映画嫌い (256)
2008年4月4日聞いた人が自殺しちゃうってことで放送禁止になったシャンソンがある。ルッツォ・スレスが作曲して、1931年に発表された『暗い日曜日』という曲がそれだ。歌っているのはダミアという歌手だった。その曲を聞いた人が次々に自殺して、その数は100人を超え、遂には1933年に英国BBCなどのいくつかの放送局がこの曲の放送を全面的に禁止した。第二次世界大戦を予言した曲だとも言われている・・・・という有名な都市伝説がある。
ちなみに、その曲は実在しているが、その曲で本当に自殺者が出たのか、それを証明するものは何ひとつ残っていない。イギリスとハンガリーで放送禁止に指定されたのも事実であるが、放送禁止の理由は自殺者が出た為ではない。また、歌詞の内容は第二次世界大戦とは何も関係がない。だから、この件は歴史的な事実ではない。ゆえに、都市伝説だと言われているのだ。ロシア革命を予言したと書いてあるバカな本もある。ロシア革命は1931年よりずっと前に終わってるじゃん、バ〜カ!
その都市伝説をベースにデッチあげられた失笑の邦画が、2007年の「伝染歌」である。秋本康の同名小説の映画化である。秋本康のアホ小説なんか映画にするなよなぁ。秋本康はこの映画に企画者としても参加している。
あまりにもバカらしいので、ストーリーは略。これがまたしょーもないクソ映画なのだ。「伝染歌」ってなタイトルなのに、歌によって何も伝染していないし、歌そのものも伝染していないという、全くな企画倒れなタイトルだ。『暗い日曜日』の件を持ち出していながらも、勝手にそれを「自殺を伝染させる歌」ってことにしちゃっているのがマヌケであるし、女子高生が自殺したのを何の根拠もなく「伝染歌」が原因だと特定して取材している雑誌記者もバカだ。そもそも、ストーリーがちゃんとつながっていないじゃないか。「伝染歌」の表現が不足しているし、同級生に自殺者が出た事の震撼さ、死体を発見した衝撃度がまるで出ていない。だから全然、リアル感がないのだ。
そのように、ストーリーが荒唐無稽で矛盾していて、脚本がシロート丸出しのクズなだけじゃないのがこの映画の呆れた所だ。役者がしょうもないダイコンだらけなのである。カメラワークに無駄な動きが多すぎるし、構図も悪い。音声録音も悪いからちゃんとセリフが聞き取れない部分が多い。ボキャブラの乏しい選曲もミスだらけで、使っている音楽が映像に全くマッチしていないのも興醒めだ。それに編集も酷くザツだなぁ。特撮もCGも子供騙しのチープさで失笑だ。何もかもが三流以下で、まるでシロートが作ったような映画なのだ。ろくに仕事ができない無能者たちがプロを気取ってアホ小説を映画化しちゃうとこんな悲惨な結果になっちゃうんだぞぉ・・・という見本だな。
このシロート丸出しのバカ・スタイル、どこかで見たことがあるな・・・と思っていたら、ビンゴ。監督はあの原田眞人だ。なるほど、あの日本一の無能監督が撮った映画だからこんなになっちゃってるんだ。原作の選択ミス、監督の人選ミス、スタッフの無能ぶり、これらが重なった結果がコレなんだねぇ。思慮分別があるべきオトナがこんな映画を作るなよ。お前ら、それでもプロか?
無駄なシーンでの時間稼ぎも醜悪だな。中身が薄くて、実質的には30分ものドラマのような内容しかないんだけれど、無駄なシーンを大量に付けて、無駄なリフレインをやらかしているシーンまでもあって、2時間もある長い映画になっている。その無駄なシーンが実にくだらない。見ていると飽きてくるぞ。ストーリーとは無関係な秋葉原でのオタク野郎たちのイベントなんか長々と見せるなよなぁ。女子高生のバカ生態を見せられてもしょうがないじゃないか。戦闘サバイバル・ゲームやってるシーンだってストーリーに無関係だろ。無意味な夢の中のシーンも無駄。散漫すぎる無駄なシーンばかりで、「伝染歌」とは無関係にストーリーが進んでしまい、途中で、何の映画だったのか?と忘れちゃうほどなの酷さなのだ。それで無理矢理と「伝染歌」にこじつけているのが見苦しいなぁ。そしてラストはCG合成した失笑のエセ・ファンタジーだ。バカバカしいったりゃありゃしない。
ヒロインを助ける陸って名前の雑誌記者の存在感が薄いねぇ。相棒の太一って名前の雑誌記者なんか、その存在も、臭い芝居も、胡散臭いセリフも、すべてにおいて邪魔以外の何者でもないなぁ。太一の出ているシーンは全部カットしろよ。その一方では、ホーラー映画のくせにオカルト度は低いし、サスペンス度もないし、何ってったって「恐〜いシーン」がひとつもないんだもの。何なんだろうねぇ、これ?
で、結局、この映画って、単に、秋本康が関わっている「AKB48」っていう女子高生グループの為の長い長いプロモーション・フィルムだったわけだよねぇ?
映画「伝染歌」
http://www.densen-uta.jp
ベースになっている『暗い日曜日』はこの映画の中では流れてきていない。その曲は全くの無関係と言ってよい。それで、関係のない曲『僕の花』が伝染歌として歌われているんだけど、その曲の出来もめちゃくちゃ悪いねぇ。歌っているのは五井通子だが、映画の中のシーンの音声では松本伊代が歌うバージョンで登場だ。松本伊代による歌のそのデス感は想像に難くないでしょ?
ちなみに、私は本物の『暗い日曜日』のテープを持っている。ど〜ってこともないチープなシャンソンだな。シャンソンって言っても、本物のフランス人のシャンソン関係者の曲じゃなくて、ハンガリー人がシャンソンを真似てるだけなんだけどね。この曲を私は何人かにダビングしてあげたことがあるが、それを聞いて自殺した者は誰もいない。病死者も事故死者もいない。み〜んなピンピンしているもの。ほ〜ら私だってこんなにピンピンだ。私のピンピン、見て見て!
そういえば、『暗い日曜日』にまつわる秘話の映画があったなぁ。
http://www.gaga.ne.jp/gloomysunday/
映画嫌い (255)
2008年4月3日本日のクソ映画は2007年の米国映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (There Will Be Blood)」だ。今年のアカデミー賞の各部門で、「ノー・カントリー」、「アメリカン・ギャングスター」、「フィクサー」と争い、この映画は主演男優賞と撮影賞を受賞している。日本では今月の26日からゴールデン・ウィーク映画として公開される予定らしい。
20世紀の初頭のアメリカの西部が舞台だ。ダニエル・プレインビューは金と石油を掘り当てて財を成した。冷徹で強欲、独善的で他人を信用せず、カネの為なら何でもやるような男だ。彼は更なる富を求め、幼い息子を連れて油田を探す旅に出た。
ダニエルはある青年から「自分の故郷の荒野に石油が眠っている」との情報を得る。そこでダニエルは現地へ向かい、密かに調査を行なってみたところ、石油が染み出しているのを見つけるのだった。ダニエルは言葉巧みに一帯の土地を安く買い占め、採掘を始めるのだが・・・。
長い映画だねぇ。2時間半以上もある。それに、全編に渡ってヘンテコに重圧感を持たせちゃっているから、見ていて疲れるんだよなぁ。ストーリー自体も大して面白くないんだからしょうもない。欲深いダニエルがカネの為に息子をも利用しちゃうという傲慢さ、腐った心、その生態をメインに見せているんだけれど、それに対立する人々の姿の描写がドラマとして薄っぺらだから物足りないんだもの。ダニエルと対立する牧師の姿なんかがそれだ。結局はその牧師もダニエルと同じ穴のムジナだったわけだけど、牧師の描写が薄いから、その存在感も薄くなっちゃっているのだ。
重圧感に押されちゃう映画を見てみたいと思うマゾ的な趣味のある人じゃなければ、この映画も無視したほうが良いだろう。
映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/
http://www.imdb.com/title/tt0469494/
映画嫌い (254)
2008年4月2日本日のクソ映画は2007年の米国映画「ハンティング・パーティ (The Hunting Party)」だ。戦場ジャーナリストたちの体験した事実を元にした映画らしい。来月あたりから日本でも劇場公開される予定があるそうだ。
ダックは米国の大手テレビ局のカメラマンだ。2000年、ダックは5年ぶりにかつて戦場となっていたサラエボを訪れた。ボスニア戦争終結5周年の記念式典を報道する目的だ。そんな時、ダックの前に、元・相棒のサイモンが現われる。サイモンは戦場からの命がけのリポートで有名になっていた男だが、ボスニアからブチ切れの中継をしたのが原因でクビになり、それ以来、消息知れずだったのだ。
サイモンはダックに「逃亡している大物戦犯の居場所を突き止めたのでインタビューを取りに行こう」と誘う。そして、サイモンとダック、そして新米のプロデューサーのベンの3人は、デンジャラスな旅に出た・・・。
ボスニア戦争の終結の影を暴露するような内容な映画であるが、ちっともこれが楽しめないのである。時々出てくるお笑いシーンが邪魔であるし、なんだかストーリーができすぎってな感じがして、これのいったいどこまでがホントの事なんだぁ?という首をかしげて見てしまうのだ。映画が終わる頃には首が痛くなってくるぞ。エンドロールで、どこまでが実話なのか明かされていて、映画の結末は実話ではないことも暴露されてはいるんだけど、それが実話じゃないにしろ、紛争の原因となった民族対立の問題を容認しちゃうかのような表現になっていて、それには大いに疑問だな。ヘンテコなポップ感も出しているのも好きにはなれない。ってなことで、私はこの映画には拒絶感でいっぱいになった。
ちなみに、サイモンを演じているのはリチャード・ギアである。
映画「ハンティング・パーティ」
http://www.huntingparty.jp/index.html
http://www.imdb.com/title/tt0455782/
4月1日嫌い 北海道編
