映画嫌い (192)
2007年7月28日本日のクズ映画は2007年の邦画「サイドカーに犬」である。
またしても私が大嫌いな邦画である。原作は長嶋有だな。
犬をサイドカーに乗せて、自分探しの旅に出る・・・、ってな話ではない。タイトルとストーリーは無関係なのだ。サイドカーがちょっとだけ出てくるシーンはあるけれど、サイドカーも犬も、ストーリーとは何ら関連もなく意味をなしていない。そのあたりからして、果てしなきクズ映画の世界なのである。
主人公は不動産屋に勤務する近藤カオル、29才。20年前の、彼女が小学生の頃のひと夏の出来事を回想するという内容だ。
小学生のカオルは父、母、弟のトオルとの4人暮らしだったが、ある夏、突然、母が家を出てしまった。そんな所に、家事を手伝う謎の女性、ヨウコがやってきた。ヨウコは父の知り合いだと言う。ヨウコは毎日、自転車で通ってきて、食事を作り、カオル、トオルとも仲良く遊ぶ。カオルには自転車の乗り方を教えたり、一緒にバスに乗って海へ遊びに行ったリして、カオルはヨウコを慕う。それがひと夏の出来事。
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ただそれだけだ。ろくなストーリーなんかありゃしないのだ。このまったりしたストーリーがどのように発展して行くんだろう?と見ていても、結局は何も起こらずにおしまい。起承転結ってものがないのである。オチも何もない。映画全編が意味のない時間稼ぎシーンの切り貼り状態。見るのは時間の無駄。しょーもないクソ映画だ。母親が帰ってきたオシマイ。単にそれだけ。記憶に残るシーンがほとんどない。典型的な無意味なバカ邦画だ。こ〜いう映画を作っちゃうって、頭おかしいんぢゃねぇのぉ?
で、カオルが小学生の頃のその時代を舞台にしている映画なんだけれど、その時代っていったいいつなの?と考えてしまう。カオルが29才だってのがそもそもいつの話なんだ? 仮に現在(2007年)の年齢が29才だとして、それから20年前のカオルが9才の時の出来事だと仮定すると、舞台は1987年ってなところか? そうだとしても、時代考証がかなり杜撰で、1980年代後半のシーンには見えないんだよなぁ。テレビ・ゲームの「パックマン」が出てきたり、テレビのプロ野球放送の中にジャイアンツの江川投手が映っているシーンがあったり、「ガン・プラ」が出てくるシーンもあったり、缶ジュースの自販機での価格が100円だったり、部屋に置いてある電話器が「電電公社」時代の懐かしい薄緑色のプッシュホンだったり、パトカーのサイレンが「ウ−・ウ−」だったり、・・・と、色々な時代のものが混在して、時代がハチャメチャなのである。う〜ん、この世界って、いったい西暦何年の東京なんだろぅ??
映画「サイドカーに犬」
http://sidecar-movie.jp/
映画嫌い (191)
2007年7月27日本日のクズ映画は2007年の邦画「ドルフィン・ブルー」である。サブ・タイトルが「フジ、もういちど宙へ」だ。「宙」と書いて「そら」と読まなければならないそうだ。余計なお世話である。
岩貞るみこ著「もういちど宙へ」をベースにした実話の映画化である。
沖縄チュラウミ水族館に赴任してきた獣医の上村一也が主人公である。
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上村はイルカ・ショーのイルカの飼育と健康管理を担当することになった。20頭のイルカの面倒を見る忙しい毎日だ。そんな中、フジという名前のイルカが原因不明の感染症にかかり、尾ヒレが先端部分から壊死してきたのだ。フジの命を救う為に、壊死した尾ヒレの部分を切断しなくてはならない。
フジは泳げなくなるかも知らないが、フジの命を救うためだ・・・と、切断手術が行なわれた。
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その後、フジの体調は元に戻り、感染症の心配はなくなったが、尾ヒレを失っている為に、フジは泳ぐことができない。水の上に浮かんでいるだけだった。
泳げないフジを遠くから見守る、近所に住んでいる謎の子供、ミチル。
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ミチルは心に傷を持った子供だった。
上村はフジにゴム製の人工の尾ヒレを装着させるという案を持って、東京のブリジストン本社を訪問する。そして、ブリジストンの協力で、世界初のイルカ用人工尾ヒレの開発が始まった。失敗と改良を重ねて、遂にはフジは人工尾ヒレでジャンプできるようになる。
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イルカを救うという美しい実話に見える人もいるだろうが、なんだかボケちゃっているんだよなぁ。イルカを水族館の狭い水槽に拉致監禁しておいて、イルカ・ショーだなんて動物虐待に近い行為をやって、それでいてイルカを救うだなんて、人間の傲慢さ丸出しじゃないか。こんなエセ・ヒューマニズムには吐き気がするぞ。
