映画嫌い (132)
2007年1月9日本日の映画は2006年の米国映画「バタフライ・エフェクト 2 (The Butterfly Effect 2)」だ。前作の「バタフライ・エフェクト」は見ていないんだけど、どうやら「2」はそれの続編ではなく、別の新たなストーリーのようだ。
主人公はIT会社に勤務するニックだ。彼には写真家志望のジュリーという恋人がいた。
ニックとジュリーは、ニックの親友のトレバーとその彼女のアマンダの計4人で一緒にドライブに出かけた。ドライブ先の海岸で、ニックはジュリーにペンダントをプレゼントしてプロポーズする。
http://okurahoma777.hp.infoseek.co.jp/bf2.jpg
ところが、そのドライブの帰路で、4人の乗った車が交通事故にあい、ニックを除く3人が死んでしまう。ニックは重傷だった。
ジュリーを失ったニックは、しばらくして悲しみから立ち直り、仕事に復帰した。ニックはあの事故の後、たびたび頭痛に襲われるのだった。顧客への説明会で、プロジェクターに映し出された写真を見たニックに頭痛の発作が起こる。その不祥事により彼は会社を解雇されてしまうのだった。
そして、自宅に戻ったニックは、あの事故の直前にジュリーがデジカメで撮影していた写真を見ていると、またしてもニックは頭痛に襲われる。そして、その瞬間に、その写真の場面の中、すなわちその写真を撮影していた時間・場所へと自分が戻っていたのだ。必死に事故を回避しようとするニック。危ういところで事故は回避できたが・・・。
気がつくと、ニックは元の世界へ戻っていた。そこにはジュリーの姿があった。ニックは過去に戻って歴史を変えてしまったのだ。
その後もニックは写真を見ると頭痛がして、写真の場面の中へと入り込む。そして、自分が仕事で成功するように歴史を操作していく。改竄された歴史の結末は・・・?
デスです。
ストーリーがデスだ。穴だらけなんだもの。
この手の歴史改竄ものは以前にここで書いた「イフ・オンリー」、「イル・マーレ」、「オーロラの彼方へ」なんかがあるけど、そのようなやつって、どれもこれも、タイム・パラドックスがあちこちにあふれて、同じような感じになっちゃってるんだよなぁ。バカらしいよなぁ。これなんか過去に戻って恋人を救う「イフ・オンリー」にかなり似ているもの。「もしも昨日が選べたら」の要素もちょっとだけ入っているなぁ。
最後のほうのシーンで、実はジュリーが妊娠していたとわかる事になているんだけど、最初に交通事故回避した後のシーンがそれと矛盾しているぞ。ジュリーは出産していないんだからさぁ。
それに、体質遺伝ってことを持ち出しているのも無理な設定だしなぁ。かなりストーリーがそれで胡散臭くなっている。
最後にニックがたどりついた解決法が彼女と別れる事だってのがバカらしい。そんなのがベストな解決になるとでも思ってるんかい? で、そこまで見ていると、その結末まで想像がついてしまい、まさにその通りになって映画が終わってしまっている。なんか安易すぎないかねぇ?
結局、この映画よりは「イフ・オンリー」や「もしも昨日が選べたら」のほうがまだマシに作ってあると思うのは私だけであるまい。
映画「バタフライ・エフェクト 2」
http://www.butterflyeffectmovie.com/
http://air.ap.teacup.com/yuu1/450.html
映画「イフ・オンリー」
http://diarynote.jp/d/28044/20060319.html
タイトルの「バタフライ効果」っていうのがこのストーリーには合っていないんだけどなぁ。いったいこのストーリーのどこが「バタフライ効果」だと言うのだろうか?
「バタフライ効果」の科学的な意味をちゃんと知らずに使っているのでは?