訃報嫌い

2008年12月12日 音楽
訃報嫌い
フィンランドの名ベース・プレイヤー、ペッカ・ポヨーラ(Pekka Pohjola)がお亡くなりに・・・。
フィンランドの国民的バンド、ウィグアム(Wigwam)で活躍し、その後には一時、マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)との活動でも知られていた人物だった。彼のソロ・アルバム「Urban Tango」、「Harakka Bialoipokku」、「Pihkasilma Kaarnakorva」、「Keesojen Lehto」は私の聴盤だったなぁ。彼の死はすっごいショックである。合掌。
 
 
ペッカ・ポヨーラ死亡記事
http://www.iltalehti.fi/uutiset/200811278667161_uu.shtml
 
生前の彼のライブする姿はこちらで見られます。
http://jp.youtube.com/watch?v=qtrvku2GmkA

ペッカ・ポヨーラのCDのmp3ファイルはこちらからダウンロードできます。
「Keesojen Lehto」
http://www.4shared.com/file/65571189/2f3bd608/Pekka_Mike_-_Keesojen_lehto_by_MR.html
「Harakka Bialoipokku」
http://lix.in/6e7b7e76
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (348)

2008年12月6日 映画

本日のクソ映画は2006年の英国映画「大統領暗殺 (Death of a President)」である。

2007年10月19日、米国大統領のジョージ・W・ブッシュは演説のためにシカゴを訪問した。空港から会場のホテルまでの沿道は抗議団体で溢れかえり、大勢の警官隊が警備する中を大統領を乗せたリムジンが走る。そして、演説を終えて会場から出てきたブッシュが車に乗り込む瞬間、近くのビルから発射された銃弾がブッシュに命中する。ブッシュは病院へ運ばれ、メディアは一斉に臨時ニュースを放映する。ブッシュは病院で死去。すぐに警察とFBIは容疑者を探しに入るが・・・。

現職の米国大統領が狙撃されて死去しちゃう映画ってことで、ちょっとだけ話題にはなったものの、それは単に奇をてらっただけにしか見えず、ストーリーとしては全くのデキソコナイだ。もしも現在の米国で大統領が暗殺されたら・・・という仮想事態のシミュレーションとしては随分とお粗末で、酷いほどチープなストーリーに苦笑しちゃったもの。
警備を担当したシークレット・サービスや、大統領の演説の原稿を書いている補佐官ら側近のインタビューによる回想と証言のシーンを何度も交えて、まるでドキュメンタリー番組のように見せているのがダメだねぇ。それが逆にウソっぽく見えてしまっているんだもの。それに、仮想事態を坦々と見せるだけで、何を見せたい映画なのか、主張するものがないままに終わってしまっているのも痛いなぁ。あえて、何を言いたいのか?と考えてみると、「イスラム系だからといって暗殺者だと疑ってはいけない」・・・ってなどうしょうもない結論にしかなっていない。そ~いうトホホなクソ映画なのさ。

映画「大統領暗殺」
http://eiga.com/movie/34136
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (347)

2008年12月5日 映画
本日のクソ映画は2006年の米国映画「沈黙の惑星 (Homeworld)」である。これまた、どぉ~しょうもないクズ映画なんだよねぇ。

時代は31世紀。宇宙船に乗った4人の軍人とひとりの科学者はメンダックス星の森の中に不時着した。その頃、地球はメンダックス星人たちの侵略により滅亡の危機にあり、地球人の最後の手段として、メンダックス星にウィルスをばらまいて、メンダックス星人たちを絶滅させるのが彼らの指命だ。メンダックス星の森の中を徘徊する彼らは、不思議な夢と幻覚を見るようになり、互いに疑心暗鬼に陥る。しかし・・・。
 
退屈だ。ひたすら森の中のシーンが続く。ぜんぜん他の惑星っぽくない。針葉樹の茂った普通の地球の森の姿でしかない。未知の動物・植物など、他の惑星の姿なんかさっぱり出てこないのだ。SFっぽさがまるでないぞ。随分と安易に作っちゃったな。その上、登場人物は6人だけ。すっごい低予算な映画なのだ。そのセコさは涙ぐましいほどだ。
そして、ストーリーがバカ。子供ダマシのようなものだ。サプライズにしたかったのだろうが、ぜんぜんサプライズになっていない。ストーリーに矛盾があるものだから、ストーリーが成立していないのだ。
SF好きな私は今までに多くのSF映画を見てきたが、この映画は今まで見た中で最低の部類だなぁ。
 
映画「沈黙の惑星」
http://posren.livedoor.com/detail-130747.html
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (346)

2008年11月28日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「デイブは宇宙船 (Meet Dave)」である。エディ・マーフィが主演するコメディだ。60億円かけて制作されながらも、米国では今年の7月に公開されて、その9%しか興行収入で回収できず、大コケしちゃっている。日本では正月映画として来月の後半から劇場公開される予定だったようだけれど、それも延期されちゃったみたいだ。こんな映画じゃ日本でも収益が期待できないだろうね。

ジョシュは小学5年生の少年。母親のジーナとニューヨークのアパートでふたり暮しをしている。ある夜、ジョシュの部屋に空から小さなボールが落ちてきた。そのボールは宇宙の彼方にあるニル星からやってきた「オーブ」と呼ばれる装置だったのだ。ジョシュはそれが何かわからないま保管していた。
その数カ月後、ニル星からニューヨークに密かに宇宙船がやってきた。その宇宙船の中には身長1インチのミニチュアサイズのニル星人たちが。宇宙船は等身大の地球人の黒人の形状をしているロボットで、船長の指示で乗組員たちが操縦しているのである。彼らの目的は、オーブを探し出して、それを使って地球の海水をくみ上げて、故郷のニル星の滅亡の危機を救うというものだ。さっそく宇宙船は人間になりすまして、デイブ・ミン・チェンという名前を名乗り、オーブを求めて活動を開始した。船長たちは地球の異文化、ヘンテコな風習に翻弄されながらも、ジョシュとジーナと知り合う。そして、地球人たちとの交流を通して、感情のなかったニル星人に感情が芽生えてきた。そんな船長の様子に危機感を持った副官は、宇宙船内でクーデターを起こして船長を拘束してしまう。副官の指示で暴走する宇宙船デイブはオーブを使って地球を滅亡させてしまうのか?
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/meetdave1.jpg
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/meetdave2.jpg