この映画にも、邦画では毎度毎度の、ストーリーとは無関係の時間稼ぎ用の意味のないシーンがいっぱいあって、メインのストーリーが貧弱なものだから、ますます貧弱さと散漫さが増幅されちゃっているのだ。冒頭で上村が自転車で走るシーンを5分弱も見せられちゃうんだけれど、これ、何も意味のないシーンでしょ。上村の彼女との事も出てくるんだけれど、これも何も意味がない。全部、バッサリとカットしちゃったほうがスッキリするのになぁ。謎の子供、ミチルの件もストーリー上、何の意味もない。これも全部カットすべきだな。
そんな無駄なシーンが多いくせに、イルカ飼育員の苦労についてはすごい描写不足なのだ。パワーの配分のミスだぞ。人工尾ヒレを装着したら泳いだ、ジャンプした、単にそれだけにしか見えないんだもの。上村とイルカとの関係ではなくて、上村と飼育員のつまらない人間関係のほうを見せちゃっているしなぁ。そんなつまらないものを見せる必要なんかどこにもないってば。
で、それまで男なのか女なのか微妙に見えていた性別不明のミチルが、最後のほうのお別れシーンで、花柄のワンピースを着ていた。あぁ、ミチルって女の子だったんだぁ・・・とここで判明。
それでも、男の子がワンピースを着て、そっちの世界にはまっちゃっているあぶない子供・・・に見えてしまうのは、私だけであるまい。
最もこの映画で物足りなく見えるのは、ブリジストン側の開発に関する苦労話が見えてこないってことだ。イルカの尾ヒレをゴムで制作するなんて前例もないだろうから、材質的・強度的にも研究の余地は多大にあっただろうし、水の抵抗を流体力学的に研究する必要もあっただろう。そのようなノウハウの蓄積、研究開発には莫大な時間と費用がかかったであろうし、開発担当者が沖縄を訪問したりして、旅費・人件費もかなりのものだろう。そのようなブリジストン側の問題とその解決がほとんど見えてこないのである。
それにしても、みんな、演技がヘタだよなぁ(館長以外)。演技がヘタな上に、人物描写が貧弱なものだから、こ〜いう映画って、誰にも感情移入できないのだ。他人事にしか見えない、そ〜いうクズ映画なのさ。だから私は邦画が大嫌いだ。
映画「ドルフィン・ブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」
http://www.dolphin-blue.com/
映画嫌い (190)
2007年7月9日本日のクズ映画は2007年の米国映画「ダイ・ハード 4.0 (Die Hard 4.0)」である。
今回の敵はコンピュータ・ネットワークを使うサイバー・テロ集団だ。
サイバー・テロ集団はソフトウェア会社の名を語って米国のハッカーたちに協力を要請してきた。セキュリティ・システムのテストという名目で、ネットワークのセキュリティを破ってシステムに侵入できたら賞金だと言う。それに応じたハッカーはシステムへ接続する手法とパスワードを解析し、システムへの侵入に成功する。しかし、それは、セキュリティ・システムのテストではなく、実際の各種の公的システムへの侵入だったのだ。侵入に成功したハッカーたちが次々にそのテロ集団に抹殺され、システムへの侵入方法はテロ集団の手の中に。
ハッカーたちが解析した侵入方法を使って、サイバー・テロ集団はワシントンにあるFBI本部の情報システムに侵入してきた。外部からのシステムへの侵入を察知したFBI本部は、ブラックリストにある全米のハッカー1000人全員を逮捕するように指示するのだった。FBIから各地の警察にも協力が要請される。離婚して娘・ルーシーとの関係もよろしくないニューヨーク市警の刑事・ジョン・マクレーンにも市警察から指示が来た。ニュー・ジャージ−に住んでいるハッカー、マシュー・ファレルを確保して、ワシントンのFBI本部に連行せよ!と。それがマクレーンにとっての今回の災難の始まりだった。マクレーンがファレルの自宅を訪問したところ、刺客たちがファレルを抹殺しにやってきたのだ。武装した殺しのプロだ。そして、激しい銃撃戦となる。なんとかその場を逃れたマクレーンとファレルは、わけがわからないまま、車でワシントンのFBI本部へ向かう。
翌朝、テロ集団はサイバー・テロを仕掛けてきた。まず、交通関係のシステムに侵入してきたのだ。鉄道システムがダウンし、航空局管制システムもダウンする。これで鉄道も航空機もマヒ状態だ。更にはワシントンの市交通局のシステムに侵入して、信号や道路標識を操作・混乱させた。全ての交差点の信号が青になって衝突事故が多発し、ワシントンの道路はマヒ状態に。ちょうどその時にワシントン市内へ入ってきたマクレーンの車も交通渋滞に巻き込まれ、マクレーンとファレルは徒歩でFBI本部へ向かう。
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サイバー・テロは更に続く、テロ集団は衛星、通信、電話、携帯などのシステムを掌握し、証券取引所のシステムにもダメージを与えて株式市場が混乱する。また、国土安全保障局のシステムに侵入して炭疽菌警報を鳴らし、職員たちは局から退去させられる。そして、電力、水道、ガス、核施設の各システムにも侵入して、全米が大混乱に陥る。
その頃、武装したテロ集団はメリーランド州ウッドローンにある社会保障局を襲撃する。奴らの狙いはそこにあるサーバー・コンピューターか?
