな部分なんだから、あれはカットすべきではなかっただろう。今月の後半にまたまた日本では「ハンニバル」がテレビで放送されるようだけど、今度もカットなのかなぁ?
 
ところで、札幌にまた来るのだ。アレが。
アレって、アレだ。「人体の不思議展」だ。4月28日からだったっけ? 人間の解剖標本がいっぱい展示されちゃっているアレだ。人間の死体を切り刻んで、いろいろな角度から人体の内部を見られるようにしているやつ。目的が医学的なものだけれども、あれってかなりグロいぞ。札幌では、STV(札幌テレビ)っていうテレビ局が主催しているから、テレビでバラバラ死体の映っているコマーシャルが何度も何度も放送されている。「人体の不思議展」って言うよりは「バラバラ死体展」だ。いやだなぁ〜。今年のゴールデン・ウィークは家族揃って死体を見ましょう!ってことか?
前回、札幌であの展示会があった時、知人がアルバイトで会場の準備を手伝ったそうなんだけど、まさに死体の山だったそうだ。そ〜いう会場の夜警の仕事はイヤだろうなぁ。映画「ナイト・ミュージアム」のように動き出されちゃ困るしなぁ。
 
人体の不思議展
http://www.stv.ne.jp/spica/event/jintai2007/index.html
http://www.jintai.co.jp/main.html
 

 
 

完売嫌い

2007年4月10日
完売嫌い
 
本日もヒミツの日記のみ。
 
 

映画嫌い (171)

2007年4月11日
 
本日のクズ映画は1988年の米国映画「ゾンビ伝説 (The Serpent and the Rainbow)」である。
 
南米のハイチでは、墓に埋葬(土葬)されている死者が土俗宗教・ヴードゥ教の秘儀の呪いによって生き返り、蘇って墓から出てきた死者が奴隷として酷使されていると言われている。それがゾンビである。
主人公は科学者のデニス・アラン。ハイチで麻薬捜査の経験がある彼は、再度、ハイチを訪れた。ゾンビの謎を解明するのが目的だ。ヴードゥ教の神官やハイチの秘密警察の妨害を受けながらも、デニスは人間を仮死状態に見せかける秘薬「ゾンビパウダー」の存在を突き止める。そして暴かれたゾンビの真実とは・・・。
 
しょ〜もない映画だ。ゾンビ、ヴードゥ教という胡散臭いオカルトに、ゾンビの謎解きのサスペンスとアクションを加えちゃったらこ〜なっちゃった。テンポがめちゃくちゃ悪くて、意味もない無駄な幻覚シーンが多過ぎるのがクドい。デニスを演じているのは、後に映画「インデペンデンス・ディ」で米国大統領を演じているビル・プルマンだ。(あの映画も酷かったねぇ、なんで大統領が戦闘機に乗って戦うんだかなぁ?)
 
ゾンビだなんてぇ、ったくもぉ〜、ナンセンスきわまりないバカ話なのであるが、そんなゾンビの謎を解明しようとした物好きな学者が米国にいた。米国・ハーバード大学の人類学者・ウェイド・デイヴィス(Wade Davis)である。彼は1983年からの2年間、ハイチの秘密結社に潜入して調査し、ゾンビを製造する時に使う「ゾンビパウダー」の事を知り、その入手にも成功した。ゾンビパウダーにはフグを丸焼きした成分が含まれているとの情報を得て、彼はゾンビの謎の正体はフグ毒の「テトロドトキシン」だという仮説を唱えた。奴隷にしようとする生きている人間の肌にゾンビパウダーを塗ると、テトロドトキシンが皮膚から体内に吸収されて神経が麻痺し、仮死状態のようになると言う。死んだと勘違いされて墓地に埋葬された仮死状態の人間を墓から回収して、拉致・監禁。テトロドトキシンの効果が薄れて元の状態に戻ったところを奴隷化していると結論付けたのだった。
デイヴィス氏はこの件を論文にまとめ、ハーバード大学から博士号を授与されている。更には、デイヴィス氏はハイチでのこの件の経験談・冒険談・武勇伝をまとめ、著書「蛇と虹 (The Serpent and the Rainbow)」を1985年に出版している。3年後にこの本は日本でも翻訳されて「蛇と虹 ― ゾンビの謎に挑む」(田中昌太郎 訳、草思社)として出ている。
 