エディ・マーフィの映画って、どれも面白くないじゃないか。特にこれはそれらの中では最低のクソ映画になっちゃっている。これは酷いな。ストーリー展開に無理があるものなぁ。
感情のなかったニル星人たちが地球の異文化に翻弄される姿を笑ってあげるという、ドタバタ風味がメインになっているんだけど、どのシーンにも笑えない。乗組員たちの個性が表現不足であるし、ツッコミが浅すぎるのもダメだ。デイブを追う警官たちは無駄な登場人物にしかなっていない。
それにしても、ニル星人たちがなんで全員、英語で会話しているんだろう。いつから英語が宇宙の共通語になったんだ? 乗組員たちの制服にアラビア数字で番号が書かれているのもダメだなぁ。
ってことで、こんな映画は見るんぢゃないよ。
 
映画「デイブは宇宙船」
http://www.meetdavemovie.com/
 
 


追記:  
その後に発見。この映画の件については、こちらのブログさんが
私の上記の書き込みを完全にパクってます。文章も写真も。
http://toymomo.blog61.fc2.com/?no=1882

 

 
 

映画嫌い (345)

2008年11月26日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「ラースと、その彼女 (Lars and the Real Girl)」である。この映画は日本では来月の20日から劇場公開されるようだ。

米国のイナカ町で暮らしている27歳の男、ラーズ・リンドストームが主人公だ。兄夫婦の住む家の、それに隣接するガレージを改造した家でラーズはひとり暮らしをしていた。彼は真面目かつ純粋で、極端にシャイな性格だ。とても優しい男なのに、女性と話すのが苦手なので、いまだに彼女がいない。
ある時、ラーズは兄夫婦に自分の彼女を紹介したいと言って、彼女を兄の家に連れてきた。その彼女とは、なんと、等身大のラブ・ドール(いわゆるダッチ・ワイフ)だったのである。名前はビアンカだ。兄はラーズの頭がおかしくなったと困惑し、医師に相談する。ラーズはビアンカを車椅子に乗せで街や湖にデートに出かけ、友人の家でのパーティにもビアンカを同伴してやってきた。教会の礼拝にも車椅子を押してやってくる。まわりの人々は最初は奇異な目で見るが、ラースを傷つけまいと、ビアンカの存在を受け入れようとし、生きている人間としてビアンカに接するようになる。そして、ビアンカのことを本当に愛しているラーズの姿にみんなは胸を打たれるのだった。
とことが、ラーズはビアンカにプロポーズを断わられてしまったと言って落ち込み、また、ある朝、起きてみるとビアンカが重体になっているとラーズは大あわてして、そしてビアンカは救急車で病院に運ばれる。
(中略)
教会でビアンカの葬儀が行なわれ、彼女は墓地に埋葬されるのだった。おしまい。
 
ナンセンス・コメディか?と思ったが、コメディってなほど笑いもなく、彼女がダッチワイフってなだけのアイディアでストーリーも膨らむわけもなく、事態のシリアスさもなく、盛り上がりもないままにあっけなく終わってしまっている。まさに掴みどころのない映画なのだ。
なぜにラーズがビアンカを彼女としちゃったのか、その状況やキッカケを見せていないのがダメだな。ラーズはダッチワイフをネット通販で購入しているのに、購入する心境のようなものを全く見せていないんだもの。箱から出したダッチワイフをなぜにラーズは彼女だと思い込んでしまうに至ったのか、それをちゃんと見せるべきだろ。そんなラーズの精神状態を医師が「妄想」のひとことでかたずけちゃっているのもダメだ。ラーズのことを精神がイカレちゃっているとしている割にはビアンカの件以外にはヘンテコな言動がラーズにないのにも納得いかない。それに、ラーズに共鳴しちゃう街の人々の心境の表現も不足しているなぁ。兄夫婦の困惑ぶりの描写もいまひとつだ。
で、ラーズの職場での同僚のマーゴという女性との件があって、ラーズの心の奥では無意識にビアンカの事を消し去る方面に向かっていたために、ラーズの深層心理によってビアンカは死んでしまったのかぁ?と想像するしかない結末になっているのがつまらない。それに、「極端にシャイ」で「女性と話すのが苦手」なラーズが、なぜにマーゴとああなっちゃうの?と疑問に思えるのは私だけであるまい。だから、ちゃんとストーリーが成立しているように思えないのだ。
映画にダッチワイフを出すのであれば、あのようなラブ・ドール系のやつではなく、空気で膨らませるビニール製の安っぽいやつで、ギョロ目で、口を大きく開いているやつを使ってほしかったなぁ・・・と思うのは私だけ?
 
映画「ラースと、その彼女」
http://lars-movie.com/
 
 

 
ちなみに、この映画の音楽担当はデヴィッド・トーン(David Torn)だ。この人の音楽は私は結構好きだった。その昔、彼のソロ・アルバムの「Cloud About Mercury」は私の愛聴盤だったなぁ。同僚のマーク・アイシャムも今ではすっかり映画音楽がメインの活動になっちゃっているねぇ。
 

 
 

謎の日本語嫌い

2008年11月21日 音楽
私は海外の音楽ファンとCD、レコード、テープなどの物々交換を頻繁にやっている。いわゆるトレーディングというやつだ。
たとえば、ハンガリー在住の音楽ファンから「スコルピオ」というハンガリーのバンドのLPを3種類送ってもらい、それの交換条件として相手側からリクエストされた谷山浩子のCDを私が3枚送ってある・・・のようなやりとりだ。そのような事をやっていると、現地でしか入手できない貴重なCDやレコード、日本にはほとんど入ってきていないやつが入手できて嬉しい。それに、現地の人しか知らない情報を教えてくれるのも楽しい。