一方、ファレルを抹殺しようとするテロ集団は、掌握した通信・交通などのシステムをフルに使って、ファレルを探し出し、ヘリコプターから攻撃を仕掛けてくる。ファレルの命を狙っているプロ集団と、今回のサイバー・テロが関係しているのでは?とマクレーンは考えた。そして、事態の重大さに気がついたファレルの協力を得て、マクレーンはテロ集団に立ち向かう。
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テロ集団はマクレーンの娘・ルーシーを人質にするが・・・。
「ダイ・ハード」シリーズは今までの全作を見てきたが、今回の「4.0」は今までのやつに比べて、かなり地味な映画に仕上がっていると思う。サイバー・テロの話がメインだから、コンピュータ・システムを操作する地味なシーンが多く、それだけハデハデな爆破や銃撃戦が少なく見えてしまうのだ。カーチェイスや銃撃戦はあるのだけど、なんだか盛り上がりがない。戦闘機F-35に攻撃されるシーンはまあまあのアクション・シーンではあるものの、以前の「ダイハード」シリーズに比べると物足りないし、アイディア的にもいまひとつなのである。舞台がニュー・ジャージ−のカムデン、ワシントンDC、ウエスト・ヴァージニアのミドルトン、ボルチモア、メリーランドのウッドローンと移動していくのも散漫だ。デジタル男のファレルと、アナログ男のマクレーンのデコボコ・コンビの対比も物足りないし、敵のデジタルさと対決するマクレーンのアナログさの描写も弱い。ストーリーのアイディア自体が弱いのだ。最後の決戦のシーンも地味すぎて、あっと驚くシーンではないなぁ。
それにさぁ、これ、なんだか内容が古臭いんだよなぁ。敵のボスが元・政府機関のネットワーク・セキュリティ担当者だったとか、サイバー・テロに見せかけておいて結局はカネだったとか、そのような古めかしいストーリーを今さら見せられてもなぁ。敵のボスの愛人がアジア系の女性で、自らサブリーダーとなって武装して襲撃し、カンフーで戦うっていうカビのはえたようなシーンってのもいただけない。娘を人質にするってパターンも古すぎて、ただ呆れるだけだ。そ〜いう時代遅れな父娘愛を映画で見せてくれなくてもいいってばぁ。そもそもネットワークでシステム侵入だなんて、それ自体が時代遅れで古臭いじゃないか。まるでコンピュータ・ゲームの中に入り込んでしまうってな映画のような古めかしさだ。戦闘機F-35の翼の上にマクレーンが乗るシーンは、シュワルツェネガー主演の映画で似たようなシーンを見たことがあるような気がするし、エレベータのワイヤーに車がぶら下がって落ちそうになってハラハラさせるシーンは、「ジュラシック・パーク」に似たようなシーンがあったような・・・と思わざるをえないのだ。なんだか新しいものがないんだよねぇ。テロ集団のボスがマクレーンに向かって「お前はデジタル時代のハト時計だな」と言うシーンがあるんだけれど、それはマクレーンの事ではなくて、この古めかしい映画のことを言っているように思えるのは私だけであるまい。
タイトルが「4」ではなくて「4.0」ってなコンピュータのハードウェアやソフトウェアのバージョンのような表記にしているのは、この映画がコンピュータものであることを示しているつもりなんだろうけれど、この映画で描写されているコンピュータやネットワーク・システムって、かなり現実離れしてヘンテコなものなのである。
この映画では、ネットワーク経由でシステムに侵入すると何でもできてしまうかのように見せているけれど、現実のシステムではそのようになっていないのである。たとえば、ガス会社のシステムに侵入できたとしても、ガス管の配管やバルブのコントロールをシステム経由で遠隔操作できるようになっていないのが現状だ。米国でも日本でも、せいぜい、システムの中にサブシステムとしてGIS(地理情報システム)があって、ディスプレイ上に表示した地図の上に配管などの管理情報(配管ルート、口径や埋没年月日などの属性データ)を重ね合わせて見る事ぐらいしかできないのである。だから、この映画のように、ガス会社のシステムに侵入してガスの流れるルートを遠隔操作して、指定した場所にガスと炎を送り込んで攻撃するということは、とてつもなく非現実的なのである。同様に、ネットワークに接続されていない信号機の点灯を青に遠隔操作するのも不可能であるし、ネットワークに接続されていない街中の防犯カメラを遠隔操作してその撮影画像をコンピュータのディスプレイに表示させることも不可能なのだ。ってなことで、この映画の中に出てくるようなコンピュータ・ネットワークで支配されている世の中って、20年くらい前に考えられていた古くさい近未来SF的コンピュータ支配社会であって、現状とはかなりかけ離れているのである。