2008年4月1日(1)北海道ではようやく今月1月から携帯電話のサービスがスタートした。ただし圏内は札幌市内だけ。現在、ポケベルから買い換える人の予約が殺到しているので、携帯電話は3ヶ月待ちの状態になっている。
(2)昨日に閉幕した「さっぽろ雪祭り」の雪像はカマクラになっていて、中にラーメン屋がある。行列のできるおすすめのラーメン屋は、今年はピカチュウの雪像の中にあった。
(3)牧草ロールは風に吹かれてコロコロと自然に大きくなる。その中心部には「野ダコ」という全身に毛のはえたタコが住み着いていることが多く、奴は夜行性で動きは機敏、攻撃的で危険だ。
(4)北海道の海岸が冬に流氷で覆われると、ロシアと陸つづきになるので、ロシア人が流氷の上を歩いて渡ってくる。この場合、ビザがなくても良い。 流氷上ではロシア人と日本人の物々交換も盛んに行なわれている。ロシア人に人気があるのは日本製の歯ブラシとコンドーム。
(5)旭川と釧路を結ぶ直線より北の領域は、ロシアとの共同統治領になっていて、赤い星のマークの戦車が走り回っている。
(6)千歳空港に着陸したら、機長と乗務員の労をねぎらって、みんなで拍手するのが礼儀である。
(7)北海道では、飛行機だけでなく、エレベータ、エスカレータ、トラクターも右足から乗らなければならない。
(8)台所には牛乳専用の蛇口がある。
(9)赤飯にはアズキの代わりに甘納豆が入っている。スキヤキの中には牛肉の代わりに豚肉が入っている。
(10)みんな番犬の代わりに熊を飼っている。
(11)車が雪に埋まると、熊に引っ張ってもらって脱出する。
(12)どの家庭にも玄関に木彫りの熊がある。その木彫りの熊は、その家の家長であるお父さんが作るシキタリがある。
(13)冬に海が流氷で覆われると、樺太からシロクマが流氷づたいにやってくる。シロクマとヒグマの骨肉の縄張り争いはすごい。
(14)札幌の大通公園にも熊が出るので、自衛隊がボティ・ガードしてくれる。熊対策として、大通公園の近辺のビルの屋上には自衛隊の狙撃部隊が待機しているが、毎年、誤射の犠牲者が多い。
(15)学校の体育の授業で、クマと闘うための格闘技を習う。
(16)熊との格闘の経験がない観光客の為に「熊保険」がある。
(17)熊がお酌をしてくれる。
(18)熊がタバコを買いに来る。
(19)ハチミツを買いに来る熊もいる。
(20)母子で手袋を買いに来る熊もいる。
以上の中で真実は1つ。さて、どれでしょう?
映画嫌い (253)
2008年3月31日本日のクソ映画は2008年の邦画「あの空をおぼえてる」だ。ジャネット・リー・ケアリーの小説を和風に改悪して映画化したものだ。この映画は今月の25日から劇場公開されるらしい。
写真館を経営している父、身重の母、そして小学4年生の英治と6才の絵里奈の2人の子供。4人家族は幸せに暮らしていたのだが、ある日、英治と絵里奈は交通事故に遭ってしまう。英治は奇跡的に助かったが、絵里奈は死んでしまったのだ。悲しむ両親は暗い闇の中へ。
英治は自分だけが生き残ったことをつらく思いながらも、なんとか両親に笑顔を取り戻してもらおうと明るく振る舞うが・・・。
めちゃくちゃつまらないクソ映画である。なんでこんな映画を作っちゃうんだろうねぇ。思慮深い子供が大人を励まして家族を再生するというエセ・ファンタジーだ。子供の死を我田引水で利用して、こんなので感動しろと言うのか、バ〜カ! いたいけな英治の姿を見せたかったのが見え見えで、そんなものだから、両親の存在感がぺらぺらに薄い。愛する娘をはねた運転手に対する両親の感情すら描かれていないデキソコナイ映画なのだ。全くリアリティもなければ、感動もない。なんなんだよコレ? 邦画はくだらないものばかりだけれど、下には下があるもんだねぇ。
私は原作本を読んだことはないんだが、原作もこんなくだらないストーリーなんだろうか?
映画「あの空をおぼえてる」
http://www.sonypictures.jp/movies/anosora/
原作本
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31086905
映画嫌い (252)
2008年3月26日本日のカス映画は2007年の邦画「自虐の詩」だ。既に廃刊の某週刊誌にかつて連載されていた業田良家の同名の4コマ漫画を実写版映画化したものである。
あの原作の4コマ漫画の世界観は好きだったなぁ。薄幸で哀れな主人公・幸江の数々の不幸と、それを耐え忍ぶ無言なる表情、自虐的な不幸の中にちょっとだけ見え隠れするささやかなる幸せ・・・、を笑ってあげるという、悪趣味な笑いがメインだった。他人の不幸を笑うというブラックな漫画だったよなぁ。元ヤクザでパンチパーマの夫・イサオが無言でちゃぶ台をひっくり返す毎度毎度のシーンには笑わせてもらったものだ。なんで今になってあれを映画化するのかは疑問ではあるが、原作漫画のファンとしてはどんな映画になっているのか見ておかなければなるまい。あの断片的な4コマ漫画をストーリー性のある映画にするんだから、かなり違ったものになってしまうのは想像に難くないが・・・。
母に逃げられ、父が銀行強盗で捕まり、学校ではみんなの嫌われものという悲惨な生い立ちの幸江は、内縁の夫のイサオとふたりで木造のボロ・アパートに住んでいた。イサオは元ヤクザで定職もなく酒浸り、パチンコ三昧の日々。ふたりは共に口数が少なく、意志の疎通がする会話もなく、貧乏な日々過ごしていた。短気なイサオは何かとキレて無言でちゃぶ台をひっくり返すが、幸江は黙ってそれに耐えるしかなかった。自分の暗くて不幸な人生を幸江はイジイジと悲観しながらも、いつの日にか幸せになる事を夢見ていたのだった。イサオは仕事に出る事にしたが、仕事中に暴力沙汰を起こしてすぐにクビになってしまう。
そんな時、幸江がパートで働いているラーメン店「あやひ屋」のマスターが幸江にプロポーズをする。更には刑務所を出てきた父が幸江の前に現われたり、ヤクザの親分がイサオに組へ戻るように誘ってきたり・・・と人間関係、人間模様が錯綜する。
更には、幸江がイサオの子を妊娠した事が発覚した。それを知って驚愕するイサオ。ところが、ラーメンの出前の配達中、幸江は歩道橋から転落してしまい・・・。
前半は原作の4コマ漫画の断片が予想以上に挿入されていた。期待していた「ちゃぶ台」シーンが何度か登場している。しかし、どのギャグも完成度は低いねぇ。オチが先読みできちゃうような平凡なギャグにしかなっていないんだもの。そして、半ばのシーンで幸江の妊娠が発覚して、それ以降がまるで別の映画になっちゃって暴走しているのだ。原作無視の別ストーリーである。妊娠騒動ってなものになっているわけでなく、無理矢理とプチ感動ものストーリーに持って行っているのだ。歩道橋から転落して病院に搬送された幸江が意識不明の中、自分の悲惨な中学生時代の事や、イサオとの出逢いを回想するというパターンになっているんだけど、お笑いとしても薄いし、ストーリー性も薄いんだよなぁ。これのどこが「自虐の詩」なんだよぉ?と思ってしまう。イサオとの出逢いのストーリーは邪魔なだけだもの。幸江の中学生時代の回想のほうはまぁまぁなんだけれど、ラスト・シーンの1つ手前で中学生時代の同級生「熊本さん」と幸江が再開するストーリーもなんだかなぁ。そのようなストーリー付けなんかしないで、全編を小ネタのギャグの応酬で通せばよかったのにねぇ。そして最後には浜辺で幸江とイサオと生まれてきた赤ん坊の3人でのシーンになっちゃっているんだものぉ、これじゃぁ「自虐の詩」じゃないだろ!と思うのは私だけであるまい。
幸江を演じているのは中谷美紀なんだけれど、この人、なんだか役にマッチしていないんだよねぇ。薄幸で暗い感じが出ていないんだもの。幸江の自虐性、あきらめに近い忍耐という厭世感も出ていないなぁ。もっと適任な役者を3人くらい私は思い当たるもの。それに、脚本の問題だろうけれど、セリフも多すぎるし、人間としてしっかりしすぎているのがつまらないな。原作漫画では吹き出しの中のセリフが「・・・」と表記されているダンマリな状態が多いキャラなのに、それとはかけ離れちゃっている。いくらイサオにしいたげられても、これが究極の愛の姿であるというような自己主張や、表に出せない抵抗感という一種のマゾ的な姿も描写すべきだったろうに。
一方のイサオの役は阿部寛だ。阿部寛がパンチパーマ姿で出てくるのはちょっとだけ意外だったけれど、毎度毎度のデクノボーな彼の芸風にこの役はまぁまぁマッチしている。しかし、これも脚本が悪いのが原因だが、幸江の妊娠に対してヒューマニズムのある一面を見せてしまうというありきたりの役で終わってしまい、それでかなりシラケてしまうのだ。あの役にセリフなんか一言もいらないだろうに。
その他の役者として、同じアパートに住むオバちゃんにカルーセル麻紀、幸江の父に西田敏行、ヤクザの親分に竜雷太が登場している。
その他のチョイ役として、Mr.オクレ、蛭子能収、気仙沼ちゃん、ミスターちん、たいぞう、ダンテ(ソフトバンクの携帯電話のCMの黒人さん)、アジャ・コング、・・・らが出演していて、それでちょっとだけ笑いを取っているその手法、それにこのカメラワーク・・・、どこかで見た事があるような・・・と思っていたら、やはり監督は堤幸彦だった。堤幸彦が監督をしていた「TRICK」と同じような手法なのだ。でも、「TRICK」ファンが見ても物足りない映画に見えてしまうだろうな。4コマ漫画の原作「自虐の詩」が好きな私としても随分と物足りなかったぞ。
ってことで、この映画は見てもしょうがないだろう。
映画「自虐の詩」
http://www.jigyaku.com/index.html
そっくりさん嫌い
2008年3月24日
おなじみの「まりもっこり」
http://bell-bell.mo-blog.jp/photos/hito/pic_0602.jpg
高知県のキャラクター「くろしおくん」
