映画嫌い (295)
2008年8月12日本日のクソ映画は2008年の米国映画「シャッター (Shutter)」だ。2004年のタイのホラー映画「心霊写真」を米国でリメイクしたものなんだけど、舞台が日本で、監督などの撮影スタッフのほとんどが日本人だ。
この映画は来月に日本でもで劇場公開されるようである。今後、この映画を見る予定がある人は、以下を読んではいけない。
ニュー・ヨークに住む米国人のベンとジェーンは結婚式を挙げた。ベンは写真家で、日本での広告写真の仕事を兼ねて、ふたりは新婚旅行で日本にやってきた。
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ふたりで日本を観光して、ジェーンの運転で夜の山道を車で移動している時、突然と車の前に現われた女性をその車がはねてしまう。警察を呼んで現場周辺の捜査が行なわれたが、人がひかれた痕跡も、死体もケガ人も見つからなかった。
その後、東京に滞在しているふたりを怪奇現象が襲う。観光で撮ったスナップ写真にも、ベンが仕事で撮影した写真にも正体不明の何かが写っていたのだ。ジェーンはその正体を突き止めようと、オカルト雑誌編集者を訪問し、心霊写真というものを知る。そして、ベンが撮影した心霊写真を持って、ベンとジェーンは心霊研究科の村瀬を訪問するが、そこでは情報は得られなかった。
ベンが仕事をしている間に、ジェーンはひとりで出かけ、ポラロイド・カメラで写真を撮影しながら、写っている霊に導かれて田中めぐみという女性の存在を知ることとなる。その女性とは、以前にベンと交際していたことがあるストーカー女だったのだ。ベンはめぐみがその後にどうしているのか心配になり、ベンとジェーンのふたりは東京の郊外にあるめぐみ実家を訪問してみたところ、その家で、自殺してミイラ化しためぐみの遺体を発見する。めぐみの葬儀が行なわれ、遺体は火葬されたが、怪奇現象はそれでもまだ続いた。ふたりがニュー・ヨークに帰った後も。
めぐみの死の真相とは・・・?
私が見たやつは米国で劇場公開されていた米国版である。私はタイのオリジナル版は見ていないので、どのようにそれと違っているのかは知らない。来月に日本で劇場公開されるやつは、米国版とは別編集の独自の日本版になっているそうであるが、どのように違いがあるのかは知らない。別ストーリーになっているのかも知れないな。
で、死者が祟るとか、霊魂や怨念が写真に写るとか、その手のオカルトの一切を否定している私にとって、この手のオカルト映画はちゃんちゃらおかしいのだ。めぐみのベンへの怨念、復讐心が怪奇現象を起こして、写真にも写っているってことになっているんだけど、ぜんぜんリアリティがないし、ぜんぜん恐くない。ホラー映画になっていないじゃないか。「リング」、「呪怨」などのジャパニーズ・ホラー映画が米国でリメイクされて、その勢いだけでコレを作ってしまったという感が否めないよなぁ。ちなみに、この映画のプロデューサーは「リング」、「呪怨」、タイ版「心霊写真」のプロデューサーでもある一瀬隆重だ。監督は「感染」、「世にも奇妙な物語」の監督もしていた落合正幸だな。日本人が撮影しているから、米国人の目から見た勘違いされたヘンテコな日本の文化のシーンはない。しかし、オカルト雑誌編集者のリツオの役で登場している役者は、米国の人気テレビ・ドラマ「ヒーローズ」でアンドウ君の役を演じていた韓国人 James Kyson Lee じゃないか。なんでこんな奴に日本人を演じさせるんだよぉ?
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その他に日本人の役者が出ていて、チョイ役である心霊研究科の村瀬の役は山本圭だな。そして、めぐみの役は奥菜恵だ。ある雑誌に「もしも、めぐみ役が柴崎コウや中谷美紀だったら、3倍は楽しめただろう」と書いていた映画評論家がいたけれど、私はそれには賛同しない。めぐみが登場するシーンがあまりないし、めぐみの存在感がどうのこうのってな映画じゃないからだ。めぐみの役は誰にやらせても変わらなかっただろう。
不思議なのは、エンドロールの役者の一覧の中に、宮崎美子の名前が上から8番目にあるってことだ。7番目が James Kyson Lee で、9番目が山本圭だ。
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宮崎美子、この映画に出ていたっけぇ? アキコという役らしいのだが、そんな登場人物、いなかったよなぁ? もう一度見てみたが、それでもどこに出演しているのかわからなかった。出演していないのに名前があるのは怪奇現象だ。この映画のスタッフの中に私の知人がいるので、その人に私が質問してみたところ、宮崎美子は確かにアキコという役を演じていたのだが、編集しているうちにその出演シーンが次々とカットされてしまって、最終的には劇場公開版から全ての出演シーンがカットされてしまったらしい。おいおい、それならエンドロールくらい修正せぇよ。ったくもぉ杜撰な映画だなぁ。ちなみに、アキコという役は、めぐみの母親らしいぞ。
来月に日本で劇場公開される日本版には、もしかして宮崎美子がちょっとだけ出ているかも知れないな。いや、私は宮崎美子のファンでも何でもないし、宮崎美子を見たいわけではない。現在撮影中の実写版映画「ヤッターマン」での深田恭子は気になるが。
映画「シャッター」
http://movies.foxjapan.com/shutter/