また、映画のストーリーにでてくるような、全米のデータを特定の一箇所のサーバー・コンピュータ(社会保障局)に集めているってのも非現実的なシステムである。データ保護の為にデータを分散化させるのはセキュリティの基本中の基本だと知らないのかなぁ? 1960年代に米国の国防総省による戦略システムの開発において、もしも敵がメイン・コンピュータを核攻撃してきて、それが破壊されたりダウンしたら・・・ってな場合を恐れて、データの分散化とデータ処理を行なうコンピュータの分散化の手法が研究され、それがARPANETという軍用のネットワーク・システムになり、それが元となって、現在の民間用のインターネットができあがったのである。データやデータ処理するコンピュータを一箇所に置いて、そのサーバー・コンピュータで処理を行なうというシステム構築は40年も前に否定されているのである。お願いだから、映画を作る前にはそれくらいの勉強しておいてよね。
ハッカーがプロクシも使わずに自分のIPアドレスをモロ出しにしてシステム侵入するってのもありえない状況だなぁ。それに、FBIのコンピュータってのは、UNIXベースのTCP/IP、イーサネット系のプロトコルでネットワーク構築されていないから、外部からインターネット経由でhttpとかftpのプロトコルのネットワーク層で接続すること自体が無理だ。telnetも使えないんだもの。たとえ接続できたとしても、パスワードを解析するのには、現在の世界最速のスーパーコンピュータを使ってバリバリと解析処理をやらせても2億年以上の計算時間が必要なんだよねぇ。プロのシステム・エンジニアさんなど、コンピュータに詳しい人がこの映画を見たら、その他にも多くの誤りやヘンテコなシーンに気がつくだろう。
映画「ダイ・ハード 4.0」
http://movies.foxjapan.com/diehard4/
http://www.livefreeordiehard.com/
映画嫌い (189)
2007年7月4日本日のクズ映画は2006年の邦画「オトシモノ」である。
「水無」駅のホームでオトシモノを拾った人たちが次々と失踪する。駅のホームに出没する謎の黒服の女性。以前に発生した列車死亡事故。トンネル内に消える女性の姿を運転手が見かけて緊急停止する車両。
主人公は女子高生・木村奈々だ。奈々の妹がホームで定期券を拾った後に消えてしまったのだった。奈々の同級生・藤田香苗の彼氏もブレスレットを拾った後に失踪する。そこで奈々と香苗のふたりは謎を解き明かそうとするが・・・。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/otoshi.jpg
死者の因縁ってものを持ち出して、それを無理矢理と事件にこじつける、矛盾しまくりの典型的なジャパニーズ・クソ・ホラー映画である。オトナが見ても全然恐くない。小学校低学年を怖がらせるために作ったような稚拙さだ。ストーリーが矛盾の上に矛盾の上塗りで、ツッコミどころ満載。もう、めちゃくちゃで、筋の通ったストーリーなんかない。2才くらいの幼児が画用紙の上にクレヨンで描いたハチャメチャな絵を見せられているようなものだ。
出演は沢尻エリカ、若槻千夏、小栗旬、浅田美代子、板尾創路、杉本彩、・・・・なんでこんな奴らのクソ演技を見てあげなきゃならんのだ? なんで演技ができる役者を一人も使わずに映画を作るんだ? あんなクソ演技、クソ・ストーリーを見せてカネを取る気なのか? こんなので商売になるとでも思ってるのか? この映画の監督やプロデューサーは、こ〜いう映画を作るという行為が恥だと思うだけの脳味噌がないのだろうか? この映画の制作総指揮は迫本淳一、制作は久松猛朗、プロデューサーは石塚慶生、監督は古澤健だ。いいかみんな、ろくに仕事もできないこのバカどもらの名前を忘れるな。
映画「オトシモノ」
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id325103/
映画嫌い (188)
2007年7月3日本日のクズ映画は2006年の米国映画「アドレナリン (Adrenaline)」である。
主人公のチェリオスは殺し屋だ。チェリオスは自宅で寝ている間に、仲間だったギャングのリッキー・ベローナに毒物を注射されてしまった。チェリオスが殺しの指示に従わなかった事への報復である。その毒物の作用により、チェリオスは自分をハイな状態にして体内でアドレナリンを常に分泌させていなければならなくなった。休憩してアドレナリンの分泌が低下すると死んでしまうのだ。そしてチェリオスはリッキー・ベローナへの復讐のために街へ出た。チェリオスは解毒剤を入手してリッキー・ベローナを抹殺できるのか?