http://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/0318/2589065.jpg
http://bell-bell.mo-blog.jp/photos/hito/pic_0602.jpg
高知県のキャラクター「くろしおくん」
http://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/0318/2589065.jpg
映画嫌い (251)
2008年3月22日本日のカス映画は2006年の米国映画「ファクトリー・ガール (Factory Girl)」である。この映画は日本では4月19日より劇場公開される予定らしい。
「ファクトリー・ガール」ってなタイトルではあるけれど、これは工場で働く女性の物語ではない。ここで言う「ファクトリー」とは、ポップ・アートの巨匠、アンディ・ウォーホールのアート・スタジオの名前である。「ガール」とは、そのアンディ・ウォーホールの彼女だったイーディ・セジウィックのことを指す。ってことで、この映画は、イーディのはかない生涯の実話をアンディ・ウォーホールとの関係を軸に断片的に描いた映画なのである。
イーディは名家の令嬢であった。1965年、イーディはアンディ・ウォーホールとの出逢い、ふたりは交際を始める。アンディのポップ・アートは新しい時代の到来を象徴する芸術として世界的に認知され、アンディは時代の寵児となっていく。イーディはアンディの制作した映画に次々と出演し、「VOGUE」誌の表紙にもなるほどの時の人となった。ところが、1967年にイーディはボブ・ディランとの恋に落ちてしまい、アンディと決別してしまうのだった。その後にはディランにも去られてしまい、孤独の中でイーディはドラッグに溺れる。そして1971年、イーディはドラッグが原因で死去。28才の若さだっとさ。
おしまい。
薄い映画だねぇ。主役がイーディであり、その自滅する姿を描いている映画なのであるが、イーディの存在感が薄すぎるのだ。単にアンディ・ウォーホールの楽屋裏、彼の歪んだ心を見せたいだけだな。イーディから見たアンディ・ウォーホールの実像ってなところか。でも、アンディ・ウォーホールの作品とその意義を知らないで見ると、この映画での彼は狂った男にしか見えてこないんぢゃなかろうか? それにオマケとしてボブ・ディランとの出逢いと別れのストーリーを付けて、ドラックで死亡ってなイーディの転落人生の言い訳にしているだけだな。つまらない映画だねぇ。
ちなみに、この映画にはボブ・ディラン本人からの許可が得られなかったので、ボブ・ディランの名前は出てこないが、ボブ・ディランだとしか思えないそっくりな風貌の男が別名で登場している。その男を演じているのがヘイデン・クリステンセンである。前述の映画「ジャンパー」で主演だった人だね。映画「スター・ウォーズ」でも有名らしいね。アンディ・ウォーホールを演じているのはガイ・ピアース、イーディ・セジウィックはシエナ・ミラーだ。
映画「ファクトリー・ガール」
http://www.factorygirl.jp/index.html
http://www.imdb.com/title/tt0432402/
映画嫌い (250)
2008年3月14日本日のカス映画は2007年の米国映画「フィクサー (Michael Clayton)」である。映画「オーシャンズ 11」シリーズのオーシャン役でお馴染みのジョージ・クルーニー(昭和36年生まれ、めちゃくちゃフケてる!)が主演の映画だ。この映画はアカデミー賞の7部門でノミネートされ、カレン役のティルダ・スウィントンが最優秀助演女優賞をで受賞している。タイトルの「フィクサー」とは「もみ消し屋」ってな意味だ。ただし、原題は主人公の名前「マイケル・クレイトン」である。
この映画は4月12日より日本でも劇場公開されるようだ。今後、この映画を見る予定の人は以下を読んではいけない。
主人公のマイケル(ジョージ・クルーニー)はニューヨーク最大の法律事務所に勤務している。彼が担当する仕事は事件・事故の「もみ消し」である。
ある時、マイケルは、親友の弁護士であるアーサーを保護する仕事を命じられる。アーサーは集団薬害訴訟の裁判で大手企業ノース社の弁護を担当していたのだが、精神錯乱の状態に陥っていたのだ。実はアーサーはその裁判の過程で、ノース社の悪徳さを知り、良心の呵責から真実の暴露を考えていたのだった。
ところが、ノース社は隠蔽工作を謀った。ノース社の担当部長のカレン(ティルダ・スウィントン)の指示により、アーサーは自殺を装って殺害されてしまった。
そして・・・。
破綻した私生活と汚い仕事の間にいるマイケルのストレス、正義感と自分の弱さに苦悩するアーサーのストレス、そして結果を出すのが仕事である悪役のカレンのストレス・・・と、3人はそれぞれにいい演技をしているとは思うが、映画としての完成度はかなり低い。デキソコナイのサスペンスである。前半がすごくもたついているのだ。テンポが悪いし編集も悪い。ストーリーが徐々に加速する見せ方にも疑問だ。あんなのじゃ最初の30分で観客は帰っちゃうぞ。
で、結局は、マイケルは「これだけは譲れないんぢゃ!」と男気を見せて奮起し、それで・・・ってな感じのありきたりのストーリーで完結しちゃっている。映画ってホントつまらないカルチャーだねぇ・・・と再認識させてくれた作品だった。こんな映画は見る価値なし。
映画「フィクサー」
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id328901/
http://www.imdb.com/title/tt0465538/
映画嫌い (249)
2008年3月13日本日のカス映画は2007年の米国映画「ブレードランナー 最終版 (Blade Runner - Final Cut)」だ。
映画「ブレードランナー」はフリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を1982年にリドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演で映画化されたものだ。SF映画の金字塔と呼ばれ、熱烈的に支持をするオタク系マニアも多い映画である。その映画の従来のバージョンに未公開シーンを追加して再編集されたものが「最終版」なんだそうだ。
天才科学者タイラレル博士が経営するタイラレル社は精巧なアンドロイド「レプリカント」を開発した。レプリカントは人間そっくりで見分けがつかないどころか、体力や敏しょうさなどの身体能力は人間を上回っているのだ。知力も開発者とほぼ同じレベルにある。レプリカントたちは地球外基地での労働や惑星探査などにあてられていたが、ある時に人間に対して反乱を起こし、人間の敵となったのだった。地球に戻って人間社会に紛れ込んでいるレプリカントを摘発して抹殺する特捜班「ブレードランナー」が組織された。
2019年11月の米国のロスが舞台である。ブレードランナーの元隊員だったのが主人公のデッカードである。彼はすでにブレードランナーを退職していたが、宇宙船に乗って4名のレプリカントが地球に密航してやってくる事件が起きた為に、元のボスに呼び戻されてレプリカント抹殺の仕事を再開することになる。手がかりを捜査してレプリカントを追うデッカード。レプリカントには1つだけ欠点があった。それは製造されて4年で寿命となって機能停止するのだ。
タイラレル社のタイラレル博士を訪問したデッカードは、博士の女性アシスタントであるレイチェルと知り合う。デッカードはレイチェルがレプリカントである事を見破るが、最新型であるレイチェルは自分がレプリカントだった事を知らず、自分が人間だと思い込んでいた。レイチェルが持っている自分の過去の記憶も人工的に作られたものだったのだ。愕然としたレイチェルはタイラレル社から逃亡してしまう。そして、ブレードランナーの抹殺すべきレプリカントのリストにレイチェルも追加されたのだ。
デッカードは街中でレプリカントのリオンに襲われ、あやうく殺されそうになる。その時にリオンの頭部を銃で打ち抜いてデッカードを救ったのはレイチェルだった。デッカードとレイチェルは禁断の恋に落ちてしまう・・・。
(中略)
デッカードは密航レプリカントの最後のひとりを追い詰めた。レプリカントのリーダー格のバディだ。そして戦いが始まるが、バディの狂暴で圧倒的なパワーにデッカードは追い込まれてしまう。デッカードは危うく・・・。その時に、バディが機能停止した。バディの4年の寿命が終わったのだった。
そして、デッカードはレイチェルを連れて逃亡の旅に出る。レイチェルの寿命が尽きるのがいつかは誰も知らない。
おしまい。
レプリカントvsブレードランナーという舞台背景、世界観としては良くできているのだが、デッカードがバディにやられそうになった時、バディに助けられて、バディがレプリカントである自分の苦しみと悲しみをデッカードに聞かせて、その直後にバディが機能停止だなんて、デキすぎてるよなぁ・・・と思うのは私だけであるまい。そのような稚拙な不条理さを最後に持ってきている点が脱力なのだ。そのシーンだけでこの映画はブチ壊しになっている。
私は公開当時にオリジナル版を見たことがあるのだが、あの時には大して面白い映画だとは思わなかったものだから、あまりオリジナル版のシーンの数々を覚えていない。印象に残っているのは、高層ビルの壁をスクリーンにして「強力わかもと」のCMらしき映像が映し出されているシーンくらいのものだ。だから、オリジナル版と最終版の違いが明確にわからなかった。ストーリー自体に違いはないと思うのだが、冒頭のシーンとラストシーンが違っていたような気もする(オリジナル版のラストって空撮だったような・・・)。いや、オリジナル版のシーンの記憶が明確ではないので、気のせいかも知れないが。ってなことで、オリジナル版を見た事がある人は、よほどのマニアさんじゃなければ、こちらの最終版を見てもしょうがないんじゃなかろうか?
