映画嫌い (228)
2008年1月26日本日のカス映画は2007年の米国映画「アメリカン・ギャングスター (American Gangstar)」だ。2月1日からこの映画も日本で劇場公開されるようだ。今後、この映画を見ようと思っている人は以下を読まないように。
1960年代末のニューヨーク。フランクはハーレムを仕切っているギャングの子分だった。ギャングのボスの死後、フランクはベトナム戦争の軍用機を使って麻薬を密輸し、それで大儲けをしてギャングの大物に成り上がり、暗黒街の帝王となる。彼は常に細心の注意を払い、黒幕に徹していた。
一方、ニューヨーク市警にリッチーという刑事がいた。私生活は破綻しているが、正義感が強く、法を遵守する男だ。リッチーは麻薬捜査班を率いて麻薬密輸の取り締りを行ない、悪徳警官たちからの妨害に遭いながらも黒幕の正体を追っていく。そして、リッチーとフランクの距離が次第に縮まっていく。
リッチー vs. フランク ・・・・。
この映画、アカデミー賞の有力候補にあがっているようだが、ぜんぜん面白くなかったよぉ。それにしても、長い映画だねぇ。2時間40分弱くらいもある。疲れたよ。見ていると、その長さをひしひしと感じてしまうのだ。時間が経過するのを忘れて・・・ってな感じで見ることのできない映画だった。それなりの重みがあるのに、妙に散漫なんだもの。
フランクを演じているのがデンゼル・ワシントン。リッチーを演じているのがラッセル・クロウだ。共に存在感のある役者だから、この映画での存在感もサスガである。しかし、前半で、デンゼルが演じるフランクが、(彼が演じているからそう見えるのかも知れないが)まるで善人に見えてしまうように描写されているのは問題だろう。規律ある闇組織としての仁義があって、血縁親族に熱い・・・という、まるで日本のヤクザもののような仁侠道の世界になっているのがいただけない。そのような点では、日本のヤクザ映画の米国版リメイク映画のようにも見えてしまうんだもの。映画「アンタッチャブル」の成分をそれに合体させたってな感じだ。で、結局はフランクの仁義と情によって、彼は自ら墓穴を掘ってしまうってなストーリーで、それがすごくアホらしい。
正義という理念で結びついているリッチーらの執拗な追跡劇の見せ方もちょっと中だるみしているしなぁ。1960年代末という時代表現もナマぬるいなぁ。
ってことで、この映画も無視したほうが良い。こんな映画がノミネートされちゃうアカデミー賞って何なんだろうねぇ。昨年にノミネートされてた映画「バベル」なんかも、めちゃくちゃひどかったでしょ。
映画「アメリカン・ギャングスター」
http://americangangster.jp/
ちなみに、この映画の監督はリドリー・スコットだ。そう、映画「エイリアン」の1作目の監督もしていた人だ。
前述のように私は個人的に彼と会ったことがあるんだけれど、この人、すっごくオチャメな人なのである。この人が「エイリアン」を作ったり、この映画を作ったってのは、なかなか想像できない、そ〜いう感じの人なのだ。
彼とタランティーノのことを、私は「映画界の2大オチャメ監督」と認定している。3人目のオチャメ監督を今のところ見つけていないんだけれど、オススメの監督がいたら教えてちょ。