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随分と鬱陶しい映画だ。クスリでラリってパッパラパーな映画だから、見ていて非常に疲れる。できそこないのサイバー・パンク映画と、できそこないのギャング映画の失敗コラボってなところだ。ラリパッパーで無意味な暴力シーン、下品で汚い言葉、何の効果もないエフェクトがなされたシロウト丸出しの醜悪な映像編集、クスリの効果に責任転化している破綻したストーリー、・・・で不快感しか感じるものはない。最後のほうのシーンで、脈絡もなく中国系ギャングが登場してきて、なんでやねん!とおもいっきりコケてしまった。その冴えない銃撃戦が幼稚で幼稚で、見ている側のアドレナリンの分泌が下がる下がる。カー・チェイスもすっごく安っぽくて、スピード感もなければ、緊迫感も臨場感もない。とりあえずカー・チェイスのシーンもありますよ・・・ってないいわけで取って付けたようなNGシーンにしか見えてこないのは私だけであるまい。めちゃくちゃヘタクソな映画だ。主人公の役の男優も、その彼女の役の女優も、演技がヘタだねぇ。
ってことで、こんな映画は見る価値なし。クズだ。
で、最後には、チェリオスは上空を飛ぶヘリコプターから落下して(このシーンもヘンテコなんだよなぁ、ヘリコプターがそんな雲の上の高度を飛ぶわけがないんだよなぁ)、落下中に携帯電話で彼女の自宅の留守電に電話をして、結局は地面に叩き付けられて死去。とほほ・・・。
映画「アドレナリン」
http://www.adrenaline-movie.com/
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id327012/
映画嫌い (187)
2007年6月19日本日のクズ映画は2002年のフランス映画「スズメバチ (Nid de Guepes)」である。
深夜のフランス。ストラスブール郊外にある工業地帯。大きな倉庫に保管してある家電製品を狙って、武装した若者の強盗集団が侵入する。そして、警備員を縛り上げて、トラックに荷物を積み込もうとする。
一方、警察の装甲車がストラスブールの国道を走行中に襲撃される。その装甲車は、逮捕された東欧マフィアの幹部・ネクセップをパリに護送している途中であった。マフィアがネクセップを奪還しようと攻撃してきたのだ。警護していた白バイも大破し、装甲車の運転手も射殺されてしまう。銃弾が飛び交う中、装甲車の中から応戦していたラボリ中尉は、生存している警官とネクセップを乗せて装甲車を運転し、近くにあった大きな倉庫に逃げ込む。その倉庫とは、強盗集団が侵入していたあの倉庫だったのだ。
武装した大人数のマフィァの連中が倉庫を取り囲む。そして、マフィア、警察、強盗集団の三者の銃撃戦となる。ラボリ中尉は外部に応援を要請しようとするが、強盗集団が事前に携帯電話の中継基地を破壊していたので、外部との連絡が全くつかない。
そして強盗集団と警察は手を結び、それに倉庫の警備員も加わって、マフィァの侵入に対抗する。激しい銃撃戦が始まり・・・。
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この映画、見たことがあるような・・・・デジャ・ヴかぁ?・・・と思ったら、なんのことはない、以前にここにも書いた映画「アサルト 13 要塞警察 (Assault on Precinct 13)」にそっくりなのだ。舞台を警察署から倉庫に替えただけのようなものだ。オリジナリティがないぞぉ、つまらないなぁ。銃撃戦もたいしたことがないし、盛り上がりもないまま、あっけないラストシーンになっちゃっている。しょぼいなぁ。
で、この映画のどこがいったいスズメバチなんだい?
映画「スズメバチ」
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/suzumebachi/
映画嫌い (186)
2007年6月16日本日のクズ映画は2006年の邦画「アルゼンチンババア」である。
こ〜いう、「アルゼンチンババア」とか「舞妓haaaan!!!」とか、そ〜いう邦画って、タイトルだけでどぉ〜しょ〜もないクズ映画だってわかっちゃうねぇ。原作がよしもとばなな・・・って、こりゃぁ、どぉ〜しょ〜もない内容なんだろうなぁ・・・と、見なくても容易に想像がつく(大嫌いなんだよなぁ、この作家。私が山田悠介のことが大嫌いなのと同じ理由だ)。まぁ、そ〜いう偏見は一掃して見てみたんだが・・・。
女子高生の涌井みつこは母を亡くした。母が死んだその日、みつこの父・悟はその現実を受け入れることができなくて失踪した。そして半年が過ぎた。
その町のはずれの草むらの中には謎の一軒家があった。その家にはアルゼンチンババアと呼ばれている謎の女・ユリが住んでいた。失踪した父がユリの家で暮らしている事がわかり、みつこは恐る恐るユリの家を訪問してみる。
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そこにいた父は自分の家に帰ろうとしない。父の妹(みつこの叔母)が説得に行くが、それでも帰ろうとしない。そして、ユリは悟の子を妊娠する・・・。
随分と中身の薄い映画だ。ろくなストーリーがないまま、何を言いたいのかも表現できずに、矛盾した終わり方をしている。全然、感動もなければ、ハートウォーミングのカケラもない。要するに、どぉ〜しょ〜もないクズ映画だ。みつこ、父、叔母、ユリのそれぞれの登場人物の言動・性格のあちこちにツッコミを入れられるほど、すごく矛盾しているのである。だから、真面目にストーリーを追いながら見るのがバカらしいのだ。こんなクズ映画を見るのは時間の無駄だ。なんで日本の映画界ってこんなクズ映画を次々と作っちゃうんだろうねぇ? なんでこんなのを映画化しようと考えたんだぁ? 頭、おかしいんぢゃないのぉ?