先月、チリに住んでいるチリ人と交渉して、トレードの条件が成立したから、相手が私にリクエストしてきたCD20枚を送ってあげたところ、チリ人のほうからもこちらのリクエストものを送ってくれた。私のリクエストは「チリのバンドでは、私は Los Jaivas、Aisles、Akineton Retard、Blops、Evolucion、Mar De Robles、Matraz、Mediabanda、Astralis のCDは持っているから、それ以外のおすすめのチリのCDを20枚送ってほしい」というものだった。届いたCDは私の知らないものばかりでブッ飛んだ。それらをかたっぱしから聴いてみたところ、その中で、1曲、すごく気になるやつがあったのだ。Abrete Gandul というバンドの "Bichos = Dichos?" というタイトルのCDの1曲目である。6分28秒の曲なんだけれど、最初の部分だけを抜粋してみた音がこれだ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/BichosDichos.mp3
歌詞の中に何度が出てくる「そろそろセキ流せ」とは何なんだろう?
そのほかの部分はスペイン語で歌われているから、そこの部分もスペイン語で、たまたま日本語に聞こえてしまう「空耳アワー」状態なのか?と思ったんだけど、トレーディングしてくれたチリ人に質問したところ、そんなスペイン語は存在しないらしく、チリ人にもその歌詞の部分の意味がわからないらしい。ってことは、これ、日本語なのかねぇ?
「セキ」を流すって何? 
席? 堰? 咳? 
何を流せという命令なのだろうか?
「流せ」じゃなくて「長瀬」だったりして。
謎だ!

Abrete Gandul - "Bichos = Dichos?"
http://www.amarokprog.net/albums_12201.html
 
 

 
CD全曲を聴きたいかたは、こちらからダウンロードできます。
http://rapidshare.com/files/164416396/Abrete_Gandul_-_Bichos_Dichos.zip
 

 
 

映画嫌い (344)

2008年11月19日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「デス・レース (Death Race)」である。こんな幼稚な映画は日本では劇場公開されないだろう・・・と思っていたら、来週の週末から公開されちゃうようだ。世の中、わからないものだねぇ。
 
2012年の米国。主人公のジェンセンは無実にもかかわらず、妻を殺した容疑で逮捕されて有罪となり、ターミナル島の刑務所に送致された。その刑務所は民間会社が経営している極悪犯罪者専門の牢獄で、構内で囚人たちに決死のカー・レースを行なわせて、それをテレビ放送して利益を上げていたのだった。マシンガンを撃ちながらレースをして、5回優勝すると釈放されるという。女所長の指示により、ジェンセンは鉄仮面をかぶってレースに出場することになった。女所長は視聴率を上げる為に、レースに仕掛けを・・・。
 
なんだかすっごくこじつけ臭いストーリーが幼稚なのだ。レースはテレビ・ゲームの域を出ておらず、アイテムをゲットして攻撃するってのは、まるでニンテンドー「マリオ・カート」だな。BGMには「チキチキマシン猛レース」の主題歌でも使ってもらいたい。
主人公を演じているのはジェイソン・ステイサムだ。「ローグアサシン」、「アドレナリン」など、この人の出ている映画は今までに私はいくつか見てきたんだけど、どの役をやらせても、どれもが同じになっちゃっているのがイヤだ。この映画のこの役が適任だとは思えないぞ。女所長に悪女としての重みがないのもダメだ。もっと意地悪そうな適任の女優さんがいただろうに。デミ・ムーアとかね。
 
映画「デス・レース」
http://www.deathrace.jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (343)

2008年11月18日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「彼が二度愛したS (Deception)」である。現在、日本でも劇場公開中のようだ。
 
舞台はニューヨーク。主人公のジョナサンは会計士だ。監査の依頼のあった会社を訪問して深夜まで黙々と仕事をこなす。そんな仕事のために彼は孤独感と疎外感を感じているのだった。
ジョナサンは訪問先の会社で残業している時に、遊び慣れている風なワイアットという男と知り合い、互いに気の知れた友人となる。そして、一緒にテニスをしたり、食事をしたりして、親交が深まっていくのだった。
ある日、ふたりは互いの携帯電話を取り違えてしまった。ジョナサンの携帯を持ったワイアットはロンドンに出張してしまう。ジョナサンはワイアットの携帯を持ったまま、ワイアットの帰りを待っていたが、彼のロンドンでの仕事が延長になってしまい、なかなか帰ってこないのだ。
そんな時、ジョナサンの持つワイアットの携帯に女性から「今晩、暇?」と電話がかかってきた。その女性は「会員制秘密クラブ」の会員で、ワイアットも会員だったのである。その会とは、お互いに本名も素性も秘密にしたまま、男女が出逢ってファックするというものだった。ジョナサンはその会にのめり込み、女性会員との一夜限りのファックに溺れていく。
ある晩にジョナサンが出逢った女性会員は、以前にジョナサンが地下鉄で見かけて恋心を持ったことのある美女だった。彼女のイニシャルがSであることしかわらないまま、ジョナサンは彼女の事を本気で愛してしまう。ところが、彼女はホテルから忽然と姿を消してしまった。ワイアットが彼女を拉致し、ジョナサンを脅迫してきたのだった。彼女を助けたければ、監査している会社の裏金の口座を操作して、監査人の権限で2000万ドル全額を指定した口座に移せと言う。ジョナサンはワイアットの仕掛けた罠に落ちてしまうのか・・・?
 
随分とストーリーが雑だ。Sとワイアットがグルだってことは早々と見抜けたし、爆死したのはジョナサンじゃなくてアパートの管理人である事もすぐにわかっちゃったもの。最後のスペインでのオチもアバウトすぎる。
アバウトだから、ツッコミどころがめちゃくちゃ多い。たとえば、ジョナサンとワイアットの出合うシーンだ。深夜に部外者であるワイアットが入り込めるほどのセキュリティが甘い会社って何なんだよ?と思ってしまうもの。ジョナサンの住んでいるアパートのあのセキュリティのなさもないだろう。ジョナサンを招き入れたワイアットの自室は、事前にワイアットがどのように仕込んでいたのかも見せていないものなぁ。ジョナサンがどうやってワイアットの名義のパスポートを取得できたのかも見せていない。そんな説明不足の妙なシーンが多いものだから、随分と緻密さのないズボラなストーリーに見えてしまうのだ。それに、ジョナサンの生い立ちを見せていないものだから、全体的にボケちゃっているのもダメだ。秘密クラブのシステムにも疑問があって釈然としないなぁ。あの黒人女性の警官はストーリーの中には不要だろうしね。
最も痛いのは、ファックシーンに全く淫眉さがないってことだ。特に2番目の女性、あ~いうのは私は絶対には無理だな。

ちなみに、ジョナサンを演じているのがユアン・マクレガーで、ワイアットを演じているのがヒュー・ジャックマンである。ヒュー・ジャックマンはプロデューサのひとりであり、一部の音楽も担当している。ヒュー・ジャックマンにはジョナサンのほうを演じさせたほうが良かったんぢゃないのぉ?
 