その著書こそがこの映画の原作本なのである。原作本と映画は原題が同一だな。
原作本を大幅に脚色しちゃっているんだけど、原作本がドキュメンタリー風だったから、映画化するにあたってのこのくらいの脚色は当然かも知れないな。タイトルにある「蛇」と「虹」ってのはヴードゥ教における創造主のことである。映画の主人公のデニスってのが、デイヴィス氏本人のことなのだ。デニスは科学者という設定になっているが、デイヴィス氏は科学者ではなく人類学者だ。
 
上記のデイヴィス氏の説は一見はもっともらしく見える。ところが、科学者ではないデイヴィス氏によるテトロドトキシン仮説は、実はハチャメチャな説であって、とてもじゃないけど、こんな非科学的な説は認められないのである。デイヴィス氏には科学の素養がないようで、仮説の根拠があいまいであり、その上に仮説の科学的な検証も全く行なっていない。そんなのは机上の空論でしかないのだ。オカルトを解明しようとしたデイヴィス氏が唱えた説がオカルトになっちゃっている。
 
何故にデイヴィス氏の説が非科学的なのか説明しよう。
まず、バカらしいことに、デイヴィス氏はゾンビパウダーを入手しておきながらも、その成分の科学的な分析を全く行なっていないのだ。テトロドトキシンが含まれているというのは彼の単なる思いつきでしかない。実は、ゾンビパウダーにはテトロドトキシンは含まれていない。ゾンビパウダーの製造に使われているのはハリセンボンというトゲトゲのフグで、ハリセンボンにはフグ毒はない。日本人はフグを食べるので、日本はフグ毒に関する研究では世界最先端にある。ゾンビパウダーが日本に持ち込まれてのフグ毒の研究機関で分析された事もあるのだ。分析の結果、全くテトロドトキシンは検出されなかったのである。
更には、ゾンビパウダーの効果の再現性をデイヴィス氏が検証していないのもマヌケだ。本当にゾンビパウダーで神経が麻痺して仮死状態になるのか、マウスを使った実験すらしていない。
更に言うと、たとえテトロドトキシンが含まれていたとしても、そは皮膚からは吸収されない。テトロドトキシンの作用で仮死状態になることもない。
デイヴィス氏の説は根拠もなく科学に反する全くのデタラメなのだ。いくら科学者じゃないとしても、学術としてのアプローチがこんなに杜撰で良いわけがないぞ。デイヴィス氏は学者失格だな。こんないいかげんな説に対して学位を授与したハーバード大学って何なんだよなぁ?
 
日本とは違って、欧米ではフグを食べる習慣がなく、その毒性については欧米では正しく知られていない。「未知の不思議な毒物」のように思われているのである。映画化されて昨年に公開された「トリスタンとイゾルデ」でも主人公のトリスタンはフグ毒で仮死状態になったりしていて、フグ毒ってのはそのような伝説上のファンタジー毒物なのだ。デイヴィス氏の仮説はそのような状況から生まれた空想でしかなく、科学的には事実無根のインチキだったってことだ。だから、その著書をベースにしてゾンビパウダーをゾンビの謎の正体としたこの映画もインチキなのである。そんなわけで、この映画はクズなのだ。
 
 
映画「ゾンビ伝説」
http://www.universalpictures.jp/serpent/catalog_item_rental.html
http://hobby.gray-japan.com/movie_n/zombie/n_zombie-022.html
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD5362/story.html
「蛇と虹 ― ゾンビの謎に挑む」ウェイド デイヴィス 著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794203136/
 
参考文献:
「フグ毒のなぞを追って」清水潮 著
http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-8520-0.htm
 
 