クズ映画ではお馴染みの俳優がこの映画でもいろいろと出てくる。お馴染みの役所広司、岸部一徳、きたろう、・・・と、その名前を見ただけで、クズ度がわかっちゃうものなあ。懐かしいところでは、石井光三がチョイ役で出ていたりする。叔母の役は森下愛子だねぇ、この人も懐かしいんだけれど、、かなりフケたねぇ。ユリの役に鈴木京香ってのもウソくさくてミスマッチだなぁ。
映画「アルゼンチンババア」
http://www.arubaba.com/
映画嫌い (185)
2007年6月12日本日のクズ映画は2007年の米国映画「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい (Smokin’ Aces)」である。先月のゴールデンウィークあけに日本でも劇場公開されていたらしい。
ラスベガスの人気マジシャンのバディ・エース・イズラエルは、マフィアのギャングたちと黒い交際をしているうちに逮捕されてしまった。エースはFBIとの司法取引に応じようとしていた。裁判所への終身刑の求刑を取り下げてもらう代償に、マフィアの情報をFBIに提供しようと。
それを知ったマフィア「コーザ・ノストラ」のボス、スパラッザはエースの暗殺を指示し、エースを殺した者に賞金100万ドルを払うと言う。そして、それを聞きつけた世界中の極悪非道なプロの殺し屋たちが賞金目当でエースを狙う。FBIは保釈中のエースを警護するが、プロの殺し屋が次々と襲ってくる。FBIはエースを守ることができるのか・・・?
面白くない映画だなぁ。
いろいろな殺し屋が登場して、殺し屋同士が賞金目当に抗争したりするんだけれど、どの殺し屋にもインテリジェンスがないし、深みも存在感もないのだ。単に殺し屋の数を増やせばいいってものじゃないでしょ。だから、すごく散漫になっているのである。緊迫感なんてありゃしない。たくさん殺し屋を出す必要なんかないんだもの。たとえばゴルゴ13のようなインテリジェンスと存在感のある殺し屋であれば、そいつひとりを登場させるだけで映画は成立するのに、こ〜いう質より量ってのはバカらしいぞぉ。
で、最後の15分くらいのところまで、いったい誰が主人公なのかもわからないまま、進行しちゃって、あぁこの人が主人公だったんだ・・・ってわかっちゃう。それまでのシーンでは、すっごく主人公の存在感が薄いのである。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/smokinaces.jpg
それってさぁ、主人公が誰なのか謎にするっていう目的でそのようにされているんぢゃなくて(そ〜いう目的で作るメリットがないものねぇ)、単に脚本の人間描写がデキソコナイだったってことでしょ。
それにさぁ、タイトルになっているくせに、マジシャンのエースの存在感が全然ない。なんでこんなタイトルにしたんだぁ? その上に、スパラッザの存在感も全然ないぢゃないか。随分とヘタな映画だよなぁ。
そして、最後の10分で、まるで別の映画のようになっちゃって、FBIの陰謀論になっちゃうわけ。そんなのでサプライズするほど見ている側はバカぢゃねぇぞ。それで、あっけないラストシーンへと流れ込む。あぁ、疲れた。
映画「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい」
http://www.smokin.jp/
映画嫌い (184)
2007年6月10日本日のクズ映画は2007年の米国映画「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド (Pirates of the Caribbean - At World’s End)」である。現在、日本で劇場公開中らしい。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの3作目でこれがラストらしいのだが、私は1作目も2作目も見ていない。1作目も2作目も米国の制作会社の関係者から劇場公開前にサンプル版のDVDをいただいていたんだけれど、結局、そのDVDは見る気がしなくて、不燃ゴミとして廃棄したのだった。だって、21世紀にもなって海賊だなんてなぁ。いまさら、海賊の映画だなんてバカらしいもの。同様に、地底人の映画とか、ゲームの世界に入り込む映画とか、そ〜いうのも見たいとは思わないんだよなぁ。剣だ魔法だってなヤツもイヤだよなぁ。だから、そ〜いうDVDは門前払いで廃棄なのだ。廃棄しないで近所の子供に譲渡しても良いんだが、字幕も吹替えもない米国版だから、子供に見せてもしょうがないしなぁ。