映画「彼が二度愛したS」
http://2s-movie.jp/
 
 

 

 
 

映画嫌い (342)

2008年11月17日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「かけひきは、恋のはじまり (Leatherheads)」である。現在、日本でも劇場公開中のようだ。主演がジョージ・クルーニーで、彼自身が監督もしている。
 
1925年(昭和元年)、米国ミネソタ州のイナカ町ダルース。主人公のドッヂ・コネリーはアメフトのプロ・リーグのチーム「ダルース・ブルドッグス」の中年選手だ。誕生間もないアメフトのプロ・リーグの人気は低迷し、ドッヂの所属するチームからはスポンサーが降りてしまい、チームは活動停止してしまうのだった。そこでドッヂはチームの再起させる為に、カーター・ラザフォードをスカウトしようとする。カーターは人気の高いアメフト大学リーグでのスター選手であり、第一次世界大戦で大活躍をして名誉勲章を与えられた国民的英雄でもあった。
一方、新聞社「シカゴ・トリビューン」の敏腕女性記者のレクシー・ミドルトンは編集長からの指示でカーターを密着取材していた。カーターの戦争時の英雄話にはデッチアゲの疑惑があり、それを暴く事が彼女の目的だ。
そのレクシーにドッヂもカーターも心惹かれてしまい、事態がもつれていく・・・。
 
ラブ・コメ・スポーツ映画なんだが、コメディとしても、スポーツものとしても大して面白くないし、ラブ・ストーリー、サクセス・ストーリーとしても中途半端だ。どの角度から見ても浅くて、かなり完成度が低いんだもの。
ドッヂとレクシーの会話による「かけひき」をメインに見せたかったのだろうが、それもいただけない。相手を罵倒するイヤミな会話でお互いの性格のイヤな部分を見せられても、見ている側としてはイヤな気分にしかならないもの。あんなイヤミを言う性格のレクシーは、私なんかは人間として論外に見えてしまうから、そんな彼女に惚れるドッヂがアブノーマルな奴に見えてくるんだよなぁ。カーターのほうの人間性の描写が不足している気もするし、チームのほかのメンバーたちの各々の個性をもっと描写すべきだったろうねぇ。あの新入りのメタボ系高校生選手しか印象に残らなかったのは私だけであるまい。
で、この映画を見る限り、結局は、ジョージ・クルーニーは監督としては失敗しちゃったとしか思えない。役者が監督やプロデューサ業に進出してくるパターンは過去にも多くの例があったわけで、役者が監督やプロデューサをやりたくなる気持ちは理解できるのだが、それらの映画は、ことごとく粉砕しており、成功例はほとんどない。それらにはある共通項が見られるのだ。俳優として人気が出たために、監督やプロデューサとしての仕事を始めるとなると、ネーム・バリューでそこそこの資金をスポンサーから集められるし、ファンからの注目もあって、そこそこの集客もできる。しかし、監督の仕事に関しては、しょせんはシロウトに毛がはえたようなアマチュア・レベルで、自分が過去に出演した映画の監督のスタイルの踏襲、あるいはかつての監督に対する反面教師的な批判になっちゃうわけだ。スタッフには自分の意見に賛同するイエスマンしか配置しなくなり、客観的に自分の作品を見て批判できる人がまわりにいなくなっちゃって、結果として、自身の嗜好の色が極度に強調されちゃった自己満足的な作品になる。そんな映画を第三者が見ても、何なんだこれ?ってことにしかならないのだ。今回のこの映画は、まさにそのパターンだろう。そのような監督業への罠にハマらない為に、現役の俳優さんたちはこの映画を教訓とすべきだろうね。
 
映画「かけひきは、恋のはじまり」
http://www.kakekoi.com/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (341)

2008年11月16日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「ダイアリー・オブ・ザ・デッド (Diary of the Dead)」である。現在、日本でも劇場公開中のようだ。ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督による典型的なソンビ映画だ。
 
死人が徘徊して人間を襲うソンビ現象が世界各地で始まった。米国政府は報道管制をして事実の隠蔽をする。テレビではソンビの事など一切報道されないのだ。ソンビに襲われた人もソンビになり、ゾンビの数はネズミ算式に増加していく。噛まれただけでもゾンビになるのだ。
大学の映画サークルのメンバーたちは深夜にホラー映画の撮影をしていた。監督はジェイソン・クリードだ。そんな時にソンビ現象が発生している事を彼らは知る。そこで、彼ら8人は、ゾンビの襲撃から逃げて、安住の地を求めて、キャンピング・カーに乗って移動する。真実を伝える目的で、ジェイソンはビデオ・カメラでその一部始終を撮影する。その映像を編集するのがジェイソンのガールフレンドのデブラだ。彼らは次々にゾンビたちにやれれて、ゾンビ化していく。遂にはジェイソンまでも・・・。
 
それにしても、この緊迫感のなさ、間延びした井戸端感、何なんだろう? なぜにゾンビ現象が発生しているのか説明もなければ、なぜに報道管制されているのかも見せていないから、不条理なだけの意味のない映画になっちゃっている。まぁ、ゾンビ映画ってのは不条理の巣窟なんだけどね。
この映画は、ジェイソンとその仲間たちがビデオ・カメラで撮影した記録映像、ビデオ日記だという事で見せている。そう、前述の映画「クローバーフィールド」の個人撮影という手法をパクっちゃっているのだ。映画「ブレアウィッチ・プロジェクト」、スペイン映画の「レック (REC)」のように、その手法をやっちゃっている映画は少なくない。「レック (REC)」は米国でリメイクされたようだ。でも、その手法って全然面白くないんだよねぇ。ありきたりのゾンビ映画にその手法を持ち込んでも、何ら新しいものはないしなぁ。今どき、30年前の映画「ゾンビ」から何も進化していないベタなゾンビ映画なんか見せられても、意味ないぢゃ~ん。撮影した映像を動画サイトにアップロードして一般公開したり・・・と、ネット関係の新たな面を見せようとしているものの、それも空振りに終わっているねぇ。そして、案の定、撮影していたジェイソンまでもカメラの前で殺されてしまうんだものなぁ。何も解決されることもなく、ストーリーが完結するわけでもなく、余韻を残すわけでもなく、ブッツリと映画が終わっているのも、他のこの手の映画と同じだ。こ~いう映画の金太郎飴状態、もうそろそろやめないか?
 