最終版でも「強力わかもと」が出てくるねぇ。近未来のロスの街中には、その他にも日本語の看板がいろいろと見える。「ゴルフ用品」とか「レストラン」とか「万年筆」とか。「充実の上に」ってな意味不明の看板もあったりする。「日本の料理」の看板はどちらが上なのかわからなかったのか、堂々と上下さかさまだものなぁ。ウドン屋のオヤジは日本語で話しているし、街中の通行人の声の中にも日本語が入り混じっているのがはっきりと聞きとれるぞ。リドリー・スコット監督はこの映画で近未来都市を描くにあたって、モデル都市として東京に取材に来ていたそうだから、それがこ〜なっちゃったわけだ。ちなみに、「強力わかもと」については、リドリー・スコット監督はあれを「人工流産剤」だと勘違いして近未来のロスに登場させていたらしい。思いっきりの勘違い、恐るべし!
街中には「ATARI」のネオンサインも見えるねぇ。「ATARI」ってもう誰も知らないかぁ。かつて一世風靡したゲーム機だったわけだが、すぐに倒産しちゃったものなぁ。この映画の香ばしさってのは、このようなヘンテコな未来感にあるよなぁ。テレビ画面がフラットで薄い液晶じゃなくて、球面タイプの古いブラウン管だったりするし、街の上空をエア・カーが飛んでいるしなぁ。1950年代のSF映画じゃないんだから、エア・カーなんか飛ばすなよなぁ。
で、この映画のもっとも痛いのは、レイチェルが全然魅力的じゃないってことだ。だから、なんでこんな女性とデッカードは禁断の恋に落ちちゃうのか実感がしてこないのだ。デッカードとレイチェルのファック・シーンすらないのもイヤだなぁ。
映画「ブレードランナー 最終版」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00006AFZ6
ちなみに、音楽を担当したのはヴァンゲリスだ。彼の一連の退屈な作風と違ったメリハリのある曲を作って、それをメインテーマに使っているのがヤケにおかしい。
ちなみに、「ブレードランナー」のファンの間では、「デッカードはレプリカントだ」説が広がっているらしい。一種の都市伝説だな。
映画嫌い (248)
2008年3月11日本日のカス映画は2007年の米国映画「魔法にかけられて (Enchanted)」である。またまた子供向けのディズニー映画だ。なんでディズニーはこんなクソも面白くない映画ばかり量産しているんだろうか?
この映画は今週の週末から日本でも劇場公開されるようだ。今後、この映画を見る予定がある方は、以下を読んではいけない。
ミュージカル仕立てのアニメーションのシーンから始まる。アンダレージアというおとぎの国での物語りだ。
ジゼルは森の中で動物たちと仲良く暮らしていた。ジゼルは王子様との出逢いを夢見ている。そして、動物たちと歌って踊る。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/maho1.jpg
運良くジゼルはエドワード王子と出逢っちゃう。(あらら)
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そして、さっそくふたりは結婚式を挙げることになっちった。
ところが、結婚式の為にお城に向かう途中で、ジゼルは婆さんに声をかけられ、井戸の中に突き落とされてしまうのだ。その婆さんの正体は魔女・ナリッサだ。ナリッサはエドワード王子の義母である。王位をエドワード王子とジゼルに奪われることを怖れたナリッサにとって、ジゼルは邪魔な存在だったのだ。
以上でアニメのシーンはおしまい。
そして場面は現在のニューヨーク。
ジゼルが落ちた井戸はニューヨークのブロードウェイのド真ん中の交差点にあるマンホールにつながっていたのだ。ウェディングドレスを着たジゼルはマンホールの中から出てくる。ここは夜の大都会ニューヨーク。人があふれ、車がばびゅ〜ん。驚くジゼル。
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ニューヨークに住むロバート・フィリップは離婚問題担当の弁護士だ。ロバートは女房に逃げられ、6歳の娘のモーガンとふたり暮らしをしている。
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その日の夜、ロバートとモーガンが夜のニューヨークをタクシーに乗って走っていると、モーガンはジゼルの姿を発見する。ジゼルが道に迷って泊まる所もないと思ったロバートは、親切心からジゼルに自宅のソファを寝床として提供するのだった。翌朝、ジゼルは歌って踊って、その歌声でネズミやハトや虫たちを集めて部屋の掃除をやらせちゃう。彼女の歌声には魔法のような力があったのだ。
ジゼルがシャワーをあびている時に、ロバートの彼女であるナンシーがやってきてジゼルと遭遇。ジゼルの存在でナンシーとロバートの仲は険悪に。ロバートはナンシーにプロポーズしようと思っていたのにぃ・・・。それでロバートはジゼルを追い出そうとするが、ジゼルのことが心配になり、ジゼルの身の上ごとを聞きながら一緒に公園を散歩する。
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ここでもジゼルは歌って踊ってのミュージカルになっちゃう。
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一方、エドワード王子も井戸を通って、ニューヨークにやってきた。失踪したジゼルを探し出して連れ戻すのが目的だ。
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ジゼルと仲良しのシマリスのピップも一緒にやってきた。
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それを知った魔女・ナリッサは、エドワード王子の行動を妨害する為に、手下のナサニエルをニューヨークに送り込んできた。
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ナサニエルはジゼルに毒リンゴを食べさせようとするが、それに失敗する。
バカ王子は剣を振り回し、陳腐な行動しながらも、なんとかジゼルを探し当てるのたっだ。
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これでハッピーエンドではない。
その後、
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・・・といろいろあって、ジゼルはナリッサを退治し、結局のところ、ロバートとジゼルがデキちゃって、ロバートの彼女だったナンシーはエドワード王子とデキちゃう。エドワード王子はナンシーを連れてアンダレージアに帰って挙式。ロバートとモーガンの親子はジゼルと一緒にずぅ〜と幸せに暮らしましたとさ。おしまい。
あぁ〜ぁ、いやだなぁ、これもディズニー式の無理矢理ハッピーエンドと化しているなぁ。小学校低学年向けってな感じの子供向けの映画だからしょうがないかも知れんが、めちゃくちゃストーリーがそのようにわざとらしいのだ。先の先まで読めちゃうストーリーになっているのがアホらしい。ロバートとジゼルとがデキちゃって、エドワード王子とナンシーがデキちゃうという最後のオチまで想定内だった。
ミュージカル仕立てになっているのもかなり鬱陶しく、ジゼルが踊りだしそうなクネクネとした手つき腰つきで芝居しているのがイラつく。それにしても、ジゼルの役にはもっと魅力的な女性を使ってちょ〜よ。あの女優さんがジゼルを演じているものだから、それだけでこの映画が台無しになってるよなぁ。脇役として出てくるエドワード王子もナサニエルも味のあるバカさで存在感を出しているのに、ジゼルのあれでブチ壊しである。
それで、最後に魔女がドラゴンに変身したのを見てズッコケたら、すぐにドラゴンがやられちゃって、再度のズッコケだ。つまらないなぁ。盛り上がっていないんだよなぁ。なんなんだろうねぇ?