 
9年くらい前に、日本テレビの番組「特命リサーチ 200X」でゾンビの謎を解明するやつが放送されていた。あの番組では、デイヴィス氏のゾンビパウダーの件を紹介し、テトロドトキシン仮説を全面的に肯定して、まさにこれがゾンビの秘密の決定版!ってな内容で放送されていた。あの番組も「あるある大辞典」並みにインチキが満載な番組だったよなぁ。「マイナス・イオン」だなんて、ありもしないものを世に広めた功罪は大きいぞ。
 
それにしても、欧米人って、ヴードゥ教とか、インディアンの呪いとか、おどろおどろしい異文化ものが好きだよなぁ。映画「ハンニバル・ライジング」で日本文化が出てくるってのも、それの一環だな。
 

 
 

ゾンビ嫌い

2007年4月12日
 
ゾンビの話の続きである。
ゾンビってのがウェイド・デイヴィスが唱えているような「ゾンビパウダー」に含まれているとされるフグ毒「テトロドトキシン」の作用ではないとしたら、ゾンビって何なのよ?ってな事になる。
 
その謎を解明する目的でハイチで現地調査したのが英国の人類学者、ローランド・リトルウッド(Roland Littlewood)だ。リトルウッド氏も科学者ではなく人類学者ではあるが、彼の調査方法は科学的であり、調査結果は1997年に医学誌で報告されている。その報告とは、以下のような内容だ。
 
ハイチでは、生き返った人間を奴隷にしているという事実はなかった。ゾンビの奴隷とは、根拠も何もない伝聞・噂話にすぎなかったのだ。一方では、生き返ったとされる人間をその家族が発見して、自宅に連れ戻したという事例がいくつもある事が判明した。そのゾンビとされている人々が本当に生き返った死人なのかをリトルウッド氏が調査した。
 
事例1: 
18才で死んだ娘が、その13年後に村の市場をふらふらと歩いているのを家族によって発見された。家族は娘を自宅に連れ帰った。
リトルウッド氏の医学的検査の結果、その娘はアルコール性の精神障害を患っていることは判明したものの、死んで生き返ったという証拠は何も見つからなかった。DNA検査を実施したところ、その家族とは血縁関係が全くないことが判明。すなわち、娘ではなく他人のそら似だった精神障害者を無理矢理と自宅に連れ帰って、娘だと言い張っていただけだったのである。
 
事例2:
26才で死んだ息子が、その1年半後に自宅に近い闘鶏所を徘徊していのを父親によって発見された。父親は息子を自宅に連れ帰った。
リトルウッド氏の検査の結果、その息子はてんかんの症状を持っていることが判明したものの、死んで生き返ったという証拠は何も見つからなかった。てんかんの薬(フェニトイン)を投与してみると、てんかんの症状は緩和された。DNA検査の結果、その父親とは血縁関係が全くないことが判明。すなわち、この事例も、息子ではなく他人のそら似だった精神障害者を無理矢理と自宅に連れ帰って、息子だと言い張っていただけだったのである。
 
他の事例も、これらのように、単なる他人のそら似でしかなった。精神障害でふらふら歩いている人がいて、それを見かけた人が「死んだ家族に似ている! そっくりだ! 本人が生き返ったんだ!」と思い込んで連れ帰る、そ〜いうパターンでしかなかったのだ。それが伝言ゲームのように誇張されて伝わって、死者が生き返るというゾンビ伝説になったと考えられる。
 
墓に埋葬されているはずの遺体が消えていたという事件もまれにあるが、これはヴードゥ教の儀式の為に盗まれたり、海外へ遺体を密輸(海外の医大での解剖実習用に売却)する為に盗まれたものであるであることが判明している。死人が生き返って墓から這い出したわけではない。
 
 
参考:
http://www.gwup.org/skeptiker/archiv/2000/1/zombie.html
調査中のリトルウッド氏の写真も掲載されている。

 

 
私も3年前に父親を亡くしているのだが、一年に一度くらい、街中で父親に背格好が似ている人を見かけて、おゃ・・・と思うことはある。でも、自宅に連れ帰ろうとは思わないぞ。
ハイチのお持ち帰り制度、恐るべし!
 