映画「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」
http://www.diaryofthedead.jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (340)

2008年11月15日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「トロピック・サンダー 史上最低の作戦 (Tropic Thunder)」である。日本では来週の週末から劇場公開されるようだ。
 
ベトナム戦争の映画を撮影をしていたが、ヘボ役者たちが原因で、撮影が打ち切りにされてしまいそうになる。そこで、原作者と監督はヘボ役者を騙して、彼らを本当の戦場のジャングルへと連れて行く。監督は地雷ですぐに死去。ヘボ役者たちのサバイバルが始まり・・・。
 
これだけ笑いのないコメディ映画って初めて見たなぁ。ねぇねぇ、どこか笑えるところあった? あまりにもつまらないものだから、腹が立ってくる。そ~いうクソ映画だったのさ。
 
映画「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」
http://www.shijosaitei.jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (339)

2008年11月14日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の邦画「ハッピー・フライト」だ。今週の週末から劇場公開のようだね。
 
副操縦士の鈴木はホノルル行きの便を操縦することになった。それが機長へ昇進するための最終実地試験だ。急な変更で、鬼教官の原田機長が鈴木の操縦を審査することになってしまい、鈴木は緊張する。一方、その便が初の国際線の仕事となるキャビン・アテンダントの斉藤。チープ・パーサーが鬼の山崎だと知り、斉藤は戦々恐々とする。その便の出発と飛行中に数々のトラブルが発生し・・・。
 
コメディ映画になっているものの、人間模様がありきたりすぎて、たいして笑えないのだ。細切れのコミカル・シーンのほとんどはオチが先読みできてしまうというベタなもので、笑いのレベルがかなり低い。全日空の全面協力によって、航空機業界におけるウンチクの数々を見せているが、それもたいした事がなくて、私が初めて知ったウンチクはひとつもなかった。ミスやトラブルに対処する裏ワザをいろいろと見せているんだけど、そこまで全日空の手法を見せていいんかい?と思うのは私だけであるまい。ただし、その見せ方はヘタだ。映画全体として、このような内容のものが面白いか?と言われると、私の答えは「ノー!」である。金を払ってまでして見る価値のない映画だ。1年後くらいにテレビで放送されることだろうから、それを見ような。
 
映画「ハッピー・フライト」
http://www.happyflight.jp/index.html
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (338)

2008年11月13日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の邦画「ハンサム・スーツ」だ。現在、劇場公開中のようだね。これまた、どぉ~しょ~もないラブ・コメだな。こんな映画を作っているから、いつまでたっても邦画ってつまらないのだ。
 
琢郎は定食屋を営む33歳。容姿が悪いので女性には全く縁がない。美人のアルバイト女性に告白したがフラれてしまった。そんな時、彼は紳士服店でハンサム・スーツを勧められる。それを着るとハンサムになるという不思議な力があるのだ。琢郎はハンサムに変身して杏仁と名乗り、モデルにスカウトされてスターになっていく。
 
この映画にも全く笑える箇所がなかった。ホント、つまらないのである。登場人物たちのキャラは個性的ではあるが、その描写には深みが全くない。特に、琢郎のトラウマの表現がないし、彼の小さな幸せ探しの挿話もぜんぜんなっておらんじゃないか。「ドラえもん」や「笑うセールスマン」にでも出てきそうなスーツのアイディアもいまひとつ消化しきれていなくて、スーツが開発された目的やその効用の副作用にヒネリもなければ、最後のドンデン返しも想定内でサプライズになっていない。ストーリーも脚本もアマチュアのレベルを脱していないのである。こんなので面白いとか笑えるとか思って作っているのだろう。専門学校の生徒が卒業制作で作る映画じゃないんだから、こんな才能のない奴らに監督や脚本をやらせるなよなぁ。ったくもぉ、どぉ~しょ~もない映画だ。こんな映画は絶対に無視しよう。
 
映画「ハンサム・スーツ」
http://www.handsome-suits.com/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (337)

2008年11月12日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「セックス・アンド・ザ・シティ (Sex And The City)」である。
 
ストーリーは略。何ヵ月か前に試写会で見てきた。長い映画である。本編が2時間30分弱もあるようだ。しかし、ぜんぜん面白くなくて、何の意味もない映画だから、私はラストまで見る気がしなかった。退屈で耐えられなくなり、1時間50分くらいのところ(ちょうど、寿司の女体盛りのシーンのあたりだ)で私は会場を出て帰ってきたのだ。だからどんな結末の映画なのか知らない。いや、どんな結末になっているのか興味のカケラすらない。勝手にやってろ、バーカ!ってな感じなのだ。こんな映画がオシャレだと思い込んで協賛しているバカな企業は絶対に信用しないほうがいいぞ。どんな企業がこれに協賛しているかは、各自で調べよう。
 
映画「セックス・アンド・ザ・シティ」
http://sexandthecity-movie.gyao.jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (336)

2008年11月11日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト (The Rolling Stones - Shine a Light)」である。この映画は来月に日本でも劇場公開されるようだ。
 
ローリング・ストーンズの2006年のニューヨークでのライブを撮影し、それにバックステージの様子や過去の映像などを挿入して映画にしちゃった・・・ってのがコレである。撮影方法や映像挿入に芸がない。創意工夫ってものが感じられないのである。メインとなっているライブにしても、ストーンズの音楽には全く興味のない私としては、何ら訴えるものを感じられず、暇つぶしとしてもかなりつらい。これがテレビで放送されているライブ番組だとしたら、私はすぐにテレビのスイッチを消すだろうな。
ってことで、この映画はストーンズが好きな人だけどうぞ。
 
映画「シャイン・ア・ライト」
http://www.shinealight-movie.jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (335)

