映画嫌い (234)

2008年2月11日
 
本日のカス映画は2006年の米国映画「チェックメイト (Final Move)」だ。

舞台は米国のロス。連続猟奇殺人事件の犯人・トーマス・ペイジが逮捕された。裁判で死刑の判決を受け、そして死刑が執行されたのだった。その直後から、同じ手口の連続殺人事件が発生する。

主人公のダン・マーロウは超能力刑事だ!(あのなぁ・・・)
ダンはかつてその透視能力でトーマス・ペイジが犯人であることを突き止め、ペイジの逮捕のキッカケを作った男だ。犯人が現場に残したDNAとペイジのDNAが同一であることが判明し、それを証拠に裁判で死刑判決が下ったのだった。
ペイジはすでに死刑執行されているのに、なぜに同じ手口の連続殺人事件が? それも、殺人犯と警察しか知らない手口が再現されているのはナゼだ?
ダンとその相棒のローマン・クリーグ刑事が再び捜査を担当する。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/checkmate.jpg
ペイジ事件で一緒に捜査を行なっていたFBIの女性捜査官・アイリス・カーリーも捜査に加わった。
 
犯人からダンの携帯電話に何度も殺人予告電話がかかってくるが、犯人の手がかりとなるものを得られない。ダンの透視能力も不十分で、犯人の手がかりを何もつかめない状況だ。新たな連続殺人事件の被害者は、かつて何らかの事件で逮捕されたが裁判で無罪になった人、弁護士、裁判官らだが、共通の事件はなく、被害者たちのつながりがさっぱりわからない。数名の容疑者を取り調べて、犯人が現場に残したDNAとの比較を行なうが、それも空振りに終わる。ペイジを犯人とした連続殺人事件には別の真犯人がいるのではないかという不安もよぎる。犯人のDNAを分析したところ、それはペイジのDNAと一致することも判明した。死刑になったペイジのDNAがなぜに現場に残っているのか? 犯人は警察の捜査を撹乱しようとしているのか? 犯人はペイジとの何らかのつながりのある人物か?
そして、犯人はダンの家族をも狙ってきた。犯人は誰だ・・・?
 
 
ショボい映画だなぁ。ショボすぎるよ、これぇ〜。
まず、ダンを超能力刑事ってな設定にしておく意味がないでしょ。その超能力でズバズバと捜査を指揮しているわけでもないし、透視しようとしても、短く幻覚を見るだけで、捜査に役立つ事は何も見抜けていないじゃないか。そもそも透視する回数も少なすぎで、透視に失敗しても、何度かリトライする事すらしていないんだもの。だから、超能力だなんていう嘘くさい設定なんかやめちゃって、普通のおっちゃんの刑事ってことにしておいたほうがいいんじゃないのぉ?
 
そににさぁ、真犯人が誰なのか、私はすぐにわかっちゃったんだもの。だからかなりショボいんだよなぁ。いや、真犯人の動機は見終えるまではわからなかったよ。でもねぇ、こ〜いう映画って、真犯人は主人公の身近な人物だって想像がつくでしょ。だから見ているとピンときちゃった。更に見ていると、その通りに真犯人を裏付けるシーンが何箇所もあって、それがますます確信になっちゃって、最後にはやはりこの人物が真犯人か!って笑っちゃった。全然、サプライズになっておらんぞ。そんな事さえ見抜けないダンの超能力って何なんだろうねぇ。細木なんとかとか、江原なんとか、宜保なんとかのようなニセ能力でダンは刑事の商売やってんのかねえ? ダンの超能力よりも防犯カメラの画像ほうが捜査に役立っているんだものなぁ、ショボいよなぁ。
で、真犯人のその動機もショボいんだよなぁ。そんなくだらない動機で何人も関係のない人たち殺すなよなぁ・・・とアホらしくなっちゃう。どんなショボい動機だったのかは教えてあげない。
 
で、そのショボさで笑ったのが、容疑者の取り調べをするシーンだ。容疑者には数名の男女があがっていて、犯人の残していったDNAと容疑者から採取したDNAを比較しようとしてんの。犯人の細胞が現場に残っていたのならば、わざわざ染色体の中からDNAを抽出してその塩基配列を解析して比較するまでもなく、染色体それ自体(X染色体、Y染色体)の構成から、その細胞が男のものなのか女のものなのかわかるはずだぞ。それなのに、男も女も容疑者の中にいるってのは、相当のおバカだ。もぅ非科学的ったらありゃしない。
 
映画の全体にチェスのシーンが何度も出てきて、殺された被害者がチェスの駒を握っていたり・・・と、何かとこの事件をチェスに関連させようとしているのもセコいよなぁ。そんなチェス関連のシーンが多いから邦題を「チェックメイト」にしちゃったのかなぁ。主人公のセリフの中に一度だけ「チェックメイト」ってのがあるけどなぁ。原題は「最後の一手」ってなチェス用語だけどさぁ、このストーリーって無理矢理とチェスにこじつけようとしているだけで、チェスにはほとんど無関係だろ。だから、だらだらしたチェス関連のシーンも全てカットしちゃったほうがスッキリすると思うぞ。
 
ちなみに、この映画を日本で配給しているのが、あの「アルバトロス・フィルム」だ。ってことで、それだけで、この映画のチープさがわかっちゃうだろうな。
「アルバトロス・フィルム」って何?ってな人は過去ログを見ようね。
 
ってなことで、こんなショボい映画は無視しような。
 
 
映画「チェックメイト」
http://www.albatros-film.com/title.phtml?route=&;;;titleid=621
 
 

