映画嫌い (125)
2006年12月31日本日のデス映画は2003年の「ドリーマーズ (The Dreamers)」である。
舞台は1968年のパリ。フランスの五月革命の前夜だ。主人公はアメリカから留学でパリに来ている大学生のマシュー。彼は大学の寮に住んでいた。彼は大の映画好きで、連日、映画館・シネマテークに通うが、そのシネマテークが閉鎖の危機となり、映画ファンによる反対運動が起こるのだった。そんな中で、マシューはイザベルという19歳のヘンテコな女性と知り合い、彼女の紹介によりテオという男とも知り合う。テオはイザベルの双子の弟だった。マシューは双子とすぐに親しくなり、ふたりの誘いでマシューは彼らと両親が4人で暮らしているマンションに遊びに行く。
双子の両親はしばらく留守にするということなので、双子はマシューにそのマンションで一緒に暮らすように提案し、マシューはそのマンションに転がり込むのだった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/thedreamers.jpg
そして3人での退廃的な生活が始まる。双子は近親相姦系だ。映画クイズのバツ・ゲームとしてテオはふたりの前で自慰行為をする。マシューへのバツ・ゲームはテオの前でイザベルとの性交だ。
このアブノーマルな3P生活の結末は・・・?
う〜ん、これと言った結末なんてないんだよなぁ。
何の意味のある映画だったんだぁ? これで終わりかよ? ってな終わり方だった。
ストーリー薄すぎ。単に、アメリカンが留学先で経験したヘンテコ体験記のポルノ版ってな内容でしかない。意味のないストーリー、日常の中の非日常、意味もなく出てくる裸、これって、なんだか1970年代の日本のATGの映画のくだならさのクローンのようだ。
ポルノとしてもかなり中途半端だよなぁ。私の見たやつは無修正版だったから、マシューもテオも●●コまる出しだ。他人の●●コなんか見たくないよぉ。イザベルも●●コまる出しなんだけれど、単に頭のイカレた女性にしか見えなくて、全然魅力的じゃないんだもの。
それに、五月革命っていう時代背景を無理に絡ませようとしているのが見苦しいしんだよなぁ。こんなストーリーじゃ、時代を1968年にしなきゃならない必然性がないでしょ。1998年を舞台にしても、2008年の近未来にしてもいいような内容だもの。
ってことで、結局、この映画も全く見る価値のないクズ映画なのである。
ところが、最近、この映画がちょっとだけ話題になってやんの。
イザベルを演じていた女優さんの名前はエヴァ・グリーン(Eva Green)で、話題の映画「007 カジノ・ロワイヤル」でボンド・ガールを演じているからだ。ボンド・ガールが全裸で●●コまる出しの映画がある!ってことで話題になってるんだよなぁ。そんなことぐらいで話題にするなよぉ。君たち、そんなにエヴァ・グリーンの裸を見たいのかぁ?
未成年者禁止だぞ。
http://www.neocelebs.com/fg/e/eva_green_01/
映画「ドリーマーズ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007710SW/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5486/story.html
時代背景を出す為であろうけど、47分頃のシーンで、マシューとテオがカフェで会話している背後で流れている音楽! なんと、ミッシェル・ポルナレフ(Michel Polnareff)の「愛の願い (Love Me Please Love Me)」だ!
正確にはその前年の1967年にフランスで大ヒットした曲である。日本ではポルナレフの大ヒットのデビュー・シングル「シェリーに口づけ」に続く第2弾シングルとして1971年に発売されて中ヒットした。こんな映画にポルナレフが使われるとは思っていなかったから目が点になっちゃった。ポルナレフは大好きだったなぁ。レコードもCDもほとんど持っている。私が生まれて初めて買ったLPレコードってポルナレフのサード・アルバムだもの。
では、その曲「愛の願い」を、フランスでのヒット当時の映像で。
http://www.youtube.com/watch?v=XygZq7X-9m8
この映像でのポルナレフは、髪を黒く染めて、黒い四角のサングラスという風貌である。この状態をファンの間では「第3期」と呼ばれている。
「第1期」というのは、ファースト・アルバムのジャケット写真のように金髪のストレート・ヘアで、サングラスをしていない時期だ。
では、「第1期」の映像で、1966年のフランスでのデビュー曲「ノンノン人形」をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=q6G-m4vu0mo
ただし、これはレコードにはなっていないドイツ語バージョンだ。
「第2期」は髪を黒く染めてパーマにしたが、まだサングラスをしていない姿である。
この映像がそれだ。曲名は「バラ色の心」。
http://www.youtube.com/watch?v=xKGCxJvASuY
そんな目つきをして、頭もなんだかイビツで、それで針金っていうか、マッチ棒っていうか、妙に体が細くて気味が悪いんだけど・・・。
そして、「第3期」は前述のように、「第2期」にプラスして黒くて四角いサングラスである。
では、「第3期」をもう1曲。曲名は「想い出のシンフォニー」。
http://www.youtube.com/watch?v=sSPjDrAFD6Q
目をサングラスで隠して、気味悪さはかなり低減したような気がする。
それで、ついに、ポルナレフは大変身して「第4期」になる。お馴染みの姿だ。金髪のチリチリ・パーマに、白いフチのサングラス。ポルナレフと言えばこの姿だよなぁ。
では、「第4期」の映像で、日本でも大ヒットした「愛の休日」を。
http://www.youtube.com/watch?v=tOtYl6dtahg
その後、ポルナレフはフランスを離れ、ロスに移住して、長い長い「第4期」を過ごす。ヒット曲も出さず。完全に過去の人になってしまった。
1990年代の半ばに「第5期」となった。サングラスはそのまんま。彼はいったいこのサングラスを何個持っているのだろうか? で、髪はストレートのロン毛である。
その時の映像がこれ。ファースト・アルバムに入っていた「君との愛がすべて」をこの時期にやっているのが興味深い。
http://www.youtube.com/watch?v=_ztzJBMmW-Q
ちなみに、この曲はフランスでは放送禁止である。猥褻ソングだから。
で、60才を超えた現在のポルナレフの姿がどうなっているのか気になるのは私だけであるまい。
現在は「第5期」のままだ。今年(2006年)の5月、フランスでのテレビ番組にロスからの衛生中継で出演したのがこれ。
http://www.youtube.com/watch?v=H6qO3AzgmDE
なんだかマンガ「パタリロ!」に出てきそうなキャラになっちゃってるなぁ・・・。
ポルナレフよ、どこへ行く?