映画嫌い (144)
2007年2月2日本日のデス映画は、2006年のロシア映画「ディ・ウォッチ (Day Watch - DNEVNOY DOZOR)」だ。
事前にはどんな映画なのかも知らかった。SFなのか、ホラーなのか、サスペンスなのか、コメディなのか、感動ものなのか、ポルノなのか、どんなジャンルの映画なのかも知らず、全く予備知識もない状態で見てみたところ・・・。
最初のシーンは、かつてイラン北部を統一していた豪族・タメルランが戦乱の果てに「魔法のチョーク」を手に入れる話だった。そのチョークで書くと、書いた通りに運命をコントロールできるという、ドラえもんの秘密兵器のようなチョークだ。だから、そ〜いう歴史ものファンタジーの映画なのか?と思って見ていた。
ところが、急にシーンはモスクワに変わってしまった。車を運転する主人公・アントン・ゴロデツキーの隣で、同僚の女性・オルガがそのタメルランの話をしているのだった。そして、モスクワで殺人事件があって・・・、それで・・・、会話の内容が怪しげになっていって・・・、「光の勢力」、「闇の勢力」、「光と闇の協定」、・・・という言葉が出てくる。ここでやっと気がついた。これって昨年に公開されていたロシア映画「ナイト・ウォッチ」の続編だったんだぁ!
見たよぉ、あのくだらない映画「ナイト・ウォッチ」を。意味不明な映画で、ほとんどストーリーを覚えていないぞ。かつて、光の勢力と闇の勢力が対立して勢力争いをしていたが、和平協定を結んで互いに監視しあっていた。しかしその均衡がくずれてきて、光の勢力に属する主人公のアントンは吸血して平和を乱す闇の勢力と戦う。アントンの息子・イゴールは自分を堕胎しようとしていた父への敵対心から闇の勢力に属することを決断し、そこでプッツリと終わりだった。
尻切れトンボな映画だったよなぁ。剣と魔法だ、光と闇だ、ってな稚拙なテレビゲームのような世界観がアホらしかったし、矛盾しまくりでわけのわからんそのストーリーの流れもバカバカしかった。だから、その続編には全く興味がなくて、見る気もしていなかったのだ。
でも見てしまったんだよなぁ。これが「ナイト・ウォッチ」の続編だなんて知らなかったんだもの。知っていたら見なかったぞ。なんで「ディ・ウォッチ」なんてタイトルにしたんだぁ? まぎらわしいよなぁ、続編ならば、わかりやすく「ナイト・ウォッチ・2」ってなタイトルにしろよ!
で、続編になっても相変わらずストーリーはわけがわからない。意味不明のテンコ盛りだ。以下はそのわけのわからないストーリーの概要である。なんとか意味がわかる部分だけを抜き出して整理してみた。それでもさっぱり意味不明だ。
闇に属する女性・ガリーナが何者かに殺害された。
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殺される直前にガリーナはアントンと会っていたという目撃証言から、アントンが犯人だと誤解されて、アントンは闇の勢力から追われる。この件が原因で光と闇の全面戦争に発展することを恐れた光のボスは、アントンとオルガの体を魔法によって交換し、
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アントンはオルガの姿となって逃亡する。しかしそれも闇にはバレちゃって、交換した体は元に戻るのだが・・・、なぜだかアントンは「魔法のチョーク」を探しにサマルカンドへ行こうとして飛行機に乗る。わけがわからないなぁ。その飛行機の中でサマルカンドには「魔法のチョーク」はないと判断し、すぐにアントンはモスクワに戻ってくるんだから、ますますわけがわからなくなる。その「魔法のチョーク」は、アントンが食事をしていた中華料理レストランのオヤジが持っていたのだ。んなぁ、アホなぁ〜。なんでやねん! そのチョークを手にしたアントンは、チョークで息子・イゴールの名前を書いてみると、そこへイゴールが現れた。しかし、敵対するイゴールはアントンからチョークを盗んで去ってしまう。
次のシーンでは、アントンはモスクワ市内の大きなホテルに向かう。そのホテルの最上階で闇の連中によってイゴールの誕生パーティが催されているからだ。闇の連中の宴の中に入ってきたアントンは毒を盛られて酩酊状態になる。ガリーナ殺害の真犯人がわかり、アントンの容疑は晴れたが、アントンは挑発され、盛り上がった闇の連中は協定破棄を宣言する。ホテルの前には光の仲間がぞくぞく集結し、一触即発状態に。
そして、ホテルも、モスクワ市内全域も廃虚になってしまった。
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チョークを取り返したアントンは、その魔力を使おうとしてロシア語で「HET」(英語の「no」と同じ意味)と書いてみたところ、
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1992年に時間が戻っていた。ここで「ナイト・ウォッチ」でのはじめのシーンに戻っている。妊娠した彼女を魔術によって堕胎しようとして、魔術を使うおばちゃんを訪問してきた若き日のアントンのシーンだ。アントンは堕胎することを考え直して、おばちゃんに「ノー」と言って帰る。アントンには光と闇のことに関する一切の記憶もなく、普通の「人間」になっていたのだった。おしまい。
なんなんだろうねぇ、このヘナチョコ・ストーリー。意味がわからんシーンだらけで疲れるよぉ、ったくもぉ〜。頭がクラクラしてくる。そのほかにも、上記のストーリーとは無関係なわけのわからないシーンが大量にあるんだもの。
で、確か、この映画って三部作になるってことだった。これで完結したような気がするんだけど、更にこれに続きがあるわけ? いやだなぁ。これの続きは絶対に見たくないなぁ。今年か来年あたりにロシア映画で「なんとか・ウォッチ」っていうタイトルのやつが出てきたら要注意ってことだな。続きは絶対に見ないぞ!
映画「ディ・ウォッチ」
http://www.imdb.com/title/tt0409904/
噂によると、3作目のタイトルは「Dust Watch」らしい。気をつけよう!