それにさぁ、なんでロバートがジゼルに好意を持っちゃったのか、逆にジゼルのほうも王子ではなくなんでロバートに好意を持っちゃったのか、説明不足なんだもの。ロバートが超・現実主義者である事の表現も不足しているなぁ。だから、この映画ってものすごく消化不良な感じがする。当然、シマリスのピップの存在も邪魔なだけだ。
ってことで、こんなできそこないの映画、見てもしょうがないよ。
映画「魔法にかけられて」
http://www.disney.co.jp/movies/mahokake/
http://www.imdb.com/title/tt0461770/
映画嫌い (247)
2008年3月9日本日のカス映画は2007年の米国映画「アンダードッグ (Underdog)」である。子供向けのディズニー映画だ。動物ものコメディである。まだ日本では公開されていない。今後、日本でも劇場公開する計画があるようだが、公開時期も邦題も決まっていないようだ。ちなみに、英語の "Underdog" とは「負け犬」ってな意味である。
そのビーグル犬は警察犬として訓練されていたが、ドジで落ちこぼれな犬だった。爆弾発見に失敗して落ち込む。
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そんな時、とぼとぼと路上を歩いているビーグルはキャドという男に拉致されてしまう。キャドは悪のマッド・サイエンティスト、バーシニスター博士の手下だった。ビーグルはバーシニスター博士の動物実験用に監禁されてしまうのだった。
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ビーグルはバーシニスター博士の研究室に連れて行かれて、デカい注射をされそうになる。
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その時、ビーグルはスキを見つけて広い研究室の中を逃げまわり、倒れてきた棚の中にあった謎の液体(遺伝子操作薬)を浴びてしまう。その液体の作用で、ビーグルは驚異的なパワーを持ったスーパードッグになったのだった。ビーグルは猛スピードで研究室から脱走する。
街中を放浪していたビーグルは警備員のダン・アンガーに拾われて、彼の自宅で飼われることになる。ダンは元・警官で、妻は亡くなり、今は高校生の息子、ジャックとのふたり暮らしである。
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ビーグルはよく靴を舐めるので、シューシャイン(Shoeshine 靴磨き)という名前をつけられるのだった。
父が仕事で留守にしている時、ジャックはシューシャインの驚異的なパワーを見て驚く。更にはシューシャインと英語で会話ができる事に再度驚くのだった。
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シューシャインは怪力を持ち、超高速で走り、空をも飛べるのだ。ジャックのガールフレンドのモーリーが路上強盗にあった時、シューシャインはそのハイパーな聴力でそれを察知して現場に飛んで行き、強盗を退治してモーリーを助ける。
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正義の味方、スーパードッグの誕生だ。ジャックはシューシャインのために父の古着を使ったコスチュームを考えた。
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シューシャインは宝石店強盗を退治し、ビルに侵入しようとした泥棒も撃退し、謎のヒーロー犬「アンダードッグ」としてマスコミで報道される。
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アンダードッグの正体ははジャックとシューシャインの間だけの秘密だ。
一方、シューシャインを奪還しようとするバーシニスター博士とその手下のキャドが活動を開始した。バーシニスター博士はジャックの父、ダンを拉致して人質にするのだった。おびき出されたシューシャインはバーシニスター博士の開発した薬によってパワーを失い、普通の犬になってしまう。シューシャインのDNAから抽出した薬を使ってバーシニスター博士は悪事を始める。市長を脅し、更にはモーリーをも捕まえる。
アンダードッグはバーシニスター博士を倒して、その悪行を壊滅させる事ができるのか・・・?
犬版のスーパーマンの、それのお笑い版でしかない。バーシニスター博士とその手下のキャドのドジを笑ってあげる、いかにも子供向けの安っぽいギャグがメインなのだ。チープすぎて、私は一箇所も笑えなかったなぁ。ジャックとダンの親子関係を見せて、最後には、ダンが市長を救助した功績で警官に復職するという、いかにもディズニー映画的な無理矢理なハッピーエンドがイヤだな。
この映画の中のギャグでは、英語でのダジャレや、英語で韻を踏んでいるセリフが多いんだけれど、これってどうやって日本語字幕に翻訳するんだろうねぇ? 子供向け映画だから、日本では日本語吹替え版でも劇場公開されるかも知れないよねぇ? どんな吹替えになっちゃうのかなぁ? その点がちょっとだけ心配だなぁ。
ちなみに、シューシャインの声をやっているのはジェイソン・リー(ブルース・リーの息子)である。あの声はあまりマッチしていないよなぁ。日本語吹替え版でシューシャインの声をやるのは誰になっちゃうのかなぁ? 広川太一郎は先日死去しちゃったしなぁ。合掌。
映画「アンダードッグ」
http://www.generalworks.com/databank/movie/title4/uddog.html
http://www.imdb.com/title/tt0467110/
この映画の中で、スティックス(Styx)の曲が使われているので驚いた。あれの曲って "Lady" という曲だよなぁ。何でいまどきスティックスなのだろうか?
映画嫌い (246)
2008年3月8日本日のクソ映画は2007年の米国映画「インベージョン (The Invasion)」である。昨年(2007年)の10月後半に日本でも劇場公開されていたようだ。
宇宙から帰還するスペースシャトルが大気圏突入時に事故を起こし、機体がバラバラになってしまう。機体の破片が米国の広い地域に落下した。その破片は宇宙からやってきた未知のウィルスに汚染されていたのだ。破片に触れた人が次々にウィルスに感染する。更に人から人へと感染して広がる。そのウィルスに感染した者は睡眠を取ると発病し、別人格になって不可解な集団行動をとるようになるのだ。
主人公は精神科の女医、キャロル・ベネルだ。
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息子のオリバーとふたり暮らしをしている。
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キャロルの元夫であるタッカーがオリバーと会いたがって、キャロルに電話をしてきた。
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キャロルは気が進まなかったが、オリバーをタッカーの家に数日間宿泊させるつもりで送り届ける。
タッカーはCDC(米国疾病予防管理センター)の感染症対策の要職にある。スペースシャトルのバラバラ墜落事故が起きたので、タッカーが先頭に立って破片が未知のウィルスに感染していないか調査をしていた。ところが、ある一般人が「屋根の上に落ちていたの」と言って彼に手渡たそうとした破片にうっかり触れてしまい、彼もウィルスに感染していたのだった。
一方、キャロルは彼氏である医師のベンの協力で未知のウィルスの手がかりを得ていた。
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ウィルスに感染した後に眠ると発病する事もわかり、オリバーが免疫を持っている事も判明した。しかし、次第に感染者が増加し、街は感染者に占領されてしまう。キャロルはオリバーを奪還する為にタッカーの家に向かうが、感染者たちがキャロルを襲ってくる。感染者の体液に触れてしまったキャロルは感染してしまう。眠らなきゃ発病しないので、キャロルは眠らずにオリバーの救出に向かう。ところがキャロルに協力していたベンもいつのまにか感染して発病し、キャロルを襲ってきたのだった。
キャロルははオリバーを救出できるのか?
感染者から無事に逃げて、オリバーが持つ免疫からワクチンを作ることができるのか?
眠ってはいけない・・・、眠ってはいけない・・・。
これもよくある細菌感染ゾンビ映画である。免疫で解決する為の逃亡劇になって・・・と、ありがちの内容なのだ。この手の映画があふれている今、なんでこんな映画を作っちゃったのか、すっごく疑問である。新しいものは何も感じられない。しょうもないクソ映画なのである。案の定、ベンも感染しちゃって、それでキャロルの前に現われて・・・って、そんな事、誰でも予想しちゃうってば。だから、めちゃくちゃつまらない。こんなの見る価値なんかありゃしない。
この映画の原作はジャック・フィニイ著の1955年のSF小説「盗まれた街」だ。今までに何度か映画化されている。映画化されたそれぞれのやつは、その時の時代を反映したような描き方になっているのが興味深い。最初に映画化された時は「赤狩り」というテーマ(最近の若い人は「赤狩り」って何だかわからんそうだ)を持ち込んだものになっていた。1978年に「SF ボディ・スナッチャー」のタイトルで映画化された時のあれも、いかにも70年代後半という時代を感じさせるものになっていた。それらの映画の共通しているのは、どれもがB級以下の臭いがプンプンする香ばしい映画だったって事だ。今回のこれも現代風にリストラクチャーされてはいるものの、結局のところは基本が細菌感染ゾンビ映画でしかない。それ以上の物は何もないのだ。
ちなみに、キャロルを演じているのはニコール・キッドマンで、ベンを演じているのがダニエル・クレイグである。
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そう、映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のコールター夫人とアスリエル卿のコンビ(実はライラの母と父)だね。
映画「インベージョン」
http://wwws.warnerbros.co.jp/theinvasion/
http://www.imdb.com/title/tt0427392/
冒頭のスペースシャトルが粉々になって墜落するシーンでは、2003年に実際に同様の事故が起きたコロンビア号のビデオを利用している。でもさぁ、宇宙からウィルスがやってくる事にする為に、別にスペースシャトルを墜落させなくても良かったんじゃないかなぁ?と思うのは私だけであるまい。
映画嫌い (245)
2008年3月7日本日のクソ映画は2006年の米国映画「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」である。肉弾って言っても、あっちの肉弾ではなく、こっちの肉弾だ。全国の肉弾ファンの皆さん、残念でした。原題は "The Marine" で、これは「海兵隊」ってな意味なんだけど、なんで邦題が「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」ってのになっちゃうわけ?