 
 

訃報嫌い

2007年4月15日
 
どっひぇ〜! 成毛滋が死んでしもうたぁ!
 
こんなところにも訃報が掲載されていたりする・・・。
http://www.saigo.tv/index1.html
 
ちなみに、
←この成毛滋のバンド「フライド・エッグ」のLPのジャケットの絵を描いた人も故人である。名前は景山民夫だ。
 
 
EL&P(Emerson, Lake & Palmer)の「タルカス (Tarkus)」のパロディで「オケカス」って曲が入っている。以前、このLPはよく聴いたなぁ。
ちなみに、このLPでドラムを叩いているのは、当時まだ十代だった、つのだ☆ひろである。彼の名曲「メリー・ジェーン」はこのバンドから生まれたのさ。
更には、このLPでベースを弾いているのは、高中正義である。
 
 

 

映画嫌い (172)

2007年4月16日
 
本日のデス映画は2006年の米国映画「デジャヴ (Deja Vu)」である。日本では先月から劇場公開されていたようだ。
 
舞台は米国のニュー・オリンズ。海軍の水兵とその家族たちをパーティのために乗せたフェリーが、出航直後に大爆発を起こし、500人以上が死亡した。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu1.jpg
主人公はATF(註1)の捜査官・ダグ・カーリンだ。ダグは現場を捜査し、この爆発事故は爆薬によるテロだと突き止める。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu2.jpg
その爆発事故の直前に河で発見されていた女性・クレアの死体をダグは調査し、これは爆発に巻き込まれて死んだように見せかけられた殺人であると推理する。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu3.jpg
そして、クレアの殺人が爆破テロと関係があると見て、ダグはクレアの部屋を捜査するのだった。
捜査で判明したことをダグがFBIの捜査本部に報告すると、ダグはその洞察力と土地勘をかわれて捜査本部への協力を依頼される。そして、厳重に警備されている極秘の科学捜査室へと案内されるのだった。ハイテク装備されたその部屋の大きなスクリーンに映し出されている映像は、4日前の市内の映像だった。複数の偵察衛星に蓄積されている地上の様子の観測データをコンピュータで画像処理し、エリア内の任意の位置をあらゆる角度から見ることができる最先端のシステムであると説明された。ダグはクレアの部屋の中を監視することを指示すると、スクリーンには部屋の中にいる4日前の生前のクレアの姿が鮮明に映し出された。音声付きで、まるでその部屋の中で撮影したような鮮明さである。いったいクレアの身に何が起こったのかを見守るダグと科学者たち。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu4.jpg
ところがダグはそのシステムの不審な点に気付き、システムの操作をしている科学者に詰め寄る。科学者はその画像が偵察衛星からのものではない事を認めた。時間の異なる2つの空間がつながる事を研究中に偶然に発見して、それを応用したシステムである事を知らされる。4日前と空間がつながっているのならば、4日前の自分自身へ爆破事故の件とクレアの事を教えることができないかとダグは考えたが、物質や情報を過去へ送る実験に成功していないと科学者は言う。メモ用紙1枚だけでも送れたら・・・と、ダグは4日前の自分自身へ向けてのメモを書き、科学者はそれを送る実験をしてみたところ、その転送に成功。しかし、4日前のダグはそのメモを見ることはなかった。ダグは自分の体を4日前に転送する決心をする。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/dejavu5.jpg
ダグは過去に戻ってクレアを救い、事件を解決できるのか・・・?
 
「デジャヴ」ってタイトルだから、デジャヴ(既視感)をテーマにした疑似科学、オカルト系の映画なのかと思って見てみたんだけど、結局はタイム・スリップものなのかよぉ・・・と失笑だ。これのどこがいったいデジャヴなんだ? デジャヴのシーンなんか全然ない。誰もデジャヴなんか体験していないじゃないか。何かを比喩的にデジャヴって言っているわけでもない。デジャヴの意味を知らないのかねぇ?
 
