映画嫌い (226)
2008年1月23日本日のクズ映画は2007年の米国映画「エイリアンズ vs プレデター 2 (Aliens vs. Predator: Requiem)」だ。現在、日本でも劇場公開中だな。今後、これを見ようと思っている人は以下を読まないように。もう劇場公開は終わっちゃっているんだっけ?
「エイリアン vs プレデター」の1作目のラスト・シーンと同じシーンからこの映画は始まっている。つまり、あのアホらしい前作からの続きのストーリーとして無理矢理と作っちゃったんだ。南極での戦いの後、プレデターたちの宇宙船の中にプレデターの死体が収容されて、地球を飛び立ち、その直後にエイリアンの幼生体がプレデターの死体の胸を突き破って出てくるシーンだ。
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そのエイリアンが宇宙船の中で乗組員のプレデターたちを襲い、その結果、宇宙船が米国のコロラドの山の中に墜落してしまうのだ。宇宙船の中には、カプセルの中で培養されている生きたエイリアンの幼生がたくさんいて、墜落の衝撃でそれらのエイリアンが逃げ出してしまう。乗組員プレデターたちは全員死亡。エイリアンたちはコロラドの山の中で次々に人間を襲う。そして、エイリアンたちは近くの町にまでやってきた。下水道の中、深夜の学校のプール、ビルの建築現場、レストランの厨房、病院・・・、とあちこちにエイリアンたちが現われる。
一方、プレデターの母船から、プレデターひとりがコロラドに派遣されてやってきた。目的ははっきりとしないのだが、宇宙船の墜落現場を抹消して、逃げ出したエイリアンたちを退治する「後始末」のが目的なんだろうか? そして、プレデターとエイリアンの戦いが始まる。プレデターを目撃した人間も、「見たなぁ〜!」ってな感じでプレデターに殺されて、皮を剥がれてしまうのだった。
不可思議な惨殺死体が次々に見つかり、町の中はパニック状態だ。保安官は自分の手にはおえないと判断して、軍に出動を要請する。しかし、装甲車で出動してきた軍隊はエイリアンたちに次々に殺されて壊滅する。保安官は状況を軍の司令部に無線で伝えて、住民たちの救助を求める。司令部の大佐からは「町の真ん中にある広場に集まるように」と指示がくる。軍はそこに救援のヘリコプターを送ると言うのだ。しかし、軍の指示に不信感を持った青年グループは、病院にあるヘリに乗って逃げる計画をたてて、広場には行かずに病院へ行く。
その病院にも多数のエイリアンたちがいて、そこにプレデターが登場。エイリアンたちとプレデターの戦いが始まる。
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青年グループのひとりは、プレデターが戦闘の途中で落としていった謎の武器(小型の銃器のような形で、ロケットランチャーなみの破壊力のある砲弾を発射する)を拾って、それを使ってエイリアンたちをやっつけながら屋上にまで上がり、そこにあったヘリに乗って青年グループは飛び立つのだった。
軍の救助ヘリを待って、町の真ん中にある広場に集まっている町民。そして、病院ではドレッド・ヘアなプレデターとエイリアンたちの死闘が。その時、軍の爆撃機が飛んで来て、町の真ん中に核爆弾を落としていった。軍は事態収拾のために町ごと吹き飛ばしたのだった。
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青年グループの乗るヘリは郊外まで飛び去っていたものの、核爆弾の強烈な爆風で墜落。そこに現われた軍隊に助けられるのだった。
つまらないよぉ! エイリアンとプレデターを同次元に持ってきて、その両者を戦わせるアイディアがそもそもナンセンスだ。それなのに、その続編まで作ってしまったってのがおバカだねぇ。「ルパン対ホームズ」、「ゴジラ対キングコング」、「フレディvsジェイソン」の乗りで異種格闘技をやっちゃったんだもの。こんなのじゃ、エイリアン・ファン、プレデター・ファンのどちらのファンも満足しないだろうなぁ。
プレデターなんか登場させないで、地球上でエイリアンが人間を襲う企画で、「エイリアン 5」ってなタイトルで作れば良かったのかも知れないけれど、そうなっちゃうと、「バイオハザード」シリーズや、前述の「28週後」なんかのような感染系ゾンビが襲ってくる映画とたいして変わらなくなっちゃうか。ゾンビをエイリアンに置き換えただけになっちゃうものなぁ。
ところで、この映画には、取って付けたような約一分のこんなラスト・シーンがある。
場面は変わって、どこかの会議室のような所。女性がひとり、窓際に立っていた。軍の司令部の大佐が、プレデターが落としていった謎の武器を大切にハードケースに入れて持ってきた。大佐はハードケースを開けてその武器を女性に見せる。
そして、こんな会話が。
女性「常識をはるかに超えている兵器のようね?」
大佐「でも標的は人間じゃない・・・、 でしょ? ユタニさん」
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おしまい。
おぃ、ユタニさんの登場かよ! ってことは、更に、これの続編を作るってことかい?
っていうか、「ユタニさんって誰よ?」ってな人も多いだろう。「エイリアン」シリーズを見続けてきた人じゃなければその意味がわからないのでは?