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「海兵隊」っていうタイトルもへんだ。だって、海兵隊の活躍を描いた映画じゃないんだもの。主人公が元・海兵隊だっていうだけじゃんか。
この映画はちょうど1年前に日本でも劇場公開されていたようだ。
主人公のジョン・トライトンは海兵隊の隊員だ。正義感が強く真面目な男だ。イラクで捕虜となった米兵を救出する作戦でジョンは敵地に派兵された。あやうく人質が殺されそうになった時、指令部の命令を無視してジョンはその場に突入し、人質を救出して敵を全滅させる。彼は英雄になったが、命令無視が軍法に触れて除隊処分となってしまうのだった。
米国の故郷に帰ったジョンは妻のケイトとの静かな生活を始める。ジョンは再就職でビルの警備員になったが、その強い正義感から問題を起こし、すぐにクビになってしまった。落ち込むジョン。
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ジョンを慰める為、ケイトはジョンを旅行に誘う。
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ところが、その旅の途中で、逃走中の5人組のダイアモンド強盗団に遭遇し、それに巻き込まれてしまう。そしてケイトは強盗団に誘拐されてしまうのだった。
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これでジョンの海兵隊あがりの戦闘意識と正義感が爆裂噴火した。ジョンはケイト奪還の為に野獣になって決死の追跡を行なう。極悪非道の強盗団からジョンはケイトを取り戻すことができるのか・・・?
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いわゆるアレだよ、シュワルツェネガーとか、スタローンとか、ヴァンタムあたりが主演でやりそうなやつ。マッチョ男が家族の為に敵に体当たりして勝利するっていうありがちなやつだ。この映画もそのようなタイプの映画のありきたりな域を出ていない平凡な内容なのだ。肉弾戦も大した事がない。これのどこがいったい「肉弾凶器」なんだよぉ?ってな感じなのだ。ハデなだけの爆発シーンがわざとらしくて失笑だ。アクションのハードさが足りないだけでなく、ジョンの人間性の表現も足りない。それに、時々出てくるお笑いシーンにもシラケ鳥が飛びまくっているのが痛い。だから、情けないほどにすごくつまらないのだ。
主人公のジョンを演じているのはジョン・シナ(John Cena)という名前のプロレスラーで、これが映画初出演らしい。私はプロレスには全く興味ない(それどころかバカにしている)ので、彼がプロレス界でどのような活躍をしている人なのかは知らない。スタローンも映画界から引退し、シュワルツェネガーも州知事になって映画から引退状態の今となっては、この手の映画のヒーロー役としてはまずますかな。でも、新たなアクション・スターの誕生!ってなインパクトはないから、可もなく不可もなく・・・だな。
強盗団の冷酷なリーダー、ロームを演じているのはロバート・パトリック(Robert Patrick)だ。「ターミネーター 2」で液体金属ボディの新型ターミネーターの役をやっていた男だ。年とったねぇ(現在49歳、ターミネーターの時は32歳)。この人、最近では前述の映画「テラビシアにかける橋」で主人公の父親の役もやっていたよねぇ。
強盗団が執拗にジョンに追われて逃げる最中に、強盗団の中のひとりがジョンの事を「まるでターミネーターだな」とボヤいて、その瞬間にロームの顔のアップになるシーンがあるんだけれど、これって、そこで笑えって事なのだろうか?
それにしてもロームの撃つ拳銃はヘンテコだ。オートマチックを使っているんだけれど、連続して発射している弾の数がカートリッジの中に入り切る弾の数をはるかに越えている。非科学的だなぁ。それくらいの計算、ちゃんとやれよ。
映画「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/139688
http://www.imdb.com/title/tt0419946/
映画嫌い (244)
2008年3月5日本日のクソ映画は2008年の米国映画「ジャンパー (Jumper)」である。脱力もののヘタレ映画である。今週の週末から日本でも劇場公開されるようだから、今後、この映画を見ようと思っている人は以下を読まないように。
何も取りえのない地味で平凡な15歳のディヴィッド・ライスが主人公だ。ディヴィッドが5歳の時に母親は家を出て、その後、父親とふたり暮しだ。ディヴィッドと父親の関係は険悪だった。学校ではライス・ボール(おにぎり)のアダ名でイジメられている。
ある冬の日、表面に氷の張った川をディヴィッドが歩いていると、氷が割れて氷の下に落ち、ディヴィッドは川に流されてしまう。氷の下で呼吸ができなくてもがいていると、ディヴィッドのいる場所が突然と街の図書館の中に移動していた。それがディヴィッドの初めてのテレポート(瞬間移動)の体験だった。それ以来、無意識のうちにディヴィッドはテレポートを繰り返すようになる。
ディヴィッドはその能力で何か新しい自分の人生がスタートするのではないかと思い、家出をして、テレポートをコントロールする訓練を重ねる。そして、思った所へ自由にテレポートすることができるようになると、ディヴィッドは銀行の地下金庫の中にテレポートし、大金を盗んでくるのだった。これで世界は彼のものになった。好きな所へテレポートし、好きな物を手に入れることができるのだ。
そして8年が経過した。成長したディヴィッドはニューヨークの高級マンションに住んでいた。
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ディヴィッドは気の向くままフィージーにテレポートしてサーフィンを楽しみ、エジプトのスフィンクスの頭の上にテレポートしてそこでランチを食べたり・・・。
ある日、ディヴィッドがマンションの自室に帰ると、そこにはローランドという白髪の黒人がいた。
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ローランドはディヴィッドのテレポート能力も、ディヴィッドが銀行の金庫にテレポートして金を盗んだ事も知っていたのだ。ローランドはディヴィッドを襲う。電気ショックを与えるスタンガンのような仕掛けが先に付いている杖でディヴィッドを攻撃する。電気ショックを受けるとテレポートできなくなるのだ。ディヴィッドは何度も電気ショックを受けながらも、なんとかテレポートしてその場から逃れた。それ以降、ローランドは執拗にディヴィッドを追う。
逃亡しようと思ったディヴィッドは故郷の街に帰り、かつての同級生だったガールフレンドのミリーを旅行に誘う。
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事情を知らないままミリーはディヴィッドに同行してイタリアのローマへ。ふたりはローマ旅行を満喫する。
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ローマのコロッセオ(コロシアム)を観光している時、ディヴィッドがひとりになると、そこに同じテレポート能力を持った青年、グリフィンが現われてディヴィッドに声をかけてきた。ちょうどその時、ローランドの仲間の刺客も現われた。ディヴィッドとグリフィンのふたりは、奴らの攻撃をかわしながら逃げる。グリフィンが言うには、奴らはテレポート能力を持った人間「ジャンパー」を狩っている「パーデンツ(パラディン)」という組織の人間らしい。
ディヴィッドとグリフィンは仲間割れをしながらもパラディンの執拗な追跡を逃れるが、パラディンはミリーを狙ってきた。ディヴィッドはミリーを助ける為に、奴らの「ジャンパー狩り」に対抗して、「パラディン狩り」をしようとする。そしてジャンパーとパラディンの対決が・・・。
(中略)
ディヴィッドはローランドを引き連れて脱出不可能な場所にテレポートする。そしてその場にローランドを置き去りにしてディヴィッドだけがテレポートして戻ってきた。これで勝負はついたのだった。呆然とするローランド。戦いは終わった。
その後、ディヴィッドは母親が暮らしている家を探し出して訪問する。そしてある事実を母親から知らされるのだった。そして母親はディヴィッドを抱きしめる。
その家を出たディヴィッドはミリーの手を握ってどこかに一緒にテレポートするのだった。
おしまい。
つまらんねぇ。薄いねぇ。ヘタレだねぇ。映画「スパイダーマン」に似たテイストがするアホらしいだけのクソ映画なのだ。
まず、なぜに「パラディン」なる組織が「ジャンパー狩り」をやっているのか何ら説明がない。それに、なんでグリフィンがパラディンの情報を持っていたのかも不明だ。更には、パラディンがどうやってディヴィッドの事をジャンパーだと見抜いて発見できたのかも説明されていない。また、パラディンがジャンパー本人だけではなく、家族や友人・知人まで手にかけている理由も説明なし。そのような合理的な説明のない箇所が多いので、めちゃくちゃ薄く感じるのだ。パラディンの非道さの表現も不足しているから、ちゃんちゃらおかしいぞぉ。パラディンの使う武器もあれじゃセコいよなぁ。
ジャンパーとパラディンの対決のシーンも薄いねぇ。全く盛り上がらすに萎んじゃっているもの。前半の対決のハイライトはローマのコロッセオでのシーンで、世界遺産のこの場での撮影にはかなり苦労しただろうに、対決の見せ方が全然なっておらん。最後の対決シーンでは、やたらとあちこちに短い間隔でテレポートするのを繰り返すものだから、もぅゴチャゴチャになっているのである。暴走のしすぎで見ていると頭がクラクラしてくるぞ。それに、パラディンとの対決のシーンよりも、ディヴィッドとグリフィンの仲間割れでテレポートしまくるシーンのほうが面白いじゃないか。あぁ〜、アホくさぁ〜!