ダグがクレアの部屋を捜査した時に見たものや電話の会話が伏線となっているのはそれなりに面白い。過去に戻れたとしても、やはり歴史は変えることができない普遍なものである・・・かのように見せているのも良い。ところが、最後の最後で、結局は歴史が変わっちゃうんだもの、おもいっきりズッコケた。すっごい矛盾だらけのタイム・パラドックスだから、アホらしいのなんの。
最初はテキパキと手際良く捜査していたダグなんだけれど、スクリーンに映し出されるクレアの姿を見守るシーンから急にまったりしちゃうのもヘンテコだ。うまく過去へ転送できるかわかっちゃいないのに、自分の体をはってまでしてクレアを救おうとするダグのその心境がどこから湧いてきたのか不思議でたまらない。
ってことで、私はこの映画にガッカリだよぉ!
 
 
映画「デジャヴ」
http://www.movies.co.jp/dejavu/
 
 

 
ダグを演じているのはお馴染みのデンゼル・ワシントンなんだけれど、地味だなぁ。この役、モーガン・フリーマンが演じても面白くないだろうし、ウィル・スミスやエディ・マーフィー、サミュエル・L・ジャクソン、ローレンス・フィッシュボーンなんかが演じるとあぁなっちゃうだろうし、誰が演じるのが正解だったかなぁ? 無名の新人を抜擢しても良かったかもねえ。
 
 
註1:
ATF とは「Alcohol Tabacco and Firearms」の頭文字を取った名称の政府系機関。正式名称は「Bureau of Alcohol, Tabacco, Firearms & Explosive」。日本語では「連邦アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局」とでも言えば良いのだろうか? その名の通り、アルコール、タバコ、武器の取締が業務なんだけれど、実際のところ、何をやっているのかわけのわからない団体でねぇ。日本酒の米国での輸入はここの部署の許可が必要だったりする。
 

 

コリン星嫌い

2007年4月19日
 
う〜ん、こ〜いう架空のものを売買取引するのは詐欺のような気もするんだが、月の土地とかも売ってるくらいだから、公正取引委員会も黙認なのだろうか?
http://auction.netprice.co.jp/contents/charity/
 
現在、27万円を超えているのがすごいよなぁ。
 
あのコリン星の世界観はくだらねぇ〜としか思えないし、ゆうこりんのあのキャラは人為的に作られたヤラセなのがイヤなんだけれども・・・、
くやしいけれど、ゆうこりんは可愛い。
 
 
 
 
 
 
 

 
ちなみに、コリン星は東京の港区にあるって本人が言っている。
 

 
 

映画嫌い (173)

2007年4月22日
 
本日のカス映画は2006年の邦画「最終兵器彼女」である。マンガの実写版映画化だ。
 
北海道小樽市の高校生、シュウジが主人公。シュウジは同じ高校に通うチセと交際を始めた。ところがそのチセは改造人間で、自衛隊に強力して外敵と戦う人間兵器だったのだ。戦争が始まり、札幌市街が空襲される中、出動したチセは敵の戦闘機を撃ち落とす。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki1.jpg
その後もチセを狙った敵からの攻撃を受ける。
彼女が兵器であることに戸惑い、葛藤するシュウジ。チセも自分が兵器であることを悩みながらも自衛隊に強力して戦闘する。そして・・・。
 
ハチャメチャ、かつ、なんだかわけのわからん映画だ。なんで女子高生であるチセが改造人間になったのか、その理由とか経緯が全く語られていないし、そのような改造人間が日本にはチセひとりだけなのかもわからない。日本各地にこのような改造人間が何人かいて、チセは北海道地区担当者だったのかなあ。それに、なんで戦争が始まったのかも、敵がどこの国なのかも描写されていないものだから、全然、物語の背景が見えてこないのである。だから、すっごくスカスカなのだ。
 