で、今回も劇場公開前にサンプル版DVDをいただいていた。今回も見ないで廃棄だな・・・と思いながら、キッチンでパンケーキを焼いていた時に思い出したのだ。この映画に、あのキーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)が出演していたハズだよなぁ!って。キーラ・ナイトレイは、映画「プライドと偏見 (Pride and Prejudice)」で主人公のエリザベスを演じていた女優さんだ。めちゃくちゃ綺麗だった。十年にひとりいるか、いないか・・・の、私のストライク・ゾーン、ど真ん中への直球だった。この女性になら、あげてもいい・・・と思ったもの。
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で、さっそくDVDを見てみたのだ。1作目も2作目も見ていないので、それまでのストーリーなんか知っちゃいないんだけど、そんなのでも大丈夫かねぇ?と思いつつ・・・。
2時間40分経過。
う〜ん、これ、長過ぎるぞぉ。2時間40分も黙って見ておれってな内容ぢゃないぢゃんか。意味もないファンタジー・シーンがだらだらとしていて、めちゃくちゃテンポが悪い。笑えないコミカル・シーンもウザい。無駄なシーンが多過ぎだ。ストーリー自体が凄く薄っぺらで面白みもない。なんなんだぁ、これぇ? 主人公であるハズのジャック・スパロウの影が薄い薄い。いったい誰が主人公なんだぁ?ってな感じだな。
で、キーラ・ナイトレイだ。こっちの映画での名前もエリザベスなんだ。でも、こっちの映画での彼女の姿は全然美しくないぞぉ。「プライドと偏見」のエリザベスとはまるで別人である。ものすごく損した気分だ。
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そうそう、この人のオフの時の写真とかを見ても、全然魅力的には見えないんだよねぇ。
http://us.imdb.com/name/nm0461136/
私、「プライドと偏見」に騙されちゃったんだなぁ。あぁ、あげなくてよかった・・・。
で、このDVDも不燃ゴミとして廃棄処分にしても良いんだけれど、それももったいないから、誰かほしい人いる? 字幕も吹替えもないので、英語が大丈夫な人じゃないとツラいと思うんだけれど、ほしい人はメールでご連絡を。抽選で1名に無料で譲渡するよん。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」
http://www.disney.co.jp/pirates/
映画嫌い (183)
2007年6月9日本日のクズ映画は2007年の米国映画「ザ・シューター 極大射程 (Shooter)」である。現在、日本で劇場公開中らしい。
主人公は元・陸軍の名狙撃手、ボブ・リー・スワガーだ。ボブは退役して山奥で暮らしていた。彼の狙撃手としての実績と経験を見込んで、ジョンソン大佐が彼の家を訪問してきた。米国大統領の暗殺計画の情報があり、その計画阻止の協力をボブに要請してきたのだった。
ボブは大統領の遊説予定地を現地調査し、狙撃可能なポイントを割り出す。そして、遊説の当日も大佐らと行動を共にしてフィラデルフィアの現場のそのポイントを監視していた。すると、何者かによって大統領は狙撃され(銃弾はハズレ)、更にはボブはその場にいた仲間の警官に撃たれてしまった。ボブは奴らにハメられて、大統領狙撃犯にでっち上げられてしまったのだ。
ボブは体に2発の銃弾を受けながらも逃走する。ボブは指名手配され、それを追うFBI。
狙撃現場にはボブが使用していたライフルが残されていたが、ボブが犯人であることを疑問視するFBIの新人捜査官・ニック・メンフィスは独自の調査始める。
ボブは自らの無実を立証できるのか? 事件の背後にある陰謀とは?
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つまらんなぁ。ストーリーも脚本もめちゃくちゃぢゃないか。すっごく杜撰で安っぽい映画なのだ。劇場公開する価値なんかありゃしない。なんで退役したボブが暗殺阻止に協力する気になったのかちゃんと説明できていないし、あのような黒幕による陰謀にしては暗殺計画自体が随分とセコいじゃないか。正義感のあるボブも、結局は非合法に黒幕を殺害して終わりなんだもの、なんなんだこりゃ?
