映画嫌い (119)

2006年12月8日
 
今回のデス映画は2006年の邦画「椿山課長の七日間」である。浅田次郎の同名小説の映画化である。主演は西田敏行と伊東美咲で、その他には、志田未来、須賀健太なども出演している。
 
デパートに勤務する椿山課長は大忙しのバーゲン中に倒れてしまい、突然死したのだった。
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死後4日目に椿山課長が目を覚ましたその場所とは、天国と地獄の中間に位置する「中陰役所」だった。そこに集まった新人の死者に対して、ガイドのお姉さんの説明が始まる。
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突然死だった椿山課長は、何の準備もしないままにこっちの世界へ来てしまったことをガイドさんに訴え、元の世界に戻ることはできないのかと質問したところ、希望者は初七日までの期限付きで元の世界に「逆送」できるが、それには戻る理由を審査してパスしなければならないと言うのであった。そして、「逆送」を希望した72人の中、厳しい審査をパスしたのは、椿山課長、少年の雄一、ヤクザの親分の武田の3名だけだった。
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孤児で養子となっていた雄一は、本当の両親がどこの誰なのか知らずに死んだので、両親を探し出したいと言う。
ヤクザの武田は刺されて死んだのだが、自分の死が原因でヤクザの抗争が激化しちゃうのをくい止めて、自分の子分たちにヤクザから足を洗わせたいと言う。
そして、椿山課長は、重大な事実を知らずに死んでしまったので、それが理由で審査をパスしたと説明される。
そして、3人は元の姿とまるっきり違う人間に変えられて、元の世界へ戻されるのだった。
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自分の正体の暴露と復讐は禁止されている。期限の初七日までの残り時間はあと3日間だ。
元の自分と違う姿で、雄一、武田は目的を達成できるのか?
椿山課長が知らずに死んだ重大な事実とはいったい何なのか?
 
 
つまらなかった。邦画によくあるコメディ&ヒューマニズムという失敗のパターンをまたしてもやらかしてしまっている。笑いもなければ感動もない。なんでこんな映画ばかり日本では作ってしまうのだろう?
 
しかし、単につまらないって事だけではこの映画はすまされないぞ。この映画ように死後の世界ってのを肯定するのは大問題だ。いくらこの映画がフィクションだと言っても、死後の世界をそのように美化したビジュアル・イメージで見せるのはダメだろ。某テレビ番組で自称・霊能者が前世がどうのとか言って、来世ってのがあって、生まれかわりがあるとする為に、日本の中学生・高校学生の7割以上が生まれかわりを信じちゃっているのが現実なのだ。死んでも生まれかわれる、死はリセット・スイッチだと思い込んで、それで自殺する未成年者の数は相当数あるのが現実だ。未成年者の自殺者があとをたたない昨今、この映画や、あのインチキ霊能者番組はこのような現実にどのように責任を取れるというのだろうか?
 
ってことで、この映画のデス度は星5個。
★★★★★
 
 
邦画「椿山課長の七日間」
http://www.tsubakiyama.jp/
 
 

 
 

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