2008年11月10日 映画
 
本日のクソ映画は2008年の米国映画「イーグル・アイ (Eagle Eye)」である。現在、日本でも劇場公開中のようだ。
 
主人公はジュリー・ショー。彼は大学を休学してコピー屋で働き、貧乏な生活をしていた。彼は小さなアパートでひとり暮らしをしているが、その部屋の家賃を滞納するほどだ。ある日、ジュリーの双子の兄、イーサンが交通事故死してしまったと彼へ電話で連絡があった。イーサンは空軍に勤務するIT開発担当の天才的科学者だった。ジュリーは教会での葬儀に参列する。
その直後、ジュリーの身に不可解な事が起こる。彼の銀行口座には75万ドルもの大金が振込まれていて、アパートに帰ってみると、大量の荷物が届いていた。荷物の中を確認してみると、それは、銃器、弾薬、暗視ゴーグル、戦闘機のマニュアル、そして爆薬の原料となるアンモニア硝酸塩だった。テロリスト、国家反逆罪の容疑で、対テロリスト監督官のトム・モーガン、空軍特別捜査官のゾーイ・ペレスがジュリーを追う。何が起きているのかわからないまま、ジュリーは誰なのかわからない女性の声の電話からの指示を受けて逃亡する。その声の主は、携帯電話の通信の全てを自由にコントロールし、道路や鉄道の信号機を操り、街中の防犯カメラからジュリーの動向を監視し、街中の電光掲示板やネオンサインでジュリーに指示を与えてくるのだった。
一方、レイチェル・ホロマンという女性がいた。小学生の息子が所属している吹奏楽隊がワシントンDCでの行事で演奏する事になっているので、駅まで息子を送りに行く。その後、彼女の元にも、同じ女性の声での電話がかかってきた。言う事をきかなければ、息子の乗った列車を脱線させるぞと脅迫してきたのだ。仕方なくレイチェルは指示に従うことに。
そして、声の指示によりジュリーとレイチェルが出合った。彼らを追ってくる警官たちは、あの声の主が遠隔操作している交通信号やクレーンで妨害されてしまう。
彼らに指示をする声の正体は? その目的とは?
 
古臭さがプンプンするつまらない映画だね。電話の声の正体は国防総省のコンピュータで、人工知能を持ったそのコンピュータが管理する人間の手を離れちゃって、人間に敵対して暴走しているという、使い古されたシチュエイションなんだもの。そして、コンピュータが信号を変えたり、防犯カメラでジュリーらを監視して、ジュリーに指示を与えていたことになっちゃっている。以前に映画「ダイ・ハード 4.0」の時にも書いたんだけど、ネットワークに接続されていない信号機や防犯カメラを勝手にネットワーク経由で操作できるわけがないんだけどなぁ。そ~いう、数十年前のSFのような、コンピュータに支配されている管理社会を題材にしてもしょうがないじゃないか。それにさぁ、それほどすごいコンピュータのくせに、双子の兄の替わりに弟のジュリーが音声認証パスワードを破ることができるとは、バカらしいほど非現実的だ。そして、最後には、案の定、暴走コンピュータを破壊して、大統領暗殺を止めて、ジュリーとレイチェルがラブラブになっちゃっている。とほほ・・・。全く楽しめなかったよぉ、こんな映画。
 
映画「イーグル・アイ」
http://www.eagleeyemovie.com/intl/jp/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (334)

2008年11月9日 映画
 
本日の映画は2006年の米国映画「幻影師アイゼンハイム ~ イリュージョニスト (The Illusionist)」である。スティーヴン・ミルハウザー著の小説「Eisenheim The Illusionist」を映画化したものである。私はこれの原作本を読もうと以前から思っていたんだけど、読む機会を逃してしまい、読まずに映画のほうを見てしまった。だから、私は原作本の内容との違いはわからない。

舞台はオーストリア帝国のウィーン。いつの時代なのか明示されていないが、街を馬車が走り、鉄道がある様子からすると、19世紀末のような気がする。
エドワードは家具職人の家に生まれた。エドワード少年はマジックに興味を持ち、独学でマジックを勉強して、数々のワザの訓練を行なう。そんな時にエドワード少年は公爵令嬢のソフィーと知り合い、お互いに惹かれていくのだが、身分の違いから、ふたりの仲は公爵側によって裂かれてしまうのだった。絶望したエドワード少年は家出をして、世界中を周り、マジックのワザに磨きをかけたという。そして15年の年月が流れた。
エドワードはアイゼンハイムという芸名を名乗る一流のマジシャンとなってウィーンに帰ってきた。ウィーンの劇場での毎晩のアイゼンハイムのイリュージョン・ショーは大人気となり、いつも満員だ。その噂から、皇太子とその一行が劇場までショーを見にやってきた。その一行の中に、あのソフィーがいたのだ。ソフィーは皇太子妃になるとの噂になっていた。アイゼンハイムは思わぬソフィーとの再会に驚き、ソフィーと皇太子の仲に困惑する。アイゼンハイムがエドワードである事を知ったソフィーは、アイゼンハイムを訪問し、その後も密会を重ね、ふたりは愛し合う。
ユール警部はマジックに興味を持ち、アイゼンハイムのショーを見て感銘を受けた男だ。ユール警部はウィーンの治安を守り、皇太子の警護も担当する皇太子の側近でもある。ユール警部はアイゼンハイムを呼び出し、ソフィーとの密会について警告をする。
その後、皇太子からの招待があって、皇太子の城にてアイゼンハイムはショーを行なう。皇太子はアイゼンハイムのマジックのタネを見破ることができずに非常にイラつく。そんな傲慢な皇太子に嫌気がしているソフィーは、皇太子の元から逃げてしまいたいとアイゼンハイムに打ち明けるのだった。
アイゼンハイムとソフィーの仲は、ユール警部のタレコミによって皇太子も知ることになり、嫉妬した皇太子はソフィーを呼び出す。そして、ソフィーから「殿下とは結婚する気はない」と言われてしまった皇太子は、ソフィーを平手打ちし、逃げるソフィーを追いかけた。刺されて血まみれになったソフィーは馬に乗って逃げるのだった。翌朝、郊外の池に浮いているソフィーの死体が発見された。ユール警部はソフィーの衣服に付着していた宝石から、皇太子がソフィーを殺したと直感する。アイゼンハイムはユール警部に「皇太子が殺したんだ」と詰め寄るが、ユール警部は「証拠はない」と否定するしかなかった。
その後、アイゼンハイムのショーの内容が一変した。彼は舞台の上で死者たちの霊魂を呼び出すショーを始めたのだ。観客はその生々しい霊魂の姿に熱狂し、アイゼンハイムの霊能力を絶賛する。ある時、舞台の上に登場したのはソフィーの霊だった。ソフィーを殺したのは皇太子ではないかという憶測が観客たちの間にもあったので、「皇太子に殺されたのか?」と観客たちはソフィーの霊に向かって言い出して騒ぎになる。監視に来ていたユール警部は舞台の上に駆け上がり、「不安を煽り、秩序を乱す行為だ。帝国に対する侮辱と脅威だ」と宣言してアイゼンハイムを逮捕してしまうのだった。ユール警部はアイゼンハイムの能力を絶賛しながらも、皇太子が殺したという決定的な証拠がなく、彼自身が激しく動揺する。もうソフィーの霊は出さないと約束したアイゼンハイムは釈放されて、彼は最後のショーを行なうこととなる。そのショーとは、彼自身が霊魂のようになって消えていくというものだった。その後の彼がどうなったのか誰も知ることはなかった。
一方、ユール警部はソフィーが刺されたと思われる納屋から、もう1つの宝石を発見した。それは、皇太子の剣に付いていた宝石だ。それを決定的な証拠として、ユール警部は皇太子に詰め寄る。そして・・・。
 