以前に私はその件についてここに書いたことがあるんだけれど、最近、「ウェィランド・ユタニ」で検索して、このページにやってくる人もかなり多いので、改めて、この件についてまとめておくことにしよう。
では、説明しよう!
映画「エイリアン」にて、主人公・リプリーが所属している会社、すなわちあの巨大な貨物船を所有していた会社の名前が「ウェイランド・ユタニ社」だった。その映画では社名が出てくるだけで、どんな会社なのか情報はまったくなし。
「ユタニ」という名前から、この会社は「湯谷工業株式会社」とか「湯谷産業エンジニアリング株式会社」とかの名称の日系企業が元になっているのではないか?との推測が生まれた。
「エイリアン」を監督したリドリー・スコット氏に私が個人的に会う機会があったので、「ウェイランド・ユタニ社は日系企業か?」という質問をしたところ、彼はそれを認めた。ちなみに、「エイリアン」では、リプリーがアンドロイドのアッシュに襲われて、丸めた雑誌を口に押し込まれそうになるシーンがあるんだけれど、その雑誌は日本の「平凡パンチ」だった。日系企業の宇宙船の中だから、日本の雑誌がそこにあっても不思議はない・・・と。
映画「エイリアン 2」にも「ウェイランド・ユタニ社」の社名は出てくるものの、ここでもどんな会社なのか情報はまったくなし。その会社がビショップという名前のアンドロイドを乗務員として同行させ、リプリーを救う。ビショップを演じていた俳優はランス・ヘンリクセンだ。
映画「エイリアン 3」では社名は登場しなかった(はず)。
ラスト・シーンで、エイリアンの情報を得ようとリプリーを説得にやってきた男がビショップという名前の男で、「エイリアン 2」に登場していたアンドロイド・ビショップを開発した男という設定だった。自分に似せてアンドロイドを作ったってなことになっていた。そのビショップなる説得男を演じていたのもランス・ヘンリクセンだった。
映画「エイリアン vs プレデター」で、南極の謎の遺跡を探査しに行ったのがチャールズ・ビショップ・ウェイランドという名前の男が経営している「ウェイランド社」だ。ビショップの名前とウェイランドの名前が揃って登場したのだ。チャールズ・ビショップ・ウェイランドを演じている俳優は、以前にビショップを演じていたのと同じ、ランス・ヘンリクセンだ。
だから、この映画で「ウェイランド・ユタニ社」の内幕が少しは見えてくるのでは・・・と思われたものの、結局はチャールズ・ビショップ・ウェイランドは死んでしまうし、その他には何の情報もないまま、この映画が終わっていたのだった。点と点が線で結ばれなかったのだ。
以上から、いくつかの推測が生まれた。
(1) 現在の「ウェイランド社」が将来に日系企業「ユタニ社」と合併して、「ウェイランド・ユタニ社」になるのではないか?
(2) 映画「エイリアン 3」のラストシーンに出てきたビショップという男は、映画「エイリアン vs プレデター」で死んでしまったチャールズ・ビショップ・ウェイランドの子孫か、あるいはチャールズ・ビショップ・ウェイランドのDNAから作られたクローン人間ではないか?
そして、今度こそ、映画「エイリアンズ vs プレデター 2」にて、その謎が解明されるのでは・・・?と期待されていたんだけれど、結局は最後の最後に謎の女性「ユタニさん」が登場しただけで、何の解決にもなっていないのだ。
だから、またまた推測するしかない。この女性「ユタニさん」が経営する「ユタニ社」ってのがあって、プレデターの落とし物を研究してハイテクな技術を持つようになり、そして将来に「ウェイランド社」と合併して、「ウェイランド・ユタニ社」が生まれるのではないか?と。
ってことで、数年後には「ユタニ社」が登場してくる映画「エイリアン vs プレデター 3」ってのが見られるのではないだろうか?
映画「エイリアン vs プレデター 2」
http://movies.foxjapan.com/avp2/
次回は「エイリアン vs プレデター vs スパイダーマン」ってのはどうだろうか?
スパイダーマンをバットマン、スーパーマン、Xメン、ジェイソン、・・・などに置き換えて、おバカ・シリーズがどんどんと量産できそうな気がするのは私だけであるまい。
ちなみに、ジョークで、「エイリアン vs プレデター vs バットマン」のテスト版が作られた事が実際にある。
http://www.youtube.com/watch?v=Bs1ONS6d5Nw
これは、いろいろな映画のシーンをツギハギにしただけのものだけれど、「バットマン vs スーパーマン vs プレデター vs ターミネーター」だ。
http://www.youtube.com/watch?v=DM11xd5TYZg
更には、
ターミネーター vs ロボコップ vs プレデター
http://www.youtube.com/watch?v=dUSbId7Earc
とか、
バットマン vs スパイダーマン
http://www.youtube.com/watch?v=VYdaKhH8gzM
とか、
プレデター vs Xメン
http://www.youtube.com/watch?v=gHrAZp9FjqM
など、
この手のやつは多いねぇ。アホらしい・・・。
これはおちゃめで楽しいけどね。
エイリアン vs ジェイソン
http://www.youtube.com/watch?v=Y-EXBMPUlpc