そっくりさん嫌い (80)
2006年12月12日久々のそっくりさんシリーズだ。
YouTube のこの動画を見よう。
http://www.youtube.com/watch?v=Nexe_-A2Y3c
この動画に登場しているのは、オランダのバンドで「アース&ファイア (Earth & Fire)」っていう名前だ。1970年代に活躍していた懐かしいバンドである。米国の黒人のバンド、アース・ウィンド&ファイア(Earth, Wind & Fire)とは無関係である。演奏している曲は代表曲の「メモリーズ (Memories)」だ。1972年の大ヒット曲である。
オランダといえば、1970年代にはショッキング・ブルー(Shocking Blue)というバンドが「ヴィーナス (Venus)」などの曲を英国・米国などで大ヒットさせ、フォーカス(Focus)というバンドがこれまた英国・米国でも売れまくり、日本でもかなり人気があった。フォーカスのギタリストのヤン・アッカーマン(Jan Akkerman)は、当時、エリック・クラプトン(Eric Clapton)以上の人気があったのだ。
それまでは、ロック・バンドってのは米国と英国だけのもののように思われていたが、フォーカスの人気によって、その他の国のロック・シーンも注目されるようになり、イタリアからはPFM、デンマークからサヴェージ・ローズ(Savege Rose)、ハンガリーからはオメガ(Omega)、フランスからはマグマ(Magma)、ドイツはらはタンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream)、・・・のように、ヨーロッパの各国のバンドが海外進出を果たし、英国・米国や日本でもレコードを出すようになる。
そんな時に、ショッキング・ブルー、フォーカスに続いて、オランダからの第3のバンドとして海外進出したのがアース&ファイアであった。当初はポップス・バンドで、ポップな曲「シーズンズ (Seasons)」をヒットさせているが、次第に音がプログレ化して、「アトランティス (Atlantis)」、「ゲイト・トゥ・インフィニティ (Gate to Infinity)」、「トゥ・ザ・ワールド・オブ・フューチャー (To the World of Future)」などの素晴らしいLPを発表している。プログレ・コレクターの私もこのバンドの大ファンで、アース&ファイアが出した全ての種類のLP、CDを持っている。特に私は「アトランティス」が大好きで、私の長年の愛聴盤である。
1980年代に入って、アース&ファイアはつまらないポップスをやりだして、人気も衰退し、解散(自然消滅)した。解散後は女性ボーカリストのジャーネィ・カーグマン(Jerney Kaagman)がソロ歌手として一時期活動していたこともあったようだ。
勿論、アース&ファイアは本国のオランダでも大人気のバンドだ。数々のヒット曲を持っている。オランダ人であれば誰でも知っているバンドだ。前述の曲「メモリーズ」も1972年にオランダで大ヒットしている。今となっては、オランダ人の懐メロなのである。
その後、オランダからは、フィンチ(Finch)、エクセプション(Ekseption)、トレース(Trace)、バンザイ(Banzai)、スーパーシスター(Supersister)、カヤック(Kayak)、コーダ(Coda)などのバンドが出てきて、オランダ国外にも進出したバンドもあったが、どれも商業的に満足な成功はできずに終わっている。
では、同じくアース&ファイアの代表曲をもうひとつ。曲名は「メイビー・トゥモロウ (Maybe Tomorrow)」だ。いい曲だねぇ。
http://www.youtube.com/watch?v=nax7rR21E7w
で、そっくりさんの件だなぁ。
よ〜く、以上の2つの動画を見てみると、何がそっくりさんなのかわかるだろう。
向かって右端で黒いギター(ギブソンのレス・ポール)を引いている金髪の長髪で髭のあるムサい男(グレート義太夫みたいな奴)と、左端でキーボードを弾いている男がそっくりだ。ヘア・スタイルから髭の感じまで、全部がそっくりでウリふたつ。全く区別がつなかい。
実はこのふたり、一卵性双生児なのであった。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/earthandfire1.jpg
キーボードが兄のジェラール(Gerard Koerts)で、ギターが弟のクリス(Chris Koerts)だったかなぁ、いや、その逆だったかも知れない。大ファンの私でも区別がつかないんだものなぁ。当時の雑誌などに掲載されていたこのバンドのどの写真を見ても、この双子の兄弟はいつも同じ顔、同じ表情、同じヘア・スタイルで、同じような服装をしているんだもの。楽器を弾いている姿でなければ、どっちがどっちなのかさっぱりわからんし、ナイショで楽器のポジションを入れ替えても気が付かないだろうなぁ。一卵性双生児、恐るべし!
日本でいうと「マナカナ」、「ザ・たっち」だな。以前は「リリーズ」ってのもいたなぁ。「ポップコーン」って双子のお笑いコンビもその昔にいたけれど、知っている人は少ないか。
では、オマケに動画をもうひとつ。その30年後の2002年に、アース&ファイアのボーカルのジャーネィ・カーグマンが単独でオランダのテレビ番組の懐メロのコーナーに登場した姿がこれ。前述の「メモリーズ」を歌っている。
http://www.youtube.com/watch?v=rUWvGIvJoQs
あれから30年だから、今となってはデブデブのオバチャンになっているんじゃないかな?と心配に思ってたけれど、かなりマトモな姿なので安心である。顎から首にかけてちょっとだけ脂肪が付いている程度だ。歌い方も動きも、かなりソフトになっちゃってるなぁ。
で、あの双子は今、どんなオッサンになっているのか気になるのは私だけであるまい。
ってことで、今年の10月に撮影された近影がこれ。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/earthandfire2.jpg
ふたりとも、すっかりジィさんになっちゃっていた。悲しいものがあるなぁ。時の流れって残酷なものだよなぁ。
で、前述の動画の中で元気にドラムを叩いていた青年は、現在、こんなおっさんになっていた。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/earthandfire3.jpg
なんだか、アムステルダムのヤバい裏通りにあるカフェのマスターみたくなっちゃってるなぁ。
アース&ファイア
http://ftp.castel.nl/~wemmg01/ef.htm
http://www.earth-and-fire.nl/
オランダのプログレ
http://homepage2.nifty.com/gdawn/HTML/Holland.htm
マナカナ
http://www.manakana.jp/
ザ・たっち
http://com.horipro.co.jp/profile/21tacchi.html
リリーズ
http://www.purple.dti.ne.jp/suiren-music/