 
正直に言うと、この映画はなかなか良くできていると思う。だから毎度のようにクソ映画、カス映画、バカ映画、デス映画、・・・と見下して評価すべきものではないだろう。ストーリーは良くできているし、無駄なシーンも見あたらない。最後のドンデン返しの見せ方も良い。アイゼンハイムの役も、ユール警部の助演も良い。ラスト・シーンで、駅のホームでユール警部が事の真相を理解して「アイゼンハイムよ、やってくれたな!」と脱帽して微笑む姿には、ユール警部と一緒になってアイゼンハイムに拍手したい気分になる。これほど良くできている映画はめずらしいと思う。
ただし、そのドンデン返しってのが、映画の途中で私にはある程度の想像がついてしまったのだ。ソフィーが刺されたというそのあたりからがアイゼンハイムの仕組んだイリュージョンになっているというのは「想定内」だった。その点ではちょっとだけ残念だ。どんなドンデン返しなのか気になる人は、お近くのレンタルDVD店で借りて見よう。
それと、ソフィーがいまひとつ魅力に欠けているのが痛い。アイゼンハイムはどうしてそんなソフィーの為に人生を張ったイリュージョンを仕掛けたのか疑問に思えるのは私だけであるまい。

そして、毎度毎度の疑問がある。それは、なんでオーストリア人たちが全員、英語で会話しているんだろうか?ってことだ。英語で会話しているし、観客たちは霊魂の姿に熱狂しているものだから、なんだか英国での話のように見えてしまう。ホント、英国人って心霊関係が大好きだからねぇ。
 
ちなみに、この映画の音楽は、現代音楽の作曲家としては有名なフィリップ・グラスだ。ストーリーも映像も良くできているものだから、音楽には全く印象が残らなかったなぁ。
 
映画「幻影師アイゼンハイム ~ イリュージョニスト」
http://www.geneishi.jp/
 
 

 
 

 

映画嫌い (333)

2008年11月7日 映画
 
本日のクソ映画は2006年の米国映画「消えた天使 (The Flock)」である。
 
米国のニュー・メキシコ州のイナカ町。DPS(公共安全局)の監察官であるエロル・バベッジが主人公だ。彼の仕事は、「性犯罪者」としてDPSのリストに登録されている人物の住居を訪問し、生活の現状を調査したり、尋問したりして、性犯罪の再犯を防止することである。バベッジは3週間後にその仕事を退職することになっており、後継者として雇われた新人女性・アリスン・ラウリーに仕事を教える為に、一緒に行動して元・性犯罪者の家を訪問してまわる。そんな時に、その町に住んでいる17歳の少女、ハリエット・ウェルズが誘拐される事件が発生した。バベッジは元・性犯罪者が誘拐したのではないかと調査を始めるのだが・・・。
 
めちゃくちゃ退屈な映画である。ストーリーが地味すぎだ。ふらふらしてつかみどころがない。よくもまぁ、こんなクソ・ストーリーを映画化する気になったよなぁ。何を言いたいのか、何を見せたいのかさっぱり見えてこないままに映画が終わってしまうのだ。ストーリー自体に何ら面白みがないし、性犯罪者の異常性の描写も物足りない。性犯罪、登録リストってものに一石を投じるってな具合にすらなっていないぞ。伏線も何もなく、横道のストーリーが無駄に多くて邪魔だ。
人物描写がヘタだから、バベッジの人間性がちゃんと見えてこないのがこの映画の最もダメな部分だろう。妙に屈折した正義感があって、精神的に危ない人間であるのはわかるんだけど、それ以上に何も見えてこない人間だから、最後のシーンでの彼の行動の意味、真意もちゃんと見えてこないのだ。だから、すっごいヘナチョコ映画にしか思えない。バベッジを演じているのはリチャード・ギアなのであるが、この役には適任だとは思えないなぁ。
原題の「The Flock」ってのは「群れ」ってな意味で、性犯罪者たちのことを示しているようだが、この映画ではそのタイトルが全然マッチしていない。その上に、邦題を「消えた天使」としているのもマッチしていない。誘拐された少女の事を示すタイトルであるが、それがこの映画のメインのストーリーとは言い難いからだ。そのような原題、邦題からしてつかみどころがない、どうしょうもない映画ってなわけだ。
 
映画「消えた天使」
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id327741/
 
 

 
 

 
 

映画嫌い (332)

2008年11月6日 映画
 
本日のクソ映画は2007年の米国映画「プレモニション (Premonition)」である。
 
主人公は主婦のリンダ・ハンソン。リンダは夫のジムと、2人の娘と、一軒家で平和に暮らしていた。
ある日、リンダは2人の娘を学校まで車で送った後、家で家事をしていると、警官がやってきて、ジムが交通事故で即死した事を告げられた。リンダはその現実を受け入ることができず、学校から帰ってきた娘にもその事実を告げられずにいた。心配した実母が家にやってきたけれど、リンダはどうして良いのかわからない。実母の勧めでリンダは眠るのだった。
リンダが目覚めると、家の中には普段のようにジムがいた。ジムが死んだというのは夢の中の出来事だったのか? いつものような平和な家庭があり、リンダは安心してジムとベッドで眠る。
ところが、リンダが目覚めると、家の中には喪服を着た親戚や友人たちがやってきていた。これからジムの葬儀があるのだ。リンダは本当にジムが死んでしまったのか疑う。リンダは葬儀屋の運んできたジムの遺体を見ようとすと、棺の中は頭部が分離したジムの遺体があった。
リンダが再度、眠りについて、目覚めると、ジムは生きていた。リンダが眠り、目覚めると、ジムが生きている世界と、ジムが死んでしまった世界の2つの違う世界を行ったり来たりしているということに気がつく。ベッドの枕元には見覚えのない抗鬱剤の瓶が。長女の顔には見知らぬ多数の傷が。2つの世界にリンダは翻弄・錯乱されていき・・・。
 