ちなみに、ディヴィッドとグリフィンのふたりはテレポートして東京にもやってきて、渋谷駅前のシーンなんかもあるんだけれど、あれもなんだかなぁ?
それにしても邪魔なのがミリーだ。このような映画で色恋事なんか見たいとは思わないぞ。そんなの見せてもしょうがないじゃないか。色恋事を映画で見たい奴はこの映画じゃなくて「マイ・ブルーベリー・ナイツ」を見に行くだろ。それなのに、ディヴィッドとミリーの関係がストーリーの基幹にあるものだから、もぅ、ミリーが邪魔で邪魔で、見ているとイライラしてくる。「スパイダーマン」におけるヒロイン・MJに対してのあれ同様に、ヒロインに対してのささやかなる殺意が芽生えてくるような気がするのは私だけであるまい。
でさぁ、ラストはディヴィッドが母親を訪問するシーンでしょ。母親もジャンパーで、遺伝してディヴィッドもジャンパーだったんじゃないの?とか、母親が家出したのはパラディンからの逃亡かね?と予想していたんだけど、これはハズレだった。ここだけがちょっとしたサプライズ。でも、とほほなサプライズだな。だって、実は母親はパラディンだったのだ!というシラけるオチなんだもの。5歳の時のディヴィッドがテレポートしたのを見て驚愕した母親は、ディヴィッドを殺すか、あるいはディヴィッドを捨てるしかなかった・・・という事情だったのだ。とほほ。
でも、これって矛盾してないかなぁ? ディヴィッドがローマで警察に拘束された時、ディヴィッドの前に母親が現われて逃亡を指示しているじゃないか。まさか母親は飛行機でローマに行って、警備の目を盗んで警察の中に侵入したわけじゃなかろう。母親自身もジャンパーじゃないのかねぇ? パラディンの中にジャンパーがいてもいいのかねぇ? まるでバードウォッチングの会に鳥が入会しているようなものだよなぁと思うのは私だけであるまい。母親もジャンパーだという私の予想は当たっていたわけだな。
もしかしてこの映画も続編が作られるのかなぁ? パラディンとの新たな戦いが始まる!ってな内容で続編が作れそうな終わり方なんだもの。
ってことで、こんなヘタレな映画は絶対に見るんじゃないよ!
映画「ジャンパー」
http://movies.foxjapan.com/jumper/
http://www.imdb.com/title/tt0489099/
テレポートするたびに、ドサッと落ちる音がするのも極めて不快だ。まるで中身の入った死体袋を高さ2メートルから落としたような音なんだもの。
ちなみに、若き日のミリーを演じていたのは、前述の映画「テラビシアにかける橋」にレズリーの役で死んでいたアンナソフィア・ロブ(現在14才)だね。
それでさぁ、結局は主人公のこいつは悪人なんだもの。銀行から泥棒するような最低な輩なのに、なんでそれを知ったミリーはこいつに見切りをつけないんだ? 母親もなんでこいつを叱咤しないんだ? こいつらみんな、人間のクズだな。
当会はこいつらを抹殺するパラディンを応援する。
閉鎖嫌い
2008年3月4日閉鎖しました。
札幌の澄川にあったネットカフェ「エアーズカフェ 澄川店」が。札幌の地下鉄「澄川」駅の前にある郵便局の2階にあった店だ。あの店がオープンしたのは、去年の春頃じゃなかったっけ? 1年もたたずに潰れちゃったんだねぇ。
私は一度だけあの店を利用したことがあるんだけど、他に客が誰もいなくて閑古鳥状態だった。パソコンのスペックが低すぎて使いものにならなかったのも凄かったよなぁ。今どき、あんな低スペックなやつを使わせて金を取るってのは詐欺のようなものだ。マンガ、雑誌の数も少なすぎで、フリードリンクのメニューも少なすぎ。あれじゃ誰も利用したいとは思わないだろ。閉鎖は当然の成り行きだな。
これで「エアーズカフェ」は北海道で全滅。北海道から完全撤退だな。
錆びれる我が街、澄川!・・・恐るべし・・・。
エアーズカフェ
http://www.airscafe.com
私の趣味なのではないが、私は札幌のネットカフェめぐりをやっている。市内にあるネットカフェはほぼすべて利用した経験がある。新店舗のオープンの情報が入ると、市内であれば遠くにあってもとりあえす行って利用してみる。それぞれの店で特色があって面白い。私が比較のポイントとしているのは、パソコンのスペックとその安定度、そしてネットの回線速度である。たとえば、ネットカフェのパソコンから自宅のパソコンにftpで接続して、DVD1枚のデータ(4.3GB相当)をダウンロードして、それをDVD-Rに焼いてみるという一連の行為をやってみると、その速度、安定度、利便性が店によってかなり違っていることがよくわかる。1時間かけても1GBぶんのデータさえもダウンロードできないショボい回線の論外な店もあるし、今どきDVD-Rへの書込みのできないクソ・パソコンを置いてある店まである。ダウンロード中に突然と落ちてしまうバカ・パソコン、ハードディクス・エラーのメッセージが何度も表示されて収拾のつかなくなるアホ・パソコンを使わせている酷い店まである。
もっともバカな店だったのは「自遊空間 札幌南2条店」だった。市内には「自遊空間」のチェーン店はいくつかあるのだが、それらの店はフランチャイズ制らしく、店舗によってかなり違いがあるのだ。フリードリンクの種類は店舗ごとに違っているし、なぜだか同じフードなのに料金が違っている店もある。「自遊空間」の店舗はすべて悪いというのではない。だが、「自遊空間 札幌南2条店」は札幌市内の中では最低のネットカフェなのだと断言しよう。
以前、「自遊空間 札幌南2条店」に入店した時の話である。ftpで自宅のパソコンに接続していたところ、突然と店員がノックもせずに私の個室に入ってきて、「P2Pを使っていませんか?」と言って、私の使っているパソコンの画面を勝手にのぞきこむのである。随分と失礼な奴だ。私はWinnyなどのP2Pには興味がないし、実際には使ったこともなく、その時も勿論使っていなかったから「使ってない」と言ったのに、奴は私を疑うのである。奴に画面を見せて、ブラウザからftpでダウンロードしているだけである事を教えてやると、ftpがダメだと言うのだ。なぜにダメなのか質問したが、奴はちゃんと理由を答えないのである。ftpはP2Pではない。ftpはhttpと同様にネット接続プロトコルの基本中の基本である。ftpがダメだだとは、ネットカフェでhttpを使っちゃダメってな事を言っているのと同じようなバカな事を言っているのだ。ftpでネットの回線がおかしくなったり、へんな負荷がかかって他の接続パソコンに影響を与えたりすることはありえない。私もコンピュータに関しては元プロのはしくれで、そのへんの知識ではプロのシステム・エンジニアにも負けないぞ。その店の規模くらいのネットワーク構築ならば私は自分で設計できるし、ハードウェア的にもソフトウェア的にも全ての設定もできるぞ。だから、もう一度質問してみた「なぜftpがダメなのか?」と。続けて、「では、ftpって何なのか説明してごらん?」と質問もしてみた。奴はどちらにも答えないのである。ただ「ftpはダメです」と言うだけ。こいつ、ftpって何なのかも知らず、ftpがP2Pだと思い込んでいるのだ。しまいには、私に「一度パソコンを落としてください」とまで言う。なんなんだこいつ? こんなバカな店は絶対に利用するな!
ちなみに、この店はフリードリンクのカップの洗い方がいいかげんで、前に飲んだ人のココアの残りカスがカップの底に付着して残っていることなどがよくある。非衛生的で何も飲めない状態なのだ。こんな店は絶対に利用するな!
