映画嫌い (114)

2006年12月3日
 
今回のデス映画は1995年の米国映画「アドレナリン (Adrenalin)」である。1995年の制作当時から見た近未来である2007年が舞台となっている。2007年って来月じゃんか。
 
冒頭に長々と読み上げられている時代背景がこれだ。
「2007年、社会主義体制が崩壊して18年。東欧諸国は混乱を極めた。各国で暴動や紛争が頻発し、国家は弱体化。文明社会は瓦壊した。環境汚染と犯罪の多発により、経済も人々の心も荒廃した。・・・(長いので中略)・・・。ソ連崩壊で小さな病原体が漏れ出した。そしてそれは西側へ流れていった。猛毒性病原体だ。」
 
近未来が荒廃した社会になって治安が乱れているという、よくある「ディストピア」(ユートピアの反対語)ものである。この冒頭のシーンでは紛争の映像や死体の映像を見せておどろおどろしく時代背景を説明しているんだけれど、ストーリーの本論に入るとチープでズッコケる。かなりせこい映画なんだもの。
 
舞台は2007年の米国のボストン。主人公は女性の新入りの警官、デロンだ。
猛毒性病原体に感染して驚異的なパワーと凶暴性を持った男がいた。彼は人々を惨殺していく殺人鬼となり、それをデロンとその仲間の警官3人が追う。殺人鬼は廃虚となったアパートに逃げ込み、通気坑の中を伝って以前は刑務所だった坑道に入り込む。それを追うデロンたち。制限時刻までに彼を捕まえなければ、病原菌が世界中に蔓延して、人類は滅亡してしまう・・・。
 
この映画も、いわゆる映画「エイリアン」の亜流である。エイリアンを感染した殺人鬼に置き換えて、宇宙船の中ってのを廃虚の通気坑と刑務所に置き換えただけの内容だ。以前にここに書いた洞窟の中の地底人の映画「ザ・ディセント」に相似していて、緊迫感が全くない劣化コピーってな感じになっている。かなり退屈である。かなり安っぽい。防護服で武装した当局の男たちの全員がすぐに殺されてしまう事態なのに、なぜなんだか、主人公だけが殺されずに・・・っていうのがいかにも三流映画のストーリーだ。アドレナリンの分泌が低下しちゃいそうでイヤだな。あぁアホらしい。
 
ってことで、この映画のデス度は星5個。
★★★★★
 
映画「アドレナリン」
http://www.generalworks.com/databank/movie/title1/adren.html
http://us.imdb.com/title/tt0115471/
 

 
 

 

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