リンダを演じているのはお馴染みのサンドラ・ブロックだ。
2つの別の世界ってものを、まるでパラレル・ワールドのように見せているんだけど、実は、ジムが死ぬ前と、死んだ後の2つ時間を行ったり来たりしているという、一種のタイム・スリップものだったのである。このオチには私は椅子からずり落ちてしまったぞ。タイム・スリップものだから、勿論、なぜにリンダの身の上に時間移動の現象が起きているのか説明が一切ない。そして、リンダはなんとかジムの交通事故をくい止めようとするというストーリーに暴走していくわけだ。やはりそうきたか。あぁ、つまらない。この結末を知りたい人だけ、映画を見てくれたまえ。あまりにもくだらなくてタメ息が出てしまうだろうけど。
 
映画「プレモニション」
http://www.cent-21.com/movie/2007/premonition.htm
 
 
追記:
この映画は2009年1月末より「シャッフル」のタイトルにて日本で劇場公開されるようだ。
日々が「シャッフル」されちゃっているわけでもないのに、なんでこんなヘンテコな邦題にしちゃうんだろうね。邦題の担当者ってかなり頭が悪いんだろうなぁ。その邦題を認可しちゃう会社上層部もバカだね。

映画「シャッフル」
http://shuffle-movie.com/



 
 

 
 

映画嫌い (331)

2008年11月5日 映画
 
本日のクソ映画は2002年の英国映画「バトル・ブレイク (Diamond Cut Diamond)」である。バカバカしい原題に失笑だが、その邦題までもバカバカしいぞ。内容はもっとバカバカしいんだよなぁ、これが。

南アフリカ共和国の隣国であるシエラドラド共和国(架空の国だね)にウンダラ大統領による新民主政権が誕生した。しかし、反政府ゲリラがダイアモンドの違法取引きにて資金を得て、政権転覆を狙っていたのだった。
英国軍の特殊部隊の訓練師範、ストロング大尉が主人公だ。英国で大臣を勤めるグローブナー卿がストロング大尉を呼び出して、新たな任務を指示した。その任務のひとつとは、南アフリカ共和国に滞在している英国・海外開発庁のフェアクリフ長官に機密書類を渡すことだ。フェアクリフ長官はウンダラ大統領の民主政権に協力する活動を現地で行なっている中心人物なのだった。そして、ストロング大尉へのもうひとつの指示とは、グローブナー卿の屋敷で暮らしているドイツ人娘のモニカをその旅に同行させて護衛することだ。
ストロング大尉はモニカを連れて、南アフリカ共和国のヨハネスブルクに飛ぶ。空港に出迎えに来ていたのは英国大使館員になりすましていたゲリラだった。ストロング大尉は彼らがニセモノであることを見破って倒し、フェアクリフ長官が滞在しているホテルに到着する。ストロング大尉とかつて恋仲にあったテレビ・レポーターの女性・クリスティンがその場に取材に来ていた。
その後もゲリラからの執拗な攻撃があり、モニカとクリスティンはゲリラに捕らえられてしまう。ストロング大尉はゲリラのアジトに潜入し・・・。
 
007シリーズの幼稚なパクリをやっちゃった映画だ。めちゃくちゃ安っぽい。ちゃんとストーリーが組み立てられていないものだから、意味不明な部分や、マヌケなだけのシーン、矛盾しているシチュエイションがたくさんあるのだ。
たとえば、最後まで見ても、なぜにモニカが同行したのか、その理由や目的がさっぱりわからないのだ。単にゲリラに捕まりに行っただけか? ストロング大尉がゲリラのアジトに攻撃を仕掛ける理由をこじつけるだけの渡航にしかなっていないじゃないか。
そして、戦いの最後のシーンの矛盾にも失笑だ。ゲリラのボスが持っていた手榴弾が足元で爆発して、その瞬間にストロング大尉がモニカを抱きかかえて逃げて伏せるっていうシーンなんだけど、手榴弾が爆発した位置とストロング大尉との位置関係がすごくへんなのだ。爆発地点から逃げながら伏せているのに、なんで逃げる方向の左前方で爆発が起きているんだ?

クリスティンがゲリラに捕らえられて、ゲリラのアジトの様子を隠し持っていた小型ビデオカメラで撮影しているのもマヌケだ。おぃ、ゲリラ、ちゃんとボディ・チェックして、ビデオカメラくらい見つけて取り上げろよな。
ゲリラのアジトの牢の中に捕らえられているクリスティンが、ゲリラのボスに呼び出されて、ボスの部屋に行くんだけど、ボスが電話をかけているところをそのカメラで盗撮されちゃっているのもマヌケだ。ボスならそれくらいの事に気がつけよ。っていうか、ボスがなぜにクリスティンを呼び出したのかもさっぱりわからないのだ。お前、何の用件でクリスティンを呼び出したんだ? 結局、その盗撮映像で墓穴を掘る展開になるんだもの、すっごいマヌケだ。
牢に戻るクリスティンをストロング大尉が救出するんだが、更にマヌケな事に、クリスティンが牢に戻っていないことをゲリラの誰も気が付いていないのだ。この危機管理のなさ、なんなんだよ? こんなアホなゲリラが政府転覆をできるのかね?

それにさぁ、モニカとグローブナー卿の関係も最後まで見てもわからないってのも、すっごいマヌケだよなぁ。
デキソコナイのパチもの007、恐るべし!
 
映画「バトル・ブレイク」
http://www.imdb.com/title/tt0275611/
 
 

 
ちなみに「Diamond Cut Diamond」のタイトルで公開されたのは米国だけで、英国で公開された時の原題は「Witness to a Kill」だったようだ。
 

 
 

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