当会は「自遊空間 札幌南2条店」をデス・ネットカフェと認定する。
次にバカな店は、ススキノにある「ポパイ」だ。
この店も絶対に利用しないように。
理由を知りたい方はリクエストをどうぞ。
久々にまとめておこう。詳細は過去ログを参照のこと。
(1) 絶対に行ってはいけない札幌のラーメン屋は「味の三平」
(2) 絶対に行ってはいけない札幌の寿司屋は「すし善」
(3) 絶対に行ってはいけない札幌の焼肉屋は「高麗亭」
(4) 絶対に利用してはいけないピザ屋は「ピザ・ハット」
そして今回の追加情報で、
(5) 絶対に利用してはいけない札幌のネットカフェは「自遊空間 札幌南2条店」と「ポパイ」
札幌のデス店情報、つづく。
映画嫌い (243)
2008年3月3日本日のクソ映画は2008年の米国映画「ランボー 最後の戦場 (John Rambo)」である。日本でも人気が高い「ランボー」シリーズの4作目だ。これが最終作なんだそうだ。主演は毎度のシルヴェスタ・スタローンで、彼が監督・脚本も担当している。彼は既に「ロッキー」シリーズの最終作を昨年に公開しており、今回の「ランボー」の最終作をもって映画界から引退するようだ。還暦過ぎて今は61歳の彼だから、これ以上、ロッキーもランボーも演じられないだろう。
この映画は、日本では今年の5月24日より劇場公開される予定があるそうだ。ってことで、今後にこの映画を見る予定の人は以下を読まないこと。これは命令である。これは訓練ではない。
今回の舞台はビルマである。セリフの中では何度も「ビルマ」と呼ばれているが。ビルマの現在の国名は「ミャンマー」である。軍部のクーデターにより誕生した軍事政権の国だ。国名も軍事政権によってミャンマーに変えられている。この映画で「ビルマ」と名指しをされているのは、そのような軍部独裁国家への批判を映画でやっているつもりなんだろう。軍隊に子供が撃たれたり、爆弾で体がバラバラになったりの残酷シーンが多いものねぇ。そんなシーンが問題となり、各国でR-15指定されちゃっていたわけだ。
主人公のジョン・ランボーはタイの山奥の村で暮らしていた。エンジンの付いた小型のボートに乗って川を移動し、弓を討ってで魚を捕まえ、ジャングルの中ではコブラなどの蛇を捕まえ、それを業者に売って生計を。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/JohnRambo1.jpg
隣国のビルマでは軍事政権による圧政が続き、軍隊は反政府ゲリラを次々に虐殺していく。村は焼かれ、女性は性的暴行され、男は銃で撃たれ、爆弾でバラバラにされる。混乱で多くの難民が出るのだった。
米国コロラド州の教会から派遣されたボランティアの医師団がランボーを訪問してきた。川の上流にあるビルマのカレン族の村に行って、医療奉仕活動をするのが目的だとリーダーのマイケルが言う。そして、ランボーに川の上流までボートで連れていってほしいと依頼するのだった。軍事政権の厳しい監視のある地域へ武器を持たずに侵入しようとする彼らを、不愛想なランボーは相手にしなかった。医師団の紅一点のサラが何度もランボーに懇願する。
ランボーが操縦するボートに医師団は乗って上流を目指す。(なぜにランボーが同意したのかは説明なし)
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/JohnRambo2.jpg
国境を越えて夜になった時に、ビルマの海賊から襲撃されそうになるが、ランボーは海賊の銃を奪って反撃し、海賊全員を射殺する。翌朝にはボートは目的地の近くに到達し、医師団はそこで降りて陸路を進み、ランボーはひとり、ボートで自分の暮らす村に引き返すのだった。
ところが、医師団が到達して医療活動している村を、ビルマの軍隊が攻撃してきたのだ。マシンガンが撃たれ、爆弾が炸裂し、火炎放射器で焼かれて村は壊滅状態になる。マイケル、サラらは生き残ったが軍隊に拉致監禁されてしまう。
米国コロラド州の教会からの使者がランボーを訪問してきた。ランボーの経歴を知っている男だ。医師団が予定日になっても帰ってこないと彼は言う。反政府ゲリラからの情報では医師団が捕虜にされているらしい。彼は医師団救出作戦への協力をランボーに依頼してきた。そして、ガラの悪い米国人の傭兵たちをボートに乗せて、ランボーのボートは再び上流を目指す。
(中略)
捕虜となった医師団の救出に成功し、敵の部隊を壊滅させたランボー。彼は故郷のアメリカに帰るのだった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/JohnRambo3.jpg
おしまい。
薄っぺらな映画だなぁ。中身が薄くてペラペラだ。映画の本編の長さが約80分と短いしなぁ。始めの部分を見ただけで、あぁこの映画は医師団の救出劇になっちゃうんだなぁ・・・とわかっちゃうし、その後のストーリーもほぼ想像通りだ。サプライズが何もないし、ぜんぜん盛り上がりもない。
それに、老いたランボーはもはや人間凶器じゃないのだ。ランボーのハデなアクション・シーンもなく、マシンガンでダ・ダ・ダ・ダ・・・と撃って敵を倒しちゃうくらいのもの。つまらんよなぁ。
なんで医師団をボートを乗せる決意をしたのか、なんで救出作戦の手助けをする決意をしたのかの説明がちゃんとされていないのもヘンテコだ。
最後にランボーが故郷のアメリカに帰るって、いったい何の意味があるのかもわからん。何なんだこりゃ?
こ〜いう映画は見る価値なし。絶対に見るんじゃないよ。
映画「ランボー 最後の戦場」
http://rambo.gyao.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0462499/
「ランボー」の1作目が公開されたのは今から26年前の1982年である。「ロス疑惑」騒動のちょい前くらい(ロス銃撃事件の発生は27年前の1981年)だな。「ランボー」の米国での原題は当時は "First Blood" だった。「初めての血」という赤飯もののあっちのほうの意味ではなく、「どちらが先に仕掛けたか?」ってな意味のタイトルだった。「ランボー」のタイトルで公開されたのは日本、西ドイツなどの一部の国だけだったが、日本で大ヒットしちゃったものだから、本国の米国でもタイトルが "Rambo" に代えられちゃったのだ。
その後、続編として2作目、3作目が作られているのは周知の通りで、それらのタイトルも "Rambo 2"、"Rambo 3" だったり "First Blood Part II" だったりと、かなり紛らわしいことになっている。「3」は日本では「怒りのアフガン」のサブタイトルが付けられてしまっていたしなぁ。
それで、今回の最終作であるが、タイトルが "Rambo 4" になるとか、"First Blood 4" になるとか、いろいろと噂があって、"In the Serpent’s Eye", "To Hell and Back", "End of Peace", "Pearl of the Cobra" などのサブタイトルの候補もあがっていたようだが、「ロッキー」の最終作のタイトルが主人公の名前である "Rocky Balboa"(日本ではなぜか「ロッキー・ザ・ファイナル」のタイトル)だった事に合わせて、これのタイトルも主人公の名前である "John Rambo" に決まったらしい。
映画嫌い (242)
2008年3月2日本日のクソ映画は2008年の米国映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ (My Blueberry Nights)」である。私、ブルーベリー(年齢不詳・職業不詳)の夜の私生活を描いた映画・・・なわけがない。
この映画は3月22日から日本で劇場公開予定らしい。今後、この映画を見る予定の人は、以下を読むではない。
ニューヨークに住むエリザベスが主人公だ。エリザベスは失恋した。悲しむエリザベスを優しく慰めたのはカフェのオーナー、ジェレミーの手作りのブルーベリー・パイだった。
傷心のエリザベスは旅に出る。旅先で自分を見つめ直し、旅での出来事と心境をそのつどジェレミーに手紙に書いて送るのだった。
エリザベスがメンフィスで出合ったのは、去った妻のことが忘れられない男とその妻だった。ラスベガスで出合ったのは女性ギャンブラーだった。旅先での2つの愛の物語がエリザベスに教えたものとは・・・。
退屈な映画だねぇ。陳腐なできそこないのおとぎ話だな。ストーリーがナンセンスなんだもの。なんだかヒロイン・エリザベスの心境が伝わってこないんだよなぁ。これって女性向けの癒しの映画なんかねぇ? 出演してくる3人の女性のいずれかに自分を重ねながら観る女性観客っているんだろうなぁ。女性からは好意的に見られる映画だろうなぁ。
エリザベスを演じているのはノラ・ジョーンズで、人気の高い女性シンガーだからそれだけでも注目を浴びるだろうけれど、エリザベス役には向いていないだろ。彼女が主役ということで、随分とこの映画は損をしちゃっているなぁ。(私はシンガーとしてのノラ・ジョーンズも好きじゃないしぃ・・・)
映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
http://www.blueberry-movie.com/
ちなみに、エリザベスがラスベガスで出合う女性ギャンブラーの役を演じているのは、前述のナタリー・ポートマンだ。相変わらず胸がペッタンコだ。映画「レオン」のマチルダ役の頃と変わらないペッタンコが凄いよなぁ・・・と思うのは私だけであるまい。
映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」でライラ役だったダコタ・ブルー・リチャーズとか、映画「テラビシアにかける橋」でレズリー役だったアンナソフィア・ロブなんかも今のままペッタンコでオトナになっちゃうんじゃないかなぁ?とその姿を想像しちゃうのは私だけであるまい。