ヘンテコなシーンもテンコ盛りだ。
兵器に変身した後のチセその姿、体積がめちゃくちゃ増加しているんだけど、変身前にその金属の体積と重量はどこに隠してあったんだ? すっごく非科学的だな。
札幌の市街地を敵が空爆しているしているシーンでは、
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki2.jpg
爆弾が落ちている場所が、南区にある自衛隊基地じゃなくて、地下鉄「中の島」駅の近辺にある民家なのもヘンテコだ。そのような攻撃に何の意味もないだろ。戦法とかの知識もないシロウトがこの映画を作っているのかねえ?
それに、これもヘンだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki3.jpg
チセの攻撃を受けて空中分解した敵機の翼が札幌の中心部に落ちるシーンなんだけど、その翼が9階建てビルよりデカい。ボーイング747(ジャンボ機)の翼よりデカい翼の戦闘機かぁ? そんなデカい戦闘機に何の意味があるんだぁ? デカいと地対空ミサイルに狙われやすいし、消費する燃料も膨大になる。その上、整備・メンテナンスも大変である。飛んでも速度は出ないし、小回りがきかない。戦闘機がデカいことには現実には何の利点もないのだ。小型軽量化が求められている戦闘機の開発の苦労がすさまじいのに、なんて能天気で非現実的なデカさであろうか。航空力学とか、流体力学などの工学的知識も、兵器に関する知識もないでこの映画を作ったんだろうねえ。
それにさぁ、チセは自分自身のカラダが最先端の科学で作られているくせに、音楽を聴くのに使っているのが、ひと昔前のカセット・テープの携帯用のデカいやつだ。20年くらい前にディスカウント・ショップで980円とかで売っていたファンシーなやつだな。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki4.jpg
MDでもなく、CDでもなく、MP3のメモリーカード式のやつでもないとは、アホらしいのなんの。自衛隊よ、iPod くらい支給してやれよな。
その他にも、社会学的にも法的にもヘンテコなシーンがめちゃくちゃ多い。かなり幼稚で恥ずかしいバカ映画である。
 
幸運なことに、私は「最終兵器彼女」の原作マンガは読んだことがないのだ。だから、原作マンガとこの映画の違いは知らない。原作マンガもこの映画のようにスカスカで、非科学的なのかどうかは知らない。私はこの映画を見ても、マンガのほうを読んでみたくなる気分にならなかったけれど、もしも、原作もこの映画と同じような感じで、非科学的であり、幼稚で、政治的にも法的も著しく現実とズレているものであるとすれば、原作者ってかなり勉強不足であると思わざるをえない。いや、原作マンガは読んだことがないので、仮定の上の想像で言っているだけだ。
 
実際には原作マンガの熱烈なファンは多いらしいけど、この映画は原作マンガのファンからはクソミソに酷評されているようだ。まるで親のカタキのように泡をふきながら罵倒の言葉をあびせているファンもいるとか。今までもマンガを実写版の映画にしたやつは多くあったけれど、原作を超えたためしがないし、「デビルマン」、「キャシャーン」のように空前のバカ映画になった例もいくつもあったじゃないか。マンガの実写版映画化になんか期待しちゃダメだよ。
 
ところで、札幌在住の筆者としては、札幌が空爆されるシーンは気になるものだ。その部分だけを何度か見直してみた。
まず、前述の、敵機のデカい翼が落ちてきたシーンだけれど、このシーンはCGで作ったな。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki5.jpg
これ、札幌じゃないでしょ。このような街並は札幌にはない。「山本山」の看板のあるビル、「高島屋」デパートなんか札幌にないんだもの。道路に車が一台もないのも不自然だな。
 
この空爆のシーンは大通公園の三丁目あたりから見た大通西2丁目だな。「丸井今井」デパート大通館がそこにある。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki6.jpg
「丸井今井」の左には「マルサ」っていうデパートの看板があるし、更にその左には「紀伊国屋書店」の看板も見える。「丸井今井」の右には青い「オッペン化粧品」の看板の「都心ビル」があって、その右にはサラ金「アース」の赤い看板の「陶管ビル」もある。札幌市民にはお馴染みの風景だ。以前、これと同じ場所がゴジラ映画に出てきたこともあった。この場所にゴジラが出現したのだ。
で、このシーンの右端の黒いビル、これはCG合成だ。実際にはここにはこのようなビルは存在しない。
爆発も勿論、CG合成だ。この角度から見ると、爆弾が爆発したのは、南一条通りと創成川が交差している橋の上あたりだろうか?
 