 
ちなみに、米国では警察やFBIが捜査活動に超能力を使っていると思っている人が米国にも日本にもいるようだが、そんな事はほとんどないし、米国の犯罪史上、実際に超能力が役に立ったことは一度もないのだ。

「FBI超能力捜査官」として日本では知られているジョセフ(ジョー)・マクモニーグル(正しくはマクマニゴーと発音すべきなんだけどね)もインチキである。まず、FBI超能力捜査官ってのがウソ。FBIとは何も関係がないオッサンなのだ。FBIの職員だったことなんかない。FBIは超能力者など雇っちゃいないし、捜査に超能力など使っちゃいない。彼の著書の邦題まで「FBI超能力捜査官」になっているけれど、トンデモない経歴詐称しているインチキ・オッサンなのだ。FBIの予算は米国の連邦議会が握っており、超能力捜査官を雇うだけの予算を議会が承認するわけがない。(同様に、NASAの予算も議会が握っており、UFOや宇宙人を隠蔽する予算なんかもNASAに与えられていないんだけどなあ。情報公開法によってその会計資料はいくらでも公開請求できるんだから、疑うんだったら自分で調べてみなさいな)

マクモニーグルが出演している日本のテレビ番組での収録でも、実は彼は透視でハズしまくっていて、まぐれ当たりした部分と、事前調査をやって判明している事を言っているの部分だけを編集でつないで放送しているのだ。さも透視が的中しているかのように見せているあの番組はしょうもないヤラセなのである。
 
米国では、行方不明者の家族がワラをもつかむ思いで超能力者に透視を依頼し、その透視結果を捜査の手がかりにと、家族が超能力者を連れてFBIにおしかけるパターンがよくあるのだ。FBIとしては広く情報を収集しなきゃならないので、いちお、その話だけは聴いてあげているんだけど、勿論、FBIは超能力なんか信じちゃいない。その透視内容の真偽はともかく、その超能力者にとっては、「自分はFBIに透視した情報を提供した」っていう実績になっちゃうのだ。だから、FBIに情報提供して捜査に協力した自称超能力者ってことではウソではない。でも、「FBI超能力捜査官」ってのは大ウソだ。

マクモニーグルは本国の米国ではほとんど実績をあげていないから、誰からも相手にされていないのが実情だ。「日本ではまだマクモニーグルが信用されているんだって?」と、米国の超能力肯定派の人からもビックリされてしまうのである。
本当に透視できるなら、三流探偵でも調査できるどうでもいいような家出人の捜査なんかやっていないで、「横田めぐみさんの居場所を教えろよ!」、「世田谷区一家殺人事件の犯人の居場所を教えろ!」、「英国人女性英語講師殺人事件で指名手配されている犯人を捕まえろよ!」って思うのは私だけであるまい。
ちなみに、あのオッサン、坂本弁護士の居場所や、サダム・フセインやビン・ラディンの居場所の透視に失敗した前科がある。
 
日本では最近、ブラジル人のジュセリーノっていう男が大予言者ってことでかつぎ出されているけれど、あれも全くのナンセンス。
彼の過去の実績として、9.11同時多発テロなど、彼の予言した事件・事故が実際に起こったという例がいくつか紹介されているが、彼が事前に予言していたという物証は何もないのだ。彼は自分の予言がその事件の起こる前になされていたものだという証拠として、ブラジルの公証役場でその予言を記録した書類を見せて、それに記述されている年月日をあげているのだけれど、ブラジルってさぁ中国なんかと同様にワイロが堂々と通用する社会でさぁ、その手の公証役場ってのはワイロさえ渡せば、どんな記録だって捏造してくれるんだけどなぁ。ブラジルの公証役場の記録なんて何の証拠にもならないんだよ、ジュセリーノくん。
彼の著書を読むと、その著書を出版した時点から過去の事件はあれほど詳細に予言していたことになっているのに、その後に起こるであろう事件の予言についてはどうにでも解釈できるようにめちゃくちゃあやふやな表現にしていて、当たっているのがハズレているのか判断できないような予言とか、完璧にハズレている予言も多いじゃないか。まるで子供騙しだ。すっごい非論理的で笑っちゃったよ。「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」という言葉を思い出したのは私だけであるまい。
彼の著書「未来からの警告」の最後のほうのページで彼が2007年に起こると言っている事を各自で本屋で立ち読みしてチェックしてみよう。もう2007年は過ぎちゃってるからね。ハズレまくってるでしょ。「日本で地震と台風の被害」って、日本では毎年毎年、(規模の差はあるけれど)地震と台風で被害が出てるんだから、そんなの予言になんかなっていないって!
で、彼は、2008年にはHIVウィルスの特効薬が植物から作られると予言しているから、年末まで待って、それで特効薬ができていなかったら、奴を袋叩きにしてやろうな。
 
レントゲンの目を持つロシアの少女ってのもいたでしょ。全身を透視して、どんな病気を持っているのか診断してくれるっていう少女。あれもめちゃくちゃインチキでねぇ・・・。
マクモニーグルと一緒になって日本のテレビ番組に出演している、「マダム・モンタージュ」と呼ばれているナンシーっていう名前のおばちゃんもインチキでさぁ、彼女が透視して解決したことにされちゃっている青森県の消費者金融強盗放火殺人犯のことなんか、ちゃんとインチキのネタがバレているしなぁ・・・。
って、この話題を読みたい人はリクエストをどうぞ。
 

 
 

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