で、いったいこれのどこが「極大射程」なわけ? ねぇねぇ、教えてよぉ。
映画「ザ・シューター 極大射程」
http://www.shooter-movie.jp/
この映画の音楽担当はマーク・マンシーナ(Mark Mancina)だ。元々はプログレ畑の人で、自らEL&P式のバンドをやっていたこともあり、その後にプロデューサーに転向してからEL&Pの「ブラック・ムーン (Black Moon)」のプロデュースも担当していた。
その後は映画音楽を多数担当しており、元・イエス(Yes)のトレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)との共同作業にて、「シックス・ディ」、「60セカンズ」、「コン・エアー」、「ナショナル・トレジャー」、「アルマゲドン」、「エクソシスト・ザ・ビギニング」、「ツィスター」、「スネーク・フライト」など、関わった映画はめちゃくちゃ多い。プログレ系の出身者としては、マーク・アイシャム(Mark Isham)と並んで注目の映画音楽男である。
ただし、今回のこの映画の音楽は全くダメだなぁ。マーク、仕事を選んだほうがいいぞ。
映画嫌い (182)
2007年6月4日本日のクズ映画は2006年の日本のアニメ映画「パプリカ」である。前述のイタリア映画と同じタイトルだが、何の関連もない。こっちの「パプリカ」は筒井康隆の原作をアニメ化したものだ。
精神医療総合研究所の巨漢男・時田医師は「DC ミニ」という精神治療用の器機を開発した。
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「DC ミニ」は他人と夢を共有できる画期的なマシーンだ。ところがそれが盗まれてしまったのだ。「DC ミニ」を悪用すると、他人の夢に強制的に介入し、悪夢を見せて当人の精神を崩壊させる事も可能だ。悪夢を通して覚醒時の意識にも幻覚を見せることができてしまう。テロリストの手にでも渡ったら大変だ。
「DC ミニ」によって意識に介入された研究所の関係者が次々に幻覚によって異常行動をとるようになる。研究所の理事長は「DC ミニ」の開発の中止を命じ、盗まれた「DC ミニ」の回収を指示する。
時田医師は、同僚の千葉敦子と一緒に盗まれた「DC ミニ」を回収しようと調査を始める。
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千葉は「DC ミニ」を使って別人格の女性「パプリカ」となり、夢の中から捜査をするが・・・。
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案の定、夢の中と現実とが区別できなくなるゴチャゴチャしたシーンのテンコ盛り、洪水、垂れ流し状態、マッチポンプだ。そ〜いうのが整理されていないので、見苦しいだけなのだ。オモチャ箱をひっくり返した状態で、収集がついていないのが疲れる。整理・整頓ができない監督の性格が反影されちゃっているのだろうか? このような幼稚なエセ・ファンタジー・アニメには吐き気がする。
この映画の半分は夢の中の出来事だから、夢の中では「何でもあり」であるし、そのような「何でもあり」を表現するのにはアニメのメタモルフォーゼの手法は有効なんだけれど、そのメタモのイマジネーションがとてつもなく貧弱なのである。実写では不可能な、アニメじゃなきゃできない「あっと驚く」シーンを期待して見ていても、ありきたりのイマジナリーな世界しか描写されていないのである。だから、このアニメを見て最も強く感じたのは、「何でアニメである必要があるのぉ?」ってことだ。実写風の背景や、実写モドキな人の動きをわざわざアニメでやるのではなく、夢の中のシーンをもっと整理して、実写でやるべきだったのでは? だから、このアニメはものすごくトンチンカンに見えてしまうのだ。アニメにしたのは、単にアニメ・オタクの気を引く為だけの目的のようにしか思えないぞ。
アニメ・オタクの連中の間では、実際に、このアニメの評価は高いらしい。でもそれは、アニメだという表現手法だから評価しているだけにすぎないであろう。もしもこれが実写版だったら、そのようなアニメ・オタクたちは評価しなかっただろう。そ〜いう、目的と手段をはき違えている幼稚なアニメ・オタクが私は大嫌いなのだ。次の内閣で憲法改正して、「アニメ・オタクには基本的人権なんかねぇぞ」という一文を憲法に入れてほしい。
で、この登場人物、
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何の意味があったのぉ?
時間稼ぎ用の無駄なシーンの為の要員か?
アニメ「パプリカ」
http://www.sonypictures.jp/homevideo/paprika/index.html
声優もいただけないなぁ。
私はあまり声優には詳しくないのだけれど、時田の声を聴くとその声は星飛行馬であるし、粉川警部の声はモロにブラック・ジャックだ。理事長の声は江守徹で、小山内の声は山寺宏一だな。聴いたらすぐにわかっちゃうぞ。
その上、原作者の筒井康隆まで声で出演している。この人、自分の作品が映画化されると、何らかの形で出演しなきゃ気がすまないんだろうか?
ちなみに、この映画の音楽担当は平沢進である。1970年代にはプログレ・バンド「マンドレイク」をやっていて、1980年代には大変身してテクノ・バンド「P-Model」をやっていた人だ。その後、ソロ活動をして、このように映像系の音楽も担当したりしているんだけれど、この人も目的と手段をはき違えているように思えてしまうのだ。音楽表現手段の面白さを追求しても、結果として聞こえてくる音楽がさっぱり面白くないんだもの。この人のソロ・ライブを見たことがあるんだが、私は途中で退席したもなぁ。このアニメでの音楽も全くのデキソコナイの域なのだ。聴いていてつらいよぉ。