この空襲シーンは、JR札幌駅の上にある「ステラ・プレイス」から南側の駅前通りを撮影したものだな。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/heiki7.jpg
これも札幌市民にとってはお馴染みの街並だ。実際にはそこにない青い頭頂部の建物がCGで合成されていて、空爆によってそれが吹き飛んでいた。実際にそこにない建物だと知らなくても、見た感じ、かなり不自然な建物なので、CG合成だってバレバレである。こ〜いうCGは作ってはいけません!ってなヘタクソなCGだ。専門学校の課題で作ったCGじゃないんだから、ちゃんと作れよ、ちゃんと。
 
 
映画「最終兵器彼女」
http://www.saikano-movie.com/
 
 

 
 

 
 

札幌空爆嫌い (1)

2007年4月25日
 
前述の映画「最終兵器彼女」の中での空爆される札幌のシーンを見て、現状と違うような気がしたので、実際に撮影されたその場所まで行ってみて、現状と比較をしてみた。
 
まず、復習であるが、これが映画の中の空爆シーン。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo1.jpg
大通公園の西三丁目あたりから見た大通西2丁目だ。
このシーンの中では、
 
A:紀伊国屋書店の看板のビル(このビルの1階、2階に紀伊国屋書店がある)
B:マルサ(寄り合いデパート)
C:丸井今井デパート 大通館
D:オッペン化粧品の青い看板のビル(都心ビル)
E:アースの赤い看板のビル(陶管ビル)
F:CGで合成されたビル(実際にはそこにこのビルは存在しない)
 
と、F以外はお馴染みの札幌の街並だ。
この撮影は2年くらい前ではないだろうか?
 
それで、現地に行ってみて、同じ撮影位置を特定した。大通公園西三丁目にある噴水の東側に立ち、東南東方向を撮影してみたのがこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo2.jpg
映画の空爆シーンでは写っていないけれど、札幌テレビ塔がすぐ左側にあり、その右側に丸井今井デパートを中心としたビルの並びがある。映画の空爆シーンとほぼ同じ撮影位置である。
 
この写真よりちょっとだけ右にパンして撮影してみるとこうなる。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo3.jpg
上記のFのビルの場所には、実際には背が低い「北陸銀行」のビルがあるのがわかる。低くてビルの街並に向いていないから、CGで架空のビルをこの位置に合成しちゃったのだろう。
 
空爆シーンと、現状の街並の写真を並べて比較すると、こうなる。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo4.jpg
かなり現状とは違っているのがわかる。

A:紀伊国屋書店の看板は撤去されて、今はない。紀伊国屋書店は昨年にJR札幌駅近くのビルに移転しちゃっているのだ。
B:マルサの看板もなくなっている。昨年にマルサは閉鎖・改装され、丸井今井デパートの新館としてリニューアルしているのだ。
C:丸井今井デパート、これだけがそのまんま。
D:オッペン化粧品の青い看板には緑色の網がかけられている。撤去されるのか、ほかの看板に改装中なのかは不明だ。
E:アースの赤い看板は真っ白に塗られて消えている。
 
次々と変貌していく札幌、恐るべし・・・。
 
 
 

 
ちなみに、紀伊国屋書店が入っていたビル(名前は有楽ビルだったっけ?)の地下1階、地下2階は食堂街になっていて、ソバ屋、とんかつ屋や喫茶店など、小さな店がいくつか入っている。「味の名店街」って名前になっていたはずだけど、名店なんてひとつもないのだ。どこも場末のさびれたしょーもない店で、喫茶店のコーヒーはめちゃくちゃまずいし、とんかつ食べて下痢したこともある。
今はもうそこにはないんだけれど、以前はカレー屋があって、あの店はひどかったなぁ。ビーフ・カレーを注文したら、ビーフなんかな〜んにも入っていない。小さな肉のカケラも入っていないし、筋さえも入っていないのだ。その上、野菜も入っていない。煮込んで溶けてしまった様子もない。市販のカレー・ルーを単にお湯で溶かしただけのようなようなやつだったのだ。あんなまずいカレーを食べたことがなかったなぁ。
「味の名店街」は現在は約半分が空店舗になっている。

二番目にまずいカレーは、東京の「明大前」駅の改札を出たすぐの場所にあったカレー屋。20年くらい前にそこで食べたんだけど、あれもひどかったなぁ。まさか、もうあの店、そこにはないよね?
明大前には「モダンミュージック」っていうレコード店があって、その店によく買いに行ったなぁ。あの店、まだあるのかなぁ?
 

 
 

札幌空爆嫌い (2)

2007年4月26日
 
映画「最終兵器彼女」の中で空爆される札幌のシーン、次はこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo5.jpg
JR札幌駅の上部にあるショッピングモール「ステラ・プレイス」から南側を撮影したものだ。中央にある青い突起の建物はCG合成で、このような建物は実際にはここにはない。
 
撮影場所に行ってみた。撮影位置はすぐに判明。ステラ・プレイスの西側の、大丸デパートと連結している部分の吹き抜けの、三階からの撮影である。
その位置から私が撮影したのがこれ。札幌の駅前通りだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo6.jpg
左の1/3だけが明るくて、右が暗いのは、右側のそこに薄い布のカーテンがあるからだ。その南向きの大きなガラス窓から入る込む直射日光を遮る目的のカーテンだと思われる。現状ではこのカーテンが邪魔になり、映画のシーンと全く同じ位置から撮影は無理になっている。
 
だから、ちょっとだけ左に移動して撮影してみた。それがこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo7.jpg
 
並べて比較すると、こうなる。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/sapporo8.jpg
空爆シーンにはなかった大きなビルが背後と右側に新たにできているなぁ。
 
変貌する札幌、恐るべし・・・。
 

ジャズ・ライブ嫌い

2007年4月27日
 
本日もヒミツの日記のみ。
 

映画嫌い (174)

2007年4月28日
 
本日のカス映画は2007年の邦画「蟲師」である。これもマンガの実写版映画化だな。
 
人間に寄生する悪い蟲を退治してまわる蟲師のギンコの旅・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/mushishi.jpg
 
腐ったエセ・ファンタジーだ。実にくだらない。「ゲゲゲの鬼太郎」における妖怪を不思議な生態の寄生虫に置き換えて、鬼太郎を蟲師に置き換えただけじゃんか。ギンコの見た感じも実写版・鬼太郎に似ているぞ。
盛り上がりもなく、ストーリーに矛盾も多い。これだけ矛盾していると、矛盾とは呼ばずに「破綻」と言ってしまって良いだろう。各シーンがブツ切れ状態で、そこでCMが入るような感じになっている箇所がいくつもあるのが気になる。そんな箇所では、うまく前後関係すらつながっていないのだ。かなりの手抜きだな。つなぎの部分は見ている側で勝手に想像してくれとでも言うのか? それに、「これで終わりかよ?」ってな感じの尻切れトンボ状態で終わっているのもアホらしい。結局、「なんなんだよこれぇ〜!」ってな印象しか残らないのだ。

原作マンガを私は読んだことがないんだけれど、もしかしてこの映画も、長ったらしい原作マンガのダイジェスト版をやらかしてるんじゃないだろうか? 映画でダイジェストなんかやってどうすんだよぉ、タコ!

唯一、山間部の風景は綺麗に映っていると思う。それだけは良い。それは認める。だけれども、それに蟲を表現する幼稚なCGが合成されているんだもの、せっかくの風景がダイナシじゃないか。シロウトが作ったようなそんなCGを使うなよなぁ。ちゃんと作れよ、ちゃんと。お前ら、それでもプロか?

ってことで、こ〜いう映画は作っちゃいけないし、見てもいけない。そ〜いう映画ってことさ。
 
 
映画「蟲師」
http://www.mushishi-movie.jp/
 
 